知らないと損する!水中写真家・戸村裕行が小笠原沈船マップを無料頒布

世界の海洋生物から沈没船まで様々な海中景観を撮影する水中写真家・戸村裕行氏が、多くのダイバーの協力のもと、4年の歳月をかけ「小笠原沈船マップ」を作成。戸村氏のオフィシャルサイトにて無料頒布されることが決定した。マップでは小笠原諸島の中心である父島を筆頭に、兄島、母島に眠る数多くの沈没船を水中写真や座標と共に紹介している。

小笠原沈船マップ

後世にも戦争の記憶をとどめておくために

小笠原諸島には太平洋戦争に関連する多くの戦跡が残されている。陸上に存在する戦跡(せんせき)は「戦跡ツアー」として巡られ、多くの観光客に知られている。一方、小笠原に関連する沈没戦艦のデータは意外にも少なく、特に父島や兄島の湾内に沈む艦船は同定されず、海中にも戦跡が残されていることは、ほぼ知られていないままだ。

陸上から望む濱江丸

深沈 推定「志摩丸」

小笠原海域の戦没船は、1944年(昭和19年)7月4日の父島空襲や、同年8月のアメリカ海軍機動部隊による航空攻撃「スカベンジャー作戦」などに起因するものなど様々。ダイビングでそれら沈没艦船に潜る事があっても、名前すら知られておらず通称で呼ばれているものが多いのが実情だ。さらには経年劣化などで多くの沈没艦船が崩れてきており、そこに船があったことすら忘れられてしまうかもしれない。そういった危機感から小笠原に住む方々、旅行者だけでなく、小笠原に興味を持つ方にもそのような歴史が今も海中にあることを周知すると共に、後世に伝承していくことを目的に「小笠原沈船マップ」は生まれたのである。本マップには小笠原でのレックダイビングの注意点も記載されているので、ダイバーにも役立つ内容と合わせて読むと勉強になる内容となっている。

特殊潜航艇甲標的丙型

第四号輸送艦(一等輸送艦)

終戦からもうすぐ80年を迎える現在、「小笠原沈船マップ」を頼りに現地にレックダイビングに出かけるのもいいだろう。沈没艦船の背景を知っておけば、実際に海中で観たときにより深く思いを馳せることができるかもしれない。

頒布方法

●データ版(pdf版)
戸村裕行オフィシャルサイトから無料ダウンロード
■制作:WorldWar2Wrecks
■写真:水中写真家 戸村裕行
■制作協力:
SDI TDI ERDI Japan(ダイビング教育機関)
小笠原ダイビングショップ & ペンション フィッシュアイ
ダイブリゾート母島
大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)
戸村裕行Profile
1982年埼玉県出身。世界の海洋生物から沈没船まで様々な海中景観を撮影する水中写真家。近年ではライフワークとして、第二次世界大戦(太平洋戦争)を起因とする海底に眠る戦争遺産の撮影を世界各地で続けており、実際に潜った艦船や航空機は100以上にもなる。その成果はミリタリー総合誌月刊「丸」(潮書房光人新社)の人気コンテンツとして連載され、靖國神社遊就館(東京都千代田区)を筆頭に各地の戦争(平和)記念館、博物館などで写真展を開催している。著書に写真集「蒼海の碑銘」(イカロス出版)など。執筆・講演多数。ストリームトレイル / ノーティカムジャパン / モビーズ など、各メーカーのアンバサダーも務めている。


公式サイト
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