【ニューカレドニア】ニューカレにもいた日本の固有種!? by 小川理志
(ミクシィ「現地プレス」)No.14の「晴れ間」というお題告知から時期的にも今日本は梅雨なんだと思い出し、日本の天気図を見てみました。南西諸島〜伊豆諸島にかけて梅雨前線が伸びていて、予報を見ても変わりやすいお天気のようですね。
ニューカレドニアも今は天候が若干不安定で、弱い低気圧がもたらす雲と雨がちらほら。その低気圧が少し離れたところを通り寒冷前線を伴うとスカッと晴れるといった感じです。透明度がよくなる時期でもあるので、外洋のクリアな潮が入ってくる時間帯に太陽が出ていれば、うっとりするようなブルーを背景にワイドの写真が決まります。
さてさて、ずっと気になっていたお魚がいました。オニハゼです。
ヌメアのミラクルスポット(個人的にそう思っている)の「テパバ」によくいます。日本固有種という話を聞いたことがあったので、なんでニューカレドニアに!?
そこですぐに思いつくのは「オニハゼの近似種なのか?」となるわけです。でも調べてみてもよく分からない。分からないまま何年もこの件に関しては棚上げになっていました。最近になってまた気になりだしたので、砂泥地の生物に詳しい同業者なら三保の鉄さんが一番!ってことで写真と一緒に鉄さんにメール。
帰ってきた回答は…
『オニハゼ属に関しては、まだまだ不明点も多く、近似属との整合性も
若干曖昧なところもありますので、断定を嫌う傾向がありますが、どうも
これはオニハゼっぽいですね。
日本以外からの報告が無いのか、少ないのかは分かりませんが、もしも
オニハゼと同定されれば、南半球からの初記録になるかも知れませんね。
然るべき人に送って、同定してもらった方が良いかも知れませんね。
学者のお墨付きってやつを貰う方が得策ですね。』
そこですぐに瀬能先生へメール。
するとやはりこの魚はオニハゼ。ニューカレドニアからの文献記録があるか分からないということですが、今回が初記録ではないかとのこと。
おおおーっ!と少し興奮してしまいました。
そして、沖縄だけでなくインドネシアやマレーシアにもオニハゼと同定できるハゼがいることが分かっていて、魚の分布に関して、熱帯域の浅海性の魚類はインド洋から中・西部太平洋にかけてが一つの整理区になっているので、日本にいるものがニューカレドニアに分布していてもおかしくないそうです。確かに日本で見られる魚がニューカレドニアにはかなりいます。同時に、初記録となる種がまだまだいるはず、という期待も膨らみました。
鉄さんと瀬能先生のおかげで、今までも悶々としながら持ち続けていた疑問にも晴れ間が生まれて光が差してきました。
(文の締め方が鉄さんと同じ感じになっちゃった)
この場を借りて、ご両名にお礼申し上げます。
※この記事はmixiのコミュニティ「現地プレス」第14号 タイトル「晴れ間」より転載させていただきました。こちらのコミュニティも併せてご覧ください。
PROFILE
小川理志
Masashi Ogawa
ニューカレドニアの首都ヌメアにあるダイビングサービス《アリゼ》で活躍するマサシさん。
イルデパンでも3年のガイド経験があり、
潮を読んで大物をガンガン当てていく。
フランスの大型船舶海技士資格を持っているのでスキッパーも兼ね、
大型高速船「PICTILIS」号の操縦もオマカセ!
世界各地に散らばっている凄腕の日本人ガイドから結成された
「ガイド会」所属。
ALIZE(アリゼ)
http://www.alizedive.com