その日ベストな伊豆のダイビングポイントを見極めて潜るスタイルを体験!
伊豆大島に滞在することになり、ふと伊豆諸島の地図を見ていると、「ん? 伊豆半島、近くない?」と気がついて、高速ジェットを調べると、何とたったの30分ちょい!
目の前にベストシーズンの伊豆半島があるのに潜らないのはもったいない。
ということで、「伊豆を潜りたい!」と思いついたものの、さて、どこで潜ろう……。
真っ先に思い付いたのが、ダイビングサービスむらい。
というのも、忙しさにかまけて、伊豆の各エリアの情報をチェックできていなかったので、「伊豆の○○で潜りたい」というより、ベストシーズンの「伊豆半島を潜りたい」と思っていたから。
ダイビングサービスむらいは、伊東を拠点に、当日の朝にベストな伊豆半島を決めて潜るスタイルなので、任せておけば間違いなく伊豆のいいところに行けるだろうと。
世界的に見たら「伊豆は伊豆」というのもひとつの視点
考えてみると、このスタイルは、実は多くのダイバーが望んでいるスタイルかもしれません。
というのも、そこまで海の中に明確な目的を持っていないダイバーも多く、伊豆の○○で潜りたいというより、伊豆で潜ってみたいというダイバーも多いからです。
実際、ひとつの海に通う人も、伊豆の○○で潜りたいというより、好きなダイビングショップ、ガイドだから通うという人も多いのではないでしょうか。
それに、前々から世界のダイビングエリアを潜って思っていたのは、パラオ、モルディブ、セブ、バリなどなど、世界の“ダイビングエリア”と呼ばれる海と並列なのは、富戸や伊豆海洋公園ではなく“伊豆”や“沖縄”だということです。
富戸や伊豆海洋公園、大瀬崎など、伊豆の中でダイビングエリアを細分化していますが、世界のダイビングエリアで考えると、ダイビングエリアというより、ポイントという距離と規模感。
伊東から、東伊豆の人気スポットまでは30分ほど、西伊豆までは1時間ほどで、世界のダイビングエリアではよくあるポイントまでの移動時間。
ひとつの海にプライドを持って深堀りするのもとても価値あることですが、世界中を潜っているダイバーやビギナーなどは、「日本なら、伊豆や沖縄を潜ってみたい」というのも率直な需要。
そういう人にとっては、その日ベストな伊豆半島の海で潜れて、いろんな伊豆の海を体験できるスタイルは、願ったりかなったりでしょう。
また、電車ではアクセスしづらい西伊豆を潜るのに、伊東集合は便利ですよね。
都市型ショップと現地サービスのいいとこ取り
いろいろな海を潜るスタイルのデメリットは、特定の海に弱くなるということ。
いわゆる都市型ダイビングショップはいろいろな海を潜りますが、どうしても特定の海に行く頻度が少ないので、現地ガイドに比べて、言い方に語弊がありますが、海に弱い傾向があります(その分、他のメリットがありますけどね)。
しかし、ダイビングサービスむらいの村井智臣さんは、かつて富戸のショップで15年以上ガイドをしていたという確かな伊豆の視座を持っていることもあり、伊豆全域を潜るようになった今は、むしろ、比較対象が増えた分、伊豆半島の海にさらに強くなった印象を受けます。
伊豆が好きなダイバーは、自ら伊豆全域の情報を集めて、海の状況に合わせてダイビングショップに予約していましたが、それを引き受ける、プロの“伊豆ダイビングガイド”がもっと増えてもいいのになーとは以前から思っていました。
都市型ショップと現地ショップの中間という位置づけではなく、むしろ都市型ショップと現地ショップのいいとこ取りの伊豆ショップというスタイルはおもしろいと思います。
ちなみに、当日の朝にどうやって潜る海を決めるのかを聞いてみると、「基本的には、仲のいい現地ガイドさんに電話して、状況を聞くのが確実だよね~」とのことですが、風向きや生物情報、リクエストなど、総合的に判断しているそうです。
伊豆ガイドには、経験やネットワークが必要なことは言うまでもありません。
今日はベストシーズンの富戸の海へ。明日はどこの海?
今日は、朝起きると、潜る海が富戸に決定。
この、どこに潜りに行くのか朝になるまでわからない感もなかなか楽しいものです。
伊東からおよそ30分、富戸に到着。
早速、「ヨコバマ」にエントリー。
水中は、ゲストのリクエスト通り、カラフルなマクロ生物が外れなく登場。
というより、事前に伊豆全域の生物情報をチェックし、水中の様子も把握しているので、リクエスト合わせて、“用意”しているといった方が近いかもしれません。
透明度もまだウエットスーツで行けるギリギリで、カラフルな季節来遊漁も多いベストシーズンの富戸を満喫したのでした。
明日は、一応「西伊豆で潜りたいな~」とやんわりとリクエストしましたが、さてどこで潜るんでしょ(わくわく)。
(撮影:石丸智仁)