レジ袋有料化で海の環境問題を考える!親子ダイバーにこそ手に取ってほしい絵本「プラスチックのうみ」
7月1日、日本政府により全国の小売店でプラスチック製レジ袋の有料化が義務付けられた。この施策では、私たちの一番身近な小売店といっても過言ではないコンビニエンスストアも対象となっていることから、環境問題がもっと身近なものとして周知されるきっかけになるのではないかと期待を集めている。
しかしながらレジ袋有料化という話題の表面だけ見ていると、レジ袋の有料化と環境問題の関連性が希薄になりがちである。できれば分かりやすくレジ袋の元となっているプラスチックが何故、環境に悪いのかという理由を知りたいところだ。楽しみながら知れるなら尚のこと良い。
そこで今回は海の美しいイラストとまっすぐな言葉で理由を教えてくれる一冊の絵本をご紹介する。
小学5年生が日本語訳!
海洋汚染問題を絵本で解説“プラスチックのうみ”
タイトルは「プラスチックの海」。先月5日に発売されており、プラスチックによる海洋汚染を知るにはタイムリーな絵本である。
この絵本では、人間が出したプラスチックごみが、どのように海を汚し、生き物に影響を及ぼしているのか、そしてきれいな海を取り戻すにはどうしたらいいのか、を美しいイラストと分かりやすい言葉で伝えている。
巻末では、さまざまな角度から、プラスチック海洋汚染や今我々ができることについて解説。子供は当然ながら大人が読んでも環境問題について気づきを得られる内容になっているが、特に海が身近な存在であるダイバーが手に取ったのなら、一層自分事として捉えられるだろう。
くわえて、日本語翻訳を担当したのが日本の小学5学生の男の子だという点にも注目だ。
「僕たちの世代が大人になってから、僕たちが頑張らないといけないから、僕たちに何ができるかを考えるようになりました。」
男の子は翻訳をきっかけに環境問題への関心を高めたとKSB瀬戸内海放送のインタビューに答えている。
環境問題は我々全員で解決していく問題。だからこそ、翻訳じゃなくとも何かのきっかけを通じて、大人だけではなく次世代を担う子供たちにも関心を持ってもらうことはとても重要である。
「海を汚さないでください」「プラスチックを捨てないでください」と呼びかけるだけではなく、この絵本のような人の心に残り環境問題を自分事として捉えられるようなきっかけ作りが、関心を持ってもらうには自然な流れではないだろうか。
親子で海の素晴らしさを感じられるダイビングを
そこでダイバーの皆さまには、海の素晴らしさや大切さに気づくきっかけ作りにはダイビングがうってつけだと声を大にして伝えたい。
絵本で見た海の世界を実際に見に行くというのは、ダイバーだから提供できる最高の体験学習といっても過言ではない。
特に子供たちにとっては、ダイビングで実際に海の世界を見ることは心に残る原体験にきっとなるはずだ。
ダイビング指導団体にもよるが、最年少では8歳から体験ダイビングが可能。親子での参加もOKである。
ダイバーもノンダイバーも、この絵本をきっかけに親子でダイビングをはじめてみてはどうだろうか。
無論、お子さまだけでなくダイビングを体験したことのない友人、家族、恋人がいる場合もぜひとも一緒にはじめてみてほしい。
今後もさまざまなきっかけから、海の環境問題に対する関心が高まり、良い連鎖が生まれることが期待できそうだ。