【ワカトビ】ワカトビの海とクルーズがすごい23の理由
海洋生物学者であり、水中写真に情熱を注ぐリチャード・スミス氏は、あまり知られていないピグミーシーホースの生態と保護についての研究を重ね、最近博士課程を修了しました。
ほとんどのリサーチは、ここワカトビで行われたんですよ!
今回はそのリチャードさんが、2012年の9月に訪れたワカトビのダイブクルーズ船 “ペラジアン号” で撮影した、お気に入りの写真にコメントを添えて届けてくれました!
1. 世界で最もサンゴが密集しているとされるコーラルトライアングルのほぼ中心に位置するワカトビダイブリゾートは、私の好きな場所の一つです。
素晴らしい事にこのリゾートは、地域住民とともにサンゴ礁を守るためにとても精力的です。
そのため、ここでの生物の多様性は他の場所に負けないくらい本当に豊富です!
コーラルトライアングル内の他のエリアでは、残念な事に今でもサンゴにダメージを与えてしまう漁法を続けていたり、安易に船の錨を落としてしまったり、生活排水などによる汚染などにより深刻な被害を受けている所も少なくありません。
コメント&写真提供: © Richard Smith, oceanrealmimages.com
2. ワカトビのダイビング面で素晴らしいところは、サンゴ礁に住む生物をゲストに見せる時にそれぞれのダイブガイドが、ダメージを与えないようとても気をつけているところです。
悲しい事に他の多くのエリアでは、ダイバーのお手本になるべきガイドが生物に触れたり動かしたり、数センチに満たない小さな生物を突っついたりと、とても見ていられません。
私のピグミーシーホースの研究からも証明することができるように、私達が水中で見る生物の多くは非常にデリケートで、ダイバーによりネガティブな影響を受ける場合もあります。
幸いにも、ワカトビでは最高のダイビングホリデーになるようスタッフ一同尽くすとともに、訪れるダイバーに生物のことをより理解してもらえるよう頻繁にプレゼンテーションなどを行い、こういった生物への影響を最小限に抑えるようにしているのです!
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3. 太陽が昇り始める1本目のダイビングで、ツバメウオの群れに逢う事が出来ました。
アカククリが幼魚の時は、毒を持つヒラムシに姿を見せていたり、ナンヨウツバメウオの幼魚は、姿を枯れ葉に似せていたりしますが、この写真の種は、幼魚と成魚がとてもよく似ています。
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4. ピグミーシーホースの生態と保護について焦点を当てた博士課程の研究が、今年に入って全て終了しました。
この研究を始める一つのきっかけとして、このような小さな魚の世界を、皆様にも見ていただけたらという思いがありました。
全てのタツノオトシゴはオスが妊娠するように、ピグミーシーホースもオスが妊娠します。
そして11日から12日すると、小さいながらも既にしっかりとした形を持つ6匹から12匹の赤ちゃんを産みます。
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5. さまざまな種類のカイメンが生息するワカトビのエリアでは、絵になるカイメンがたくさんあります。
胃腔と呼ばれるカイメンの内側の空洞部には、鞭毛をそなえた襟細胞が多数あり、この鞭毛によって小孔から大孔への水の循環を引き起こしています。
中に運ばれた水はフィルターを通じ、栄養のある粒子と酵素とに分けられた後、大孔と呼ばれる開口部から水を排出しています。
最近では様々な有機化合物がカイメンから多数発見されていて、 抗HIV薬として用いられている薬と類似した構造を持っていたり、心臓病や関節炎などに有効である構造を持っていたりするため、医薬品の候補として期待されています。
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6. ワカトビに広がるソフトコーラルやカイメン、ハードコーラルなどのカラフルなサンゴ礁は、私達ダイバーを虜にします。
1本のダイビングが70分と長めにとってあるだけではなく、浅瀬にも本当に様々な生物が生息しているので、フォトグラファーもゆっくり写真を撮ることができます。
この写真は、栄養豊かな水が流れる水深6メートルのところで撮影した一枚です。
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7. 今回訪れたペラジアンクルーズで見つけた、ウミウチワではなくムチヤギに生息するデニースピグミーシーホースです!
この例は大変珍しく、私もまだ2回しか見たことがありません!(ちなみに初めて見たのもワカトビでした!!)
ムリチェラというヤギ科のウミウチワにしか生息しないバーギバンティピグミーシーホースとは異なり、私はこれまでに9種類の違うタイプのウミウチワとムチヤギに生息するデニースピグミーシーホースを記録しています。
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8. 7種類のピグミーシーホースが存在することをご存知でしたか?
そのうち、4種類がワカトビのリーフで見ることが出来るんですよ!
バーギバンティとデニースピグミーシーホースの2種類がヤギ類に生息し、ホワイトピグミーシーホースとブラウンピグミーシーホースはハリメーダという海藻の周辺に生息しています。
写真のホワイトピグミーシーホースは、ワカトビのエリアで頻繁に目にすることができ、最大で1.6センチほどです。
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9. ウミウシとひと言でいっても、ツノザヤウミウシのようなのもいて様々な形と色のものに別れます。
ワカトビのエリアでもいろいろなウミウシが見られますが、ワカトビのガイドですら初めて見たという種が発見される事も珍しくはありません。
フジタウミウシ科の種は、先端部分が黄色い突起状のものがいくつか半透明の体から出ているのが特徴です。
写真提供: © Richard Smith, oceanrealmimages.com
10. イソコンペイトウガニは、暗くなるとトゲトサカの枝の間を動き回るので意外と簡単に撮影することができます。
このカニの擬態は素晴らしいもので、時にはポリプを切り取って自分の殻に植え付けたりしている個体もいるほどです!
このような生物を見つけるには、ガイドの鋭い目が必要ですね。
写真提供コメント&写真提供: © Richard Smith, oceanrealmimages.com
11. ナイトダイビング中に、とても運が良いことに小さなカニ(トサカガザミの仲間)が、ちょうど殻を脱いでいる瞬間をおさえることが出来ました!
甲殻類は成長していく過程で、何度か古い殻を捨て、新しい殻がまだ柔らかい時に少しずつ大きく成長していくのです。
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12. ゼニアソフトコーラルに隠れた生物を見つけるには、ナイトダイブに行った時が最適です。
そこには、エビやカニ類、ウミウシ、カワハギなど様々な小さな生物が、外敵に見つからないようにカムフラージュしながら身を潜めています。
このサンゴを、視界の狭いナイトダイブ中に探すことは簡単ではありませんが、探してみる価値はあるはずです。
また、このサンゴは細胞内に微細藻類が含まれているため、太陽の光を必要とします。そのため、多くは浅瀬で見られる傾向にあります。
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13. マックダイビングをするパサルワジョという所では、このような小さなカワハギもたくさん見ることができます。
多くの生物にするように、落ち着いてゆっくりとアプローチすると十分に近づいて写真を撮ることができます。
カワハギの仲間は、色や質感を変えることができる魚のひとつでもあります。
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14. ペラジアンクルーズで訪れた、ブトン島のパサルワジョという湾内でやったマックダイビングは本当に楽しかったです!
私達はタツノオトシゴやカエルアンコウ、カミソリウオ、ニシキフウライウオなど本当にたくさんの生物を見ましたが、このキレイな緑色のサンゴに乗るハゼが私の目に留まりました。
マックダイビングとは、砂地やガレ場に隠れている一風変わった生物を探す少し変わったタイプのダイビングですが、そんな生物たちを自分で見つけ始めると、どんどん夢中になってしまうダイビングでもあります!
私にとってマックダイビングとは、宝探しのようで非常に潜りがいのあるダイビングです!
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15. 野に咲く美しい花のように、自然界には素晴らしい色や模様を持った生物がたくさん存在し、私達の心を優しい気持ちにしてくれます。
この写真のような環形動物のカンザシゴガイの仲間は、美しいだけではなく実用的な機能を持っているというから、さらに驚きです!
羽根のような形をしている所が、鰓冠と呼ばれるエラで水中を漂うプランクトンや有機物を捕っては口へと運んでいきます。
このエラには水の動きを感知し、身を守るための二次的な機能も持っています。
イバラカンザシなどと同じで、近づきすぎると穴の中に隠れてしまうので、ゆっくりアプローチするようにしましょう。
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16. ウミウシは水中の化学物質を検出し、食料源に辿り着くために2本の触覚を使っています。
このウミウシ(Chromodoris reticulata)は、体を左右に動かしたり頭を上下に揺らしたりして、美味しい匂いの発生源を突き止めようとしているんだと思います。
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17. Chromodoris leopardus は、パサルワジョの湾内では比較的珍しいウミウシのようです。
ウミウシは体の外にある鰓を通して酸素を吸収し、触覚の周りに新鮮な水の流れを作るようにしているようです。
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18. 私は、これまでにたくさんの場所でニシキテグリの交尾シーンを観察してきましたが、ペラジアン号のダイブサイト ”マジック・ピア” が今まで見てきた中で最高です!!
それぞれのダイバーが独自の場所を確保できるくらい、本当にたくさんのニシキテグリがいました。
私は、一匹の大きなオスと3匹のメスの求愛行動をしばらくの間、観察していました。
いつものように、オスとメスのペアが一緒に浮上していき、精子と卵を放っていきます。
この写真では、待ちきれなかったのか2匹のメスが同時に浮上し、3匹でフィニッシュをむかえることとなった稀なケースをとらえることができました!
コメント&写真提供: © Richard Smith, oceanrealmimages.com
19. リチャード・スミス氏は海洋生物学者、そしてフリーの水中フォトグラファー兼ライターです。
彼は、ピグミーシーホースの生態と保護についての研究を重ね、最近博士課程を修了したばかりです。
海洋環境に関する知識と素晴らしい写真を撮るためのユニークな目、そして確かなスキルを持つリチャードさんは、スキューバダイビングとマリンライフに主な焦点をあて、世界各地の出版物に定期的に記事を載せています。
Dr.リッチは、東南アジアのコーラルトライアングル内で多くの時間を費やし、海洋生物についてのプレゼンテーションを各地で行ったり、環境に配慮したフォトテクニックを教えたりするツアーを実施しています。
詳しい情報は、こちらからご覧ください:Richard Smith | Marine Biologist and Photographer
20. リチャード・スミス氏とペラジアンクルーズを一緒に過ごした、ゲストからのコメントをいくつか紹介しましょう。
「ペラジアン号は、ファーストクラスのクルーズとダイビングを提供してくれました。美味しい食事に、フレンドリーなクルーと知識豊富なダイブガイド、そして最高のサービスとダイビングでした。
私は、これまでにリゾートを2度訪れたことがありますが、その時の滞在も素晴らしかったです。
今回は、クルーズ船ペラジアン号の方に来てみましたが、全ての面において、私の期待を裏切りませんでした!」
Greg Clinton
写真提供: © Didi Lotze
21. 「ペラジアン号を体験した後では、どこのダイブクルーズに乗ったとしても、私の期待が高すぎてしまうと思うので、きっと他の船で最高の時間を過ごそうと思っても不可能だと思います。
ワカトビダイブリゾートではヴィラに滞在し、その後はペラジアン号のマスターキャビンだったので、これ以上のものはないですよね!」Fusako Hara
写真提供: © Didi Lotze
22. 「ゲスト数が10名までなので、すぐにフレンドリーになれ、のんびりとしたタイムスケジュールで過ごせました。
ほとんど壊れていないソフト&ハードコーラルの中で、マクロ系が好みの方におすすめします!」 Toshitaka Tani
23. 「ペラジアンクルーズは、さまざまな日程とルートを用意しているので、リゾート周辺のエリアを完全にカバーできますよ。」
Richard Smith
ペラジアンクルーズについての日本語のホームページへは、こちらからご覧いただけます。
お問い合わせ、ご予約はこちらまで:kaori@wakatobi.com