ヴィーナスでズーム練習 @大瀬崎③

大瀬崎① 大瀬崎②

1本目の僕の写真を見た中野さんが指摘する。

「テラさん、ズーム使って撮ってないですよね?」

その通り。ワイド側で寄れるところまで寄って撮り、
あとはトリミングすればいい、という撮影方法が染みついている。
前の記事の写真を見てもらえれば一発でわかるはずだ。
ピンを合わせて、絞れるだけ絞って、被写界深度を深く撮るのがマイセオリー。

『マリンダイビング』では、こうした証拠写真的な写真が少なくない。
「作品を撮るのではなく、きちんと生物がわかるように撮る」が編集長の教えだったからだ。

しかし、そんな僕の心中をわかった上で中野さんが提案してくれる。

「ズームせずにワイド側で(寄って)撮影すると、
ピントも合いやすいし、素早く証拠カットを取れるというメリットがあります。
たくさん撮る必要がある、お忙しい寺山さん向きですね。
しかし、マクロものをズームして大きく撮影しておくと、
そのままでも使える『作品』が撮れますし、
仮にあとでWEB用に切り取る時にも大きな画像が使えます」

よし、作品を撮ってみよう。
確かに、月刊『ダイバー』のよくのっている、かわいくて、かっちょいい写真も撮ってみたい。

そして、中野さんがやんわりと「お忙しい寺山さん」と言ってくれているが、
要するに落ち着きのない僕を見抜いた中野さんから、
「次の1本はひとつの場所で、動かずじっくり撮りましょう」との提案。

ということで、2本目は「湾内」だニャー。

エントリー直後、中野さんが興奮してチリンチリン鳴らす。
見れば、中野さんも初めて見たというタコの共食い。

これは! と思い、食い付くように撮影し始めると、
1本目の二の舞になると思った中野さんが「最後にして行きましょう」と。

ヴィーナス象に到着。

イカの赤ちゃんを発見したのでズームで狙う。

ピンボケ。

ピントが合う幅が狭いのでなかなかピントが合わない。
何とか、動きが止まったところを狙って撮る。

ストロボが当たらない。

気を取り直して、もう一度。

やっぱりピンボケ。

こりゃ難しいと、動かない被写体を狙う。

やっぱりストロボが当たらない。

光量を上げてみると……

オーバーで飛び飛び。

光が当たらず→光量上げてオーバー。
その後もずっとその繰り返し。

上がった後で聞いてみると、
「ストロボにアームをつけて適切な位置から光を当てることで、
改善できると思います。
今の感じだとショートアーム1個あればいいかなと思います」

つまり、光量の問題ではなく、ストロボの位置だったのね……。

何となくまともに撮れたのはこれくらい。

でも、何か、背景がボヤけててかっちょいいぞ。うんうん。

没頭

ヴィーナス像であれこれ考えながら撮った割には成果がなかったが(泣)、
何もかも忘れて没頭できる水中撮影は、生活の中ではなかなか得難い時間。

1本目は気持ちよく、2本目は写真に没頭。
やっぱり、ダイビングは素晴らしい!!!
中野さん、慶松さん、はごろろもマリンサービスさん、ありがとうございました!

■中野さんが5月から地元・熊本でオープンする、
《熊本ダイビングサービスGIFT》はこちら!

http://www.giftdive.com/

■今回、お世話になった《はごろもマリンサービス》はこちら!

http://hagoromomarin-ose.com/

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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