太平洋のガイドたちに鳥取・田後のダンゴウオはどう映ったか

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2014年4月18、19日、鳥取県.田後(たじり)で「名物ガイド3人と潜るダンゴウオの海」が開催されました。

鳥取田後、ダンゴウオ祭り

ダンゴを食べてダンゴウオを探すダンゴ祭り

オープン以来、ダンゴウオの海として広く知られるようになった、日本海・田後のブルーライン田後のもとに、伊豆半島から八幡野・ダイビングショップ海好きの福田航平さん、三浦半島から葉山・ダイビングショップNANAの佐藤輝さん、房総半島から勝浦・ばんざいダイバーズの中村奈苗さんという、太平洋のダンゴウオ好きガイド3人が集結。

ダンゴウオに集まったダイビングガイド4人(ZEROのドライスーツ)

ダンゴガイド集結!皆さん、ドライスーツがゼロなのが印象的

「オープン以来、ドライスーツ最高人数です」とブルーライン田後の山崎英治さんが言うように、企画参加のダイバーも含め30名近いダイバーが田後に集まり大盛況となりました。

鳥取田後、ダンゴウオ企画

いざ、ダンゴの海へ!

海況も透明度もあいにくイマイチで、思うようにポイントを選べなかったものの、それでも普段潜っている太平洋の海とは異なるフィールドに、皆さん、かぶりつきで2日間ダンゴウオ撮影に没頭。

“1人に1匹ダンゴウオ”が合言葉の田後の海。
1ダイブで数十匹のダンゴウオが見つかる田後では、順番待ちがなく、心ゆくまでダンゴウオを撮影できます。

でも、まったく動かず根にかぶりつきのダイバーたち、引いて見ると、ちょっと変な光景かも(笑)。

鳥取田後のダンゴウオ撮影

どっぷりダンゴウオ撮影

今回潜ったポイントでは密集率は低かったものの、生まれたてのキュートな赤ちゃんダンゴウオがいっぱい。

鳥取田後の赤ちゃんダンゴウオ

頭に通称“天使の輪”を持つ赤ちゃんダンゴウオ。体長は2~3ミリ

バリエーションも豊富で、緑も赤もゴツゴツも、いろんなダンゴウオが登場してくれました。

鳥取田後のダンゴウオ(撮影:寺山英樹) 鳥取田後のダンゴウオ(撮影:寺山英樹)
鳥取田後のバーベキュー

お昼は鳥取名物のハタハタがふるまわれました

太平洋ガイドたちは、「こっちはクロメが多い。ライトを当てて、クロメを透かしてダンゴを撮るのにいいね」、「太平洋はエツキばかりだから、こっちは緑がいていいよね~」、「勝浦だと潮の当たる水深が深めのところにいるけど、こっちは浅くて穏やかなところにいるなんて、真逆だね~」「っていうか、イカナゴがすごい! ミズクラゲの触手が長い!」などなど、自分たちのフィールドとの違いを楽しんだ様子でした。

夜は鳥取市街で「ダンゴウオパーティー」が開催され、鳥取ダイバーも合流し、総勢およそ50名で大盛り上がり。

鳥取田後でのダンゴウオパーティー 鳥取田後でのダンゴウオパーティー

「鳥取でしか潜ったことがないなんて逆にレア!」と伊豆ダイバーが驚けば、「え!水温13度で、ウエットスーツで潜ったんですか!!」と鳥取ダイバーが驚くという、ちょっとした異文化交流(笑)を目の当たりにしました。

2日間で撮った写真でフォトコンも開催されましたが、グランプリはやっぱりダンゴウオ。

鳥取田後のフォトコングランプリダンゴウオ

「前ボケと後ろボケを活かし、右側の空間に物語性もあって素敵な写真ですね」と大川カメラマン

鳥取田後のフォトコングランプリダンゴウオ

「偶然です」と謙遜するグランプリの生井欣宏さん

グランプリにはZEROよりダンゴウオフードが送られました。

ダンゴウオのフード(ZERO)

最後は、フリーチケットなどが当たるクイズ大会で盛り上がり、熱いダンゴの夜となりました。

鳥取田後でのダンゴウオパーティー

最終日は鳥取砂丘でラクダに乗ったり、砂を駆け下りたりなど、鳥取の観光を楽しみ、海に陸に普段なかなか行く機会のない鳥取の魅力を感じた関東ダイバーたち。

鳥取砂丘

逆に、日本海一筋の山崎さんは、太平洋ダイバーたちの視点の違いに驚いた様子。

「今回はたくさんの関東ダイバーの皆様にお越しいただきありがとうございました。一緒に潜ってガイドして、関東ダイバーの目線にこちらが驚かされました。今回のメインはダンゴウオでしたが、普段はスルーしてしまう生物に興味を持たれたり、風よけポイントが大人気だったり」

「ガイド会の佐藤さん、福田さん、中村さんとの生物層の違いや情報交換など短い時間でしたがいろいろ教えてもらいました。夜のパーティーでも地域の枠を越えてゲストさん同士が交流されていて楽しい夜が過ごせました。私も含め四人が皆同い年ということもあり、またお互いのフィールドを行き来したいと思います」

鳥取田後のダンゴウオ(撮影:山崎英治)

山崎さん撮影の成魚ダンゴウオ

ダイビングショップNANA 佐藤輝さん

鳥取田後のダンゴウオ(撮影:佐藤輝)

海の感想としては、かなり葉山に似ているということです。
お客様からも葉山の海は日本海の海によく似ていると聞いていましたが、自分の目で見てもそう思いました。
生物もダンゴウオをはじめタツノオトシゴやキヌバリ、チャガラなどなど似ているなと思いました。

水中の雰囲気はそっくりですが細かい部分で違うのは、砂が田後の方が細かいことや生えている海藻はかなり違いました。
ダンゴウオがついている海藻が違うので色など、葉山との違いをかなり感じました。

田後の海に潜って僕も葉山で同じような場所を探してみようというよりは、雰囲気も似ていて生物も似ているけど、葉山とは違うんだな~、というのが感想です。

また今回、一緒に行った、ふくちゃん、ななおちゃんはガイド会でも同じで、歳も同じで僕も思ったままに行動でき、楽しい時間を過ごさせてもらいました(笑)
これまた同い年の山崎さん含め、これからも一緒に切磋琢磨してお互いに成長していけたらと思います。

少しだけ、ふくちゃんと、ななおちゃんの良い人ぶりに近づけたらな……と普段から思っていたのですが、今回の旅を通して、あまりの良い人ぶりに無理だな~と改めて思った3日間でもありました。

ご参加いただいた皆様、スタッフの皆様、本当に有難うございました。

ダイビングショップ海好き 福田航平さん

鳥取田後のダンゴウオ(撮影:福田航平)

鳥取ツアーでは大変お世話になりました。
現地スタッフの皆様には、慣れないエリアということもあって迷惑をかけっぱなしでしたが、優しくフォローして頂けて感謝の気持ちでいっぱいです。
とても楽しく、そして僕にとっても大変貴重な時間を過ごすことができました。

実は、日本海側で潜るのがはじめての経験だったので、太平洋側と生息している生物の違いにビックリでした。
水中で見る生物、そして地形全てが新鮮で、毎回ワクワクのダイビング!!
大人気のダンゴウオも驚くほど生息していました。

モサエビや、ハタハタを使用した鳥取ならではの料理も美味しくて大満足!!
また、遊びにいきたいと思います。

ばんざいダイバーズ 中村奈苗さん

鳥取田後のダンゴウオ(撮影:中村奈苗)

まずは、ダンゴの数の多さに驚きました。
いる海藻も環境も勝浦と違うので、勝浦では撮れないアングルでの撮影ができて新鮮でした。

太平洋では見ることができない生物もいて、潜っていて何これー? が多くて楽しかったです。

何よりザキさんのダンゴ発見スピードの速さで海は楽しめ、山崎夫妻お二人の100%地元愛のこもったおもてなし心で陸も楽しめた3日間でした。

海は面白くて人が温かい鳥取は最高でしたー!

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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