ドクターエアがALLIANCE FOR THE BLUEと協働し 、廃漁網リサイクル生地を使用したマッサージシリーズをリリース
プロアスリートも愛用する製品を展開するトータルボディケアブランド「ドクターエア」。同ブランドは、環境に考慮した健康機器の開発に取り組むことでSDGsへの貢献を目指しアクションを起こしていくプロジェクト「BLUE LIFE(ブルーライフ)」を立ち上げた。プロジェクトの第一弾として海洋生態系に深刻な影響を与える廃漁網を素材とした生地を使用したマッサージツール「3Dネックマッサージャープレミアム BLUE LIFE」、「3Dマッサージピロー BLUE LIFE」(以下、本品)を2023年6月より、ドクターエア公式オンラインストアにて数量限定で発売中だ。
今回、この「BLUE LIFE」の立ち上げ理由や狙いについて代表取締役・井上氏からコメントをいただくことができた。そして本品を開発した具体的な理由や想いについて開発企画部デザイン課プロジェクトリーダー・中村氏、開発企画部デザイン課プロダクトデザイナー・菅氏に取材をさせていただいた。
「BLUE LIFE」を⽴上げた背景や狙いについて
ドクターエア初となる、環境に配慮した健康機器の開発に取り組むプロジェクト「BLUE LIFE」。⽴上げた背景や狙いについて井上氏からコメントをいただいた。
「世界的に環境の保護・保全に向けた取組みがスタンダードとなるなか、当ブランドでも我々らしい取組みとして、製品の梱包材などを環境に配慮した素材に変更するなど、できることから取組みをスタートしていました。そして次のステップとして、これらの取り組みを製品に展開しようと考えました。『世界中の人をHAPPYに』という当社のクレド(企業の信条、行動方針)に基づき、 これまで“人の健康に寄り添い、健やかな未来を届けるブランド”として、ヘルスケアソリューションツールを提供してきましたが、今度は“地球の健康”にも貢献できる取組みが出来ればという想いから社内でメンバーを募り、SDGsプロジェクトを立ちあげました。『BLUE LIFE』は、プロジェクト内でドクターエアらしい取組みを模索していく中で、自分たちの取組みを表現していくアイコンとして、上記のコンセプトをもって誕生しました」。
その第一弾として誕生したのが、廃魚網由来の生地を使用した「3Dネックマッサージャープレミアム BLUE LIFE」と「3Dマッサージピロー BLUE LIFE」だ。ここからは、本品の開発に携わった菅氏と中村氏に話を伺っていきたいと思う。
廃漁網由来の生地を使用したマッサージツールに込めた想い
編集部(以下、――)「3Dネックマッサージャープレミアム BLUE LIFE」と「3Dマッサージピロー BLUE LIFE」をBLUE LIFEの第一弾にした経緯を教えていただけますか?
中村氏
“地球の健康”への貢献を考えたとき、まずは環境に配慮した材料を製品に取り入れることを考えました。最初は弊社の多くの製品に使用されているハードな樹脂に代わる材料を探していました。多くの材料メーカーにコンタクトを取ったのですが、硬度や美感、そして注文ロット数がかなり大きいなど、なかなか納得するものに出会えず、苦戦していました…。
材料の検討を始めて約1年が経ち、諦めかけていたとき、再生素材メーカーであるリファインバース社の再生プラスチック「REAMIDE」を使用した廃魚網由来の生地「オーシャンカレント」をモリトアパレル社が扱っていることを知りました。弊社のマッサージ製品は、表面を布で覆っているので、そこに使えるかもしれない。さらにこの生地は日本一の鞄の産地で有名な豊岡鞄にも採用されているということで、実際に展示会で実物を拝見したところ、触り心地も良く、高級感もあり、これはいい生地だな、と率直に思いました。
また、これらの活動をコーディネートしているのが、海洋プラスチックごみ問題に対して企業間で連携した対策モデルを創出することを狙いとした業界横断のプラットフォームを提供する一般社団法人「ALLIANCE FOR THE BLUE」と知り、我々もその協働企業の一員となって活動を開始しました。注文ロット数についても、モリトアパレル社に配慮いただきました。このオーシャンカレントは、まさに私たちの理想にピッタリな生地でした。
――納得する材料に巡り会えたのですね。このオーシャンカレントは、貴社の既存の人気商品である「3Dネックマッサージャー プレミアム」、「3DマッサージピローS」の布部に採用され、「3Dネックマッサージャープレミアム BLUE LIFE」、「3Dマッサージピロー BLUE LIFE」として発売されたのですよね。
菅氏
はい、環境に配慮した製品を作るのですが、まったく新しい商品を開発することで、環境や製造面での負担が大きくなっては元も子もないので、既存製品と基本同じ部品を使い、生地の部分を環境に配慮した材料に代えることで、無駄をなくすことに注力しました。また、ECサイトの限定商品にすることで、無駄な製品をつくらず売れ残りを出さないようにしました。
――製品として形になる過程での課題などはございましたか?
菅氏
既存製品には伸縮性のあるポリウレタン製の生地を使用しているのですが、オーシャンカレントはナイロン製で伸び縮みしないため、マッサージ器の形状に沿うように張り合わせを計算して裁断をし、試作を重ねてようやく形になりました。
――既存製品とはまた雰囲気も少し変わりますね。色も素敵です。
菅氏
色については、オーシャンカレントには、ベージュとディープブルー、そしてブルーの3色があったのですが、廃漁網由来の生地のストーリーを連想させる色であること、そして「BLUE LIFE」というプロジェクト名とも一致するブルーを採用することにしました。
――そうだったのですね!オーシャンカレントの耐久性などについてはいかがでしょうか?
中村氏
オーシャンカレントが他社で大きめのトートバッグに使用されていることもあり、かなりしっかりした生地であることは認識していましたし、さらにナイロン製なので防水性にも優れています。既存製品と同じように耐久試験も行い、クリアしているので、安心してお使いいただけます。
――パッケージのデザインも気になったのですが、こだわりを教えていただけますか?
中村氏
一番こだわったのは、パッケージを開けたときにちょうど見える位置にBLUE LIFEの説明に加え、環境に配慮した製造プロセスを記載したことです。本品は、ECサイトで限定販売としています。そのため店頭で本品のアピールをすることができないため、ご購入いただいた方にプラスアルファで想いを伝える術としてこのようなデザインにしました。
――パッケージにこれらの説明を入れるのはとても新鮮です、素晴らしいアイデアですね。
中村氏
ご購入くださる方は、BLUE LIFEに賛同してくださり購入する方もいれば、純粋に色を気に入って購入してくださる方もいらっしゃいます。企画当初から、海洋問題に意識のある方だけでなく、幅広い方に手に取っていただきたかったいという思いがあったので“環境にやさしいから購入してもらう”のではなく、“素敵な商品で手に取ってみたら、環境にやさしい製品だった”という流れにしたいと考えていました。この生地はすごく素敵なので、まさにそういう流れがつくれているのではないかと思います。Webサイトやカタログを見ずとも、パッケージを開けたときに、本品のストーリーも知っていただき、地球環境を考えるきっかけになれば幸いです。
――まさに環境配慮とデザインが両立したものだな、と感じました。菅さん、中村さんありがとうございました。
最後に、井上氏から「BLUE LIFE」の⽬指す姿、そして「BLUE LIFE」の今後の展開についてコメントをいただいた。
「『BLUE LIFE』は、限りある資源を無駄なく使いながら、環境に配慮したモノ作りを目指しています。環境に配慮した新製品を生産するために、一から新しい素材や部材を開発するのではなく、すでにあるものを活かしたモノ作りを行っていきたいと思います。現在も新しい製品に関して、環境に配慮した素材探しや試作を進めています。少しずつではありますが、“地球の健康に寄り添う“ドクターエアらしい製品を通じて、お客様が環境の保護・保全活動に関心をもっていただく機会を創造できれば嬉しいです」。
自然環境や海に寄り添ったモノづくりに踏み切ったドクターエア。自然環境の保全だけでなく、海洋プラスチック問題について考えるきっかけにもなる「BLUE LIFE」の今後の展開にも期待したい。
■3Dネックマッサージャープレミアム
■3DマッサージピローS
※本製品の売上の一部は弊社を通じて、海洋環境の保全に役立てられます。
▶︎詳細はこちら(株式会社ドリームファクトリーのプレスリリース)