水質悪化から復活。東京の海水浴場「葛西海浜公園」に国土交通省も着目

新宿や渋谷から電車で約40分。都心にほど近い東京都の東端に23区内唯一の遊泳可能な海水浴場がある。江戸川区の葛西海浜公園だ。かつて東京23区の海水浴場は高度成長期の水質悪化などで遊泳禁止となっていた。そんな中、葛西海浜公園では、先人の英知と努力でさまざまな取り組みを行い、水質改善に成功。1957年に閉鎖されて以来、約半世紀ぶりの2012年に遊泳可能な海水浴場として復活した。

水質改善に成功。葛西海浜公園のいままで

江戸川区南部に位置する葛西海岸には、かつて恵まれた漁場環境があり、アサリやハマグリ、海苔の養殖だけでなく、水遊びできる場として活気があったが、経済の高度成長期には生活・工場排水の流出で海は汚れ、地下水の汲み上げにより激しい地盤低下が続いていた。

1972年、失った自然豊かな海を取り戻したいという想いで、壮大な埋立事業が行われ、葛西海浜公園の整備を開始。そこからさらに、カキの放流や長年に渡る自然保護に取り組み、2012年、約50年ぶりに海水浴体験が復活した。以降、さまざまな試験的取り組みを重ねながら2016年には海水浴場として本格始動することとなったのだ。いまでは、区内外から幅広い世代があつまる賑わいのある都市に成長している。

都内で初めてラムサール条約湿地に登録された

現在、葛西海浜公園には多種多様な魚や鳥、昆虫、植物が生息し、さらに藻類(アサクサノリ)といったブルーカーボン生態系も確認されるまでとなった。2018年には都内で初めて、国際的に重要な湿地を保全する「ラムサール条約湿地」に登録され、開発が生んだ自然と都市の共生のかたちは、今や世界に誇れるかけがえのないものになっているのだ。

国土交通省も注目する葛西海浜公園のブルーカーボン

7月に行われた、葛西海浜公園の海開きセレモニーには、国土交通大臣政務官の朝日健太郎参議院議員も参加した。


朝日議員は、日本の長い海岸線を活用して「ビーチ」の文化を創出することで、健康や子育て、環境保全、地域のつながりに良い海岸を増やしながら、リゾートや観光など産業も創出するという政策を掲げている。そこで今回特別に朝日議員からコメントをいただいた。

「次世代の子供たちに、豊かな社会を引き継ぐことは我々世代の責任です。我が国は、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる『カーボンニュートラル』の実現に向け動き出しました。四方を海に囲まれ、世界でも6番目に長い海岸線を有する日本において、ブルーカーボンの可能性に私自身大変期待をしています。脱炭素はもとより、海岸での海洋教育といった点においても、自然と向き合うきっかけを示してくれると思います。葛西海岸で行われている活動は未来につながるその第一歩であり、その姿を多くの方と共有することが大切です。」

編集部員セリーナは、葛西出身で、幼少期から葛西海浜公園で潮干狩りをしたり、自然と触れ合ったりしてきた。東京湾に面し、東京ディズニーランドやアクアライン、房総半島や富士山などを一望できる、とても居心地のいい場所だ。私にとって身近な葛西海浜公園が、ブルーカーボンの観点からも注目されていることはとても嬉しく、これからもより自然豊かな場所になることを願っている。

葛西海浜公園概要

〒134-0086 東京都江戸川区臨海町6丁目
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PROFILE
2018年、電子部品メーカーに新卒で入社。同時にダイビングも始める。平日は広報室で社会人としての経験を積みながら、土日は海通い。次第に海やダイビングに対しての想いが強くなりすぎたため、2021年にオーシャナに転職。
現在はライターとしてネタ探しに目を光らせているが、海やダイビングについての記事を書けることに幸せを感じている。ダイビングをもっと広める!子どもたちの未来にも綺麗な海を届ける!そんな想いで日々活動している。