中国を潜る。前編 〜海南島・三亜〜
中国を潜るために訪れたのは、中国最南のリゾート地、海南島・三亜。
北部は亜熱帯、南部は海洋性熱帯という常夏の島。
ハワイと同じ緯度から「東洋のハワイ」との異名を持つが、そこはとりあえず、ハワイに謝った方がいいかと(笑)。
やんわりと四季があり、冬は暖かく、夏は過ごしやすく、中国本土はもとより、ロシアからのゲストが多いよう。
日本人はといえば、ちょっと前にH.I.S.がチャーター機を飛ばしていた時期はふんわりと盛り上がったが、今やかなり少ないとのこと。
実際、広州から乗った国内線には、日本人は自分ただ一人。
中国人にとっては沖縄のような海南島はリゾート地として最高だろうが、沖縄を持ち、円高で世界中のリゾートへ手軽に行ける日本人にとって、乗り継ぎを含めて半日かかる海南島を選択肢に入れるにはなかなか難しいものがあるのかも。
※
深夜に到着した翌日。本来の目的である、いざ中国の海へ!
海南潜水の新田篤三さんにナビゲートしていただき、メディアにも出ていない、とっておきの沈船が沈むという、後海(ホウハイ)へ。
ただ、船が沈んでいる場所があまり定かではないらしく、この日は詳しい船長さんではないこともあって、アドベンチャーなダイビング。
前日まで大雨だったこともあり、川の水が流れ込む海は、お世辞にも透明度が良いとはいえない緑がかった海。
水温は22度。南国だと思っていたので、シーガルだった僕は、深いし、寒いし、透明度悪し、ちょっぴり窒素酔いだしで、心臓結構ドキドキ(笑)。
完全な上級者スポットのよう。
アンカーロープに沿って一気に40メートルまで降りていくも、沈船は見つからず。
気を取り直して、2本目。
やっぱり見つからず(笑)。笑うしかない。
40メートルということもあり、あっという間に浮上時間がやってくるので、出会った生き物といえば、クラゲのみ。
※
気を取り直して、3本目は浅場に戻ってきて、水深10メートルもない湾内でダイビング。
南の島としては地味な印象は否めないが、「中国の海に潜っている!」というだけで、楽しいもの。
殺風景な中、クマノミのペアを見つけて何だかホッ。
ハマクマノミやハナビラクマノミも見られるとのこと。
2本何にもない海を40メートルまで行って帰ってきただけで、3本目も地味だな〜という印象でエグジットしようと思ったその時、最後の最後にサプライズ!
フリソデエビが岩の隙間から登場。
フィッシュアイしかなかったが、近付いても引っ込むことなく、むしろ威嚇してくる元気っぷり。
おかげで証拠写真もバッチリ。やっぱり南国なんだな〜。
最後の最後でテンション上がるダイビング。
よくわからないけど、さすが中国!
ということで、1日目を終え、海の感想は……う〜ん(笑)。
事前に海流図を見て想像していた通りの海。
黒潮が当たる様子もなく、海自体が大きな湾になっているので、透明度は上がらず、新田さんいわく「巨大なため池」。
夏は水面温度が30度近くになるが水中は4〜5度低いというのは、水が回流しない証拠だろう。
皮肉にも、日本の海がいかに世界的にも恵まれた場所に位置するかを実感させられるダイビングとなった。
※
ダイビング後は、マッサージを受け、飲茶を食べ、陸上を堪能。こちらは超一級品。
ホテルも町並みも運転も、いろいろ何だか雑だけど(笑)、活気あって、良い意味でチグハグな感じがとっても楽しいです、中国。
後編はこちら。