水中写真家・鍵井靖章と脳科学者・中野信子による、かつてない体験イベント「BRAINDIVE」が開催
水中映像と写真、空間を用いて脳科学の世界を表現するエキシビション「BRAINDIVE」が2022年3月11日(金)から3月21日(月祝)の期間に東京・代々木上原で開催される。今回、脳科学者・美術研究家である中野信子氏と、多彩な視点と色使いで水中写真のポピュリズムを担う水中写真家の鍵井靖章氏が協働。一体どのように脳科学の世界と水中写真を融合させているのだろうか。
脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動をする中野氏が、空間を表現する
本展では、中野氏の脳の活動データを視覚化。人間の故郷であり、未だベールに包まれた世界である海中へダイブするように、脳の活動を体験するヴィジュアルインスタレーション(※)という表現方法が用いられている。
※ヴィジュアルインスタレーション
ヴィジュアルは視覚。インスタレーションとは、一言でいうと展示空間を 含めて全体を作品とし、見ている観客がその「場」にいて空間全体を“体験”できる芸術作品のことをいう。分野としてはデザインではなくアートになる。絵画や彫刻・映像・写真などと並ぶ現代美術における表現手法の一つ。
水中写真家の鍵井靖章氏と協働し、空間体験を出現
本展のヴィジュアルインスタレーションは、自然のリズムの中で撮影された視点・色彩を、脳の活動データによって生み出される空間体験として出現させている。実際に計測された数値から生成されるヴィジュアルと、鍵井氏によって撮影された豊かな生態系とダイナミックな環境の海中写真と映像によって構成された空間で、言葉や表面的な振る舞いだけでははかり知ることのできない、他人の感情や思考、身体的な状況を、脳の中の現象として体感的に捉えることができるのだ。
中野氏よりコメント
脳には、海のように波があります。感情、思考、記憶、それらはすべてメインビジュアルに書きなぐった方程式で記述される波に還元されます。知識や言語、解像度の高い情報が、人々を却って切り離すこともあります。本展では、脳の中に起きている現象を直接やり取りできる未来のプロトタイプとして、私という他者の脳に潜ってもらう体験を提供します。会場内では、何度も海にご一緒した鍵井靖章さんの映像と写真が、私の脳のリアルな活動に伴って変化するのをご覧いただけます。私の脳の中にある海に、どうぞ楽しみに潜りにいらしてください。(本展サイトより一部抜粋)
鍵井氏よりコメント
中野信子さんとのエキシビション「BRAINDIVE」が3月11日から、代々木上原の古民家ギャラリー「などや」でスタートします。中野さんとは沖縄の島々で、一緒にダイビングした経験もあり、同じ青、光、水を体感しました。今回は、彼女の脳の活動データを私の海中映像や写真でヴィジュアル化してみました。これまでにない海中映像の表現をどうぞお楽しみください!
全くの異業種の2人がどのような世界観をつくり出しているのか。水中世界に日頃から接しているダイバーにとっても、非常に気になる内容だ。実際に行って、ぜひ体験してみたい。