人気ポイント「秋の浜」やナイトダイブも!東京から1時間45分で行ける生物の楽園・伊豆大島のダイビングの魅力

オーシャナの皆さん、こんにちは。水中カメラマンの堀口和重です。
今年も残すところあと数時間となりました。今年のダイビングは終了しました!という方や、もう少し粘って潜り納めを!という方がいると思います。私はもう少しだけ粘って撮影し、潜り納めたいと思っております。

今は普段ホームとして使っている西伊豆エリアではなく、東京都の伊豆大島へと来ています。
行ったことがある人もたくさんいると思いますが、知らない人たちにもぜひ知ってもらいたい「伊豆大島のダイビングの魅力」を、年内最後のレポートにしました。

2018年潜り納めは伊豆大島
ダイビングの魅力をご紹介!

東京・竹芝桟橋からなら、東海汽船の高速ジェット船で最短1時間45分。アクセス便利な伊豆大島は、週末に気軽に行ける離島として人気のダイビングサイトです。そんな伊豆大島で、今回私が見つけたダイビングの魅力をご紹介していきます。

青さが広がり続ける海

ダイビングのメインポイントの1つ「秋の浜」では、冬場というのもあるのですが、エントリーしたとたんに「青いっ!!」と口に出してしまいそうな、スコーンとどこまでも抜けている透明度。さらにそこから徐々に深場に降りていくと、今度は濃いブルーの世界が見渡す限り広がっていました。大量のソフトコーラルや、その周りを泳いでいる生き物が彩度を際立たせます。

伊豆大島に来たらぜひ潜りたい「秋の浜」。美しいブルーの海景は必見(撮影/堀口和重)

伊豆大島に来たらぜひ潜りたい「秋の浜」。美しいブルーの海景は必見(撮影/堀口和重)

多種多彩な生き物

伊豆大島では様々な生き物が見られます。色とりどりのヤッコ、砂地からへばり付いたら離れなくなりそうなハゼの仲間、何種類いるのかわからなくなってしまいそうなスズメダイの仲間など、南方種は休みを与えてくれないくらいたくさんいるのです。

また、大島の私の一押しと言えば、美しさに撮影の時間を忘れて虜にされそうなハナダイたち。ハナダイ自体が少し深いところに住んでいるのですが、アサヒナナゴイとアカボシハナゴイが一緒に見られるところもあり、1フレーム入りも可能。首都圏から近くこんな写真が撮れる海も、なかなかないのです。

アサヒナナゴイとアカボシハナゴイの2ショットを激写!(撮影/堀口和重)

アサヒナナゴイとアカボシハナゴイの2ショットを激写! (撮影/堀口和重)

狙うは生態シーン

生き物が多いということは、さらに言えば生態行動も見られる可能性が高いということ。
伊豆大島ダイビングセンターのガイド・有馬さんが、水中で慌てた様子でライトを振っていたので行ってみると、衝撃的な光景がありました。
和名のついてないエソの仲間である、リッドマブールリザードフィッシュがキスジキュウセンの幼魚を捕食するシーンです。

ゆっくりと飲み込んでいくところは、まるで陸上のヘビがカエルなどを飲み込んでいる様子に近い感じがしました。

よく見ると、口からまだキスジキュウセンの体が半分以上出ている(撮影/堀口和重)

よく見ると、口からまだキスジキュウセンの体が半分以上出ている(撮影/堀口和重)

夜の海もおもしろい!

おもしろいのは日中だけじゃない、伊豆大島のもう一つの魅力。それはナイトダイビングです。
12月はライトトラップ中に深海生物の子どもなどがたくさん出ていたようです。私が今回撮影した2日間では、タルマワシはもちろんのこと、アオイガイの雄やワニギス属の1種などが観察されました。

中でも、クダリボウズギス属の1種が現れると、伊豆大島で初めて確認されたようで、各店舗の現地ガイドさんたちも大賑わいでした。

クダリボウズギス属の1種(撮影/堀口和重)

今回、クダリボウズギス属の1種も見つかった(撮影/堀口和重)

イエローダイブの古山さんに教えていただいたワニギス属の1種

イエローダイブの古山さんに教えていただいたワニギス属の1種(撮影/堀口和重)

伊豆大島の注目ガイド!
後輩に会いに行ってきた

おもしろいガイドが現れました。伊豆大島ダイビングセンターに2018年4月より入社した、木村純志君。

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もともとは動物・自然の専門学校を出て、この業界に入りました。実は私が大瀬崎の大瀬館マリンサービスで働いていた頃に実習で来ており、知っている顔なのです。

専門学校卒ということもあり、海の生物のことも大好きなのと、えらく真面目な性格が特徴的でした。1年半ぶりに彼に会ってみると、社会人としての風貌も付いており、さらに好きな仕事にのめり込んでいました。

今回そんな彼を紹介したい理由があります、他のガイドさんとは少し違うことをしているので、伺ってみました。

堀口

こんにちは、インタビューよろしく。まずダイビング業界に入って半年、今の心境はどうかな?

木村さん

よろしくお願いします。業界に入ってですか……、そうですね、毎日潜りながら、大好きな生き物を見たり、紹介できる仕事につけて、今は毎日がとても充実しています。あまりにも楽しすぎて休みの日も潜っています!

堀口

毎日が充実していることはいいこと。純志の性格なら、休みの日も休みにならないくらい潜ってるイメージだね。そんな休みの日も楽しめてしまうのは、なぜ?

木村さん

もともと海の生き物が好きだったので、自然の生き物たちを観察することがとても楽しいのです。
さらに伊豆大島ダイビングセンターには図鑑などたくさんの資料があるので、海で見てきて楽しんだ後にもう一度、今度は図鑑を開いてわからない生き物を探す楽しみがあり、2度楽しめてしまうというところですね。

堀口

休日を使って海に行って、わからなければお店に戻り、すぐに調べるとはガイドの鏡だね。
それとおもしろいことに取り組んでいると話を聞いたのだけど、それは何でしょう?

木村さん

今、取り組んでいることはウミウシの動画図鑑をYouTubeにあげていることです。

堀口

ウミウシなら図鑑で調べればいいんじゃないの? 動きなさそうだし……笑

木村さん

いえいえ、実はウミウシって全く動かないウミウシもいますが、種類によっては動き回る個体もいるし、さらにスピードも違うんです。なので、見ている方々に、「実はこのウミウシ、こんなに動きがあるんだ」など、自然の中でしか見れない特徴を伝えていきたいと思っています。

堀口

おぉ!!細かいところまで、いろいろだね。ちょっと気になってきたので今すぐ見てみよう!! チャンネル登録もよろしくお願いします!!

では最後にお客さんやオーシャナ読者の方に一言お願いします。

木村さん

伊豆大島ダイビングセンターは、僕を含めて生き物が大好きなスタッフが集まっています。そんなスタッフに囲まれながら海の生き物を見たい、知りたいという方は、ぜひ伊豆大島の海を一緒に楽しみましょう!

堀口

以上、伊豆大島ダイビングセンターの木村君でした。ありがとうございました。

今回、お世話になったショップ、まずは伊豆大島ダイビングセンター
オーナーの有馬さんは伊豆大島の生物にとても詳しいガイドさんで、「ヤドカリ (ネイチャーウォッチングガイドブック)」なども出されています。
施設はゆったりと休めるようになっており、使いやすく、初心者から撮影ダイバーまで幅広く対応できる、お勧めなショップさんです。

伊豆大島ダイビングセンター

続いて、伊豆大島イエローダイブ
島の北西部をメインに潜られており、オーナーの古山さんはスクーターを使ったダイビングや、ライトトラップにも力を入れています。今回、水中のシチュエーションが良さそうなところを探しながら、ガイドしていただきました。
お店はお洒落かつ清潔感があり、どなたでも居心地が良く過ごせるでしょう。

伊豆大島イエローダイブ

堀口和重さん
プロフィール

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伊豆の大瀬崎にある大瀬館マリンサービスにチーフインストラクターガイドとして勤務後、2018年4月にプロのカメラマンに転向。
現在は伊豆を拠点に水中撮影から漁風景や海産物の加工まで海に関わる物の撮影を行っている。
▶堀口和重写真事務所ホームページはこちら
▶堀口さんのFacebookはこちら

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PROFILE
日本を拠点に活動している⽔中カメラマン。カメラマンになる以前はダイビングガイドをしながら数々のフォトコンテストで⼊賞。現在はダイビング・アウトドア・アクアリストなどに関連する雑誌やウェブサイト、新聞などに記事や写真を掲載、水中生物の図鑑や教書にも写真提供している。2019年に日本政府観光局(JNTO)主催の“「⽇本の海」⽔中フォトコンテスト 2019”にて審査委員、2020年には“第28回 大瀬崎カレンダーフォトコンテスト”の特別審査員も務める。近年は訪⽇ダイビングツーリズム促進を⽬的として“NPO 法⼈ Japan Diving Experience”としての活動も⾏っている。
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