未来の海を守るために、電気を変えよう。CO2フリー電力とは?
キラキラとした青い海で泳ぐとき、その美しさに胸が高鳴る経験をしたことがある人も多いはず。しかし近年、水温の上昇やサンゴの白化を目の当たりにし、「海が変わってきた」と感じることはないだろうか?その背景には、CO2の増加や気候変動が関係している。海に囲まれた海洋国家に住む私たちに、何ができるのか。その答えのひとつが、CO2フリー電力の選択だ。日本全国で利用できる再生可能エネルギーの電力プランを知り、未来の海を守るアクションを考えてみよう。
目次

CO2フリー電力プランとは?電力自由化で選べる時代
脱炭素社会を実現する再生可能エネルギーの電力プラン
電力を生み出す方法には大きく2種類ある。ひとつは、石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料を燃やす方法。この発電方法は、燃焼の過程で大量のCO2を排出する。そしてもうひとつが、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスといった再生可能エネルギーを活用した方法。これらはCO2を排出しない、またはカーボンニュートラル(排出したCO2を吸収する仕組みがある)な発電、つまりCO2フリー電力やゼロカーボン電力と呼ばれるものだ。こうした電力プランは、環境負荷を軽減するエコ電力として昨今注目を集めている。
- ●太陽光発電 :太陽のエネルギーを利用。
- ●風力発電 :風の力でタービンを回し発電。沿岸部や山間部で導入が進む。
- ●地熱発電 :火山帯が多い日本では、活用の可能性が高い。
- ●水力発電 :川やダムの水を利用し、安定した発電が可能。
- ●バイオマス発電 :植物由来の燃料を活用し、CO2排出を相殺するカーボンニュートラルな仕組み。
環境に優しい電気を選ぶべき理由
CO2排出と温暖化、海への影響
私たちが普段使っている電気の多くは、石炭や石油、天然ガスを燃やして発電する「化石燃料由来」が日本全体の約7割を占めている。燃焼時に大量のCO2を排出し、それが温室効果ガスとなって地球の気温を押し上げる。結果として、海水温の上昇、気候変動の加速、異常気象の増加という深刻な影響をもたらしている。
海水温の上昇とサンゴ礁への影響
水温がわずか1〜2℃上昇するだけで、サンゴはダメージを受け、長期間高温状態が続くと白化してしまう。サンゴの白化は「サンゴが死にかけているサイン」であり、この現象が続けば、サンゴ礁は消滅する危険性がある。特に沖縄の海では、広範囲でサンゴの白化が進み、鮮やかなリーフが失われつつあるとも言われている。また、サンゴは海の生態系の基盤ともいえる存在。サンゴ礁があることで小さな魚が隠れ家を得て、それを狙う捕食者たちが集まり、豊かな海が維持されている。もしサンゴが消えてしまえば、そこに生息する魚たちもいなくなってしまう可能性がある。

海洋の酸性化と生態系の変化
CO2は海に溶け込むと酸性度を高め、サンゴや貝類の石灰化を妨げる。これが進行すると、貝殻を持つ生き物や甲殻類、サンゴの成長が阻害される。つまり、海洋の生物バランスが崩れ、魚たちの生息環境が大きく変わるということだ。
異常気象の増加
地球温暖化の進行により、台風の勢力が強まり、発生頻度も増加している。特に沖縄のような台風の通り道になっているエリアでは、台風の影響でサンゴが破壊されることもある。
CO2フリー電力がもたらすメリット
再生可能エネルギーを使うとどんなメリットがある?
では、CO2フリーの電力を選ぶことで、どんな変化が期待できるのか?最大のメリットは上述した環境負荷を大幅に低減できること。化石燃料を使わない発電方法は、CO2を排出しないか、排出量を相殺できる仕組みになっているため、温暖化の進行を抑える効果がある。電気を変えるだけで、サンゴの白化や海洋生態系の崩壊を防ぐ一助となるのだ。
さらに、再生可能エネルギーを普及させることは、エネルギーの自給率を上げ、持続可能な社会(サステナブルエネルギー社会)を実現することにもつながる。日本はエネルギーの多くを輸入に頼っており、その大半が化石燃料。しかし、太陽光や風力、地熱、水力、バイオマスといった自然エネルギーを活用すれば、国内で電力をまかなうことが可能になり、エネルギー供給の安定化や経済的なメリットも生まれる。
また、再生可能エネルギーの利用は、地域の活性化にも貢献する。たとえば、沖縄では中城バイオマス発電所がCO2排出ゼロの電力供給を行っており、地域のエネルギー自給率向上にも貢献している。同じように、日本全国で再生可能エネルギーの発電所が増えれば、地域ごとにエコな電力を供給できる社会が実現する。
CO2フリー電力を選ぶことは、こうした海の変化を抑えるための、最も手軽で効果的なアクションだ。化石燃料を使わずに電気を作ることで、CO2の排出を抑え、温暖化の進行を遅らせることができる。海の変化を「仕方がない」とあきらめるのではなく、今すぐできるアクションとして、CO2フリー電力への切り替えを考えてみよう。

電力自由化で選べる時代!今すぐ切り替え可能
電気はこれまで「住んでいる地域ごとに決まった電力会社と契約するもの」だった。しかし、2016年の電力自由化によって、誰でも自由に電力会社を選べるようになった。これにより、再生可能エネルギーを扱う電力プランへの契約変更も簡単に行えるようになり、環境に優しい電力を選ぶ人が増えている。また、CO2フリー電力は、一般的な電力プランと比較して電気代が大きく変わらないケースが多く、持続可能な選択肢として注目されている。
とはいえ、「電力会社の切り替えって面倒そう…」「手続きが大変なんじゃ?」と思う人もいるかもしれない。しかし実際には、切り替えは簡単で、申し込みもスマホやPCから数分で完了する。しかも、工事は不要で、契約を変えても電気が止まることはない。手続きはシンプルだ。
- 1. 現在の契約情報を確認(検針票や電力会社のWEBページで確認)
- 2. 新しい電力会社を選ぶ(CO2フリー電力を提供する会社をチェック)
- 3. WEBや電話で申し込み(解約手続きは不要!新しい電力会社が手続きを代行)
この流れで完了するので、思っている以上にハードルは低い。海が好きで、環境の変化を感じているなら、今すぐCO2フリー電力への切り替えを考えてみよう。それが、未来の海を守るための最も手軽なアクションのひとつになる。
沖縄のCO2フリー発電所「中城バイオマス発電所」を取材!

中城バイオマス発電所とは?
沖縄の美しい海を守るために、CO2排出を抑えた発電がどのように行われているのか? その一例が、沖縄県うるま市にある「中城バイオマス発電所」だ。中城バイオマス発電所は、中城湾港新港地区の工業団地に位置し、沖縄県内最大規模のバイオマス発電施設である。広大な敷地(28,009㎡)を活用し、年間約35万MWh(一般家庭約11万世帯分)の電力を供給しており、沖縄のエネルギー安定化に貢献している。

施設内には、輸入された木質バイオマス燃料(パーム椰子殻・木質ペレット)を貯蔵する専用の設備が整備されており、効率的に運用されている。また、排ガス処理や排水管理が徹底されており、環境への影響を最小限に抑える対策が講じられている。従来の火力発電所と異なり、黒煙の発生を抑えるバグフィルタが導入され、発電所周辺の環境負荷を低減している。
発電所で生み出される電力は沖縄ガスニューパワー(OGNP)を通じて県内に供給され、年間約270,200tのCO2削減が見込まれている。また、排ガス処理や排水管理が徹底されており、燃焼後に発生する灰はコンクリートブロックや路盤材として再利用されるなど、資源の有効活用も進められているとのこと。
なぜCO2フリーにできるのか?
この発電所がCO2フリーを実現できるのは、言うまでもなくバイオマス燃料を使用しているから。上述した通り、バイオマス発電は、植物由来の燃料を燃焼させるが、成長過程で吸収したCO2と相殺されるため、理論上(※1)は「排出ゼロ」となる。
※1:バイオマス発電は、植物由来の燃料であれば成長段階で光合成によりCO2を吸収するため、燃焼させてCO2を排出しても、吸収と排出によるCO2のプラスマイナスはゼロになるため、大気中のCO2を増やすことはない。この考え方を「カーボンニュートラル」という。
- ●パーム椰子殻(PKS)
パームオイルを作る際に発生する廃棄物を燃料として活用。通常は捨てられるものを再利用することで、持続可能なエネルギー源となる。原産地はインドネシア、マレーシア。 - ●木質ペレット
伐採後の端材を圧縮加工した燃料で、森林破壊につながらないよう持続可能な森林管理のもとで生産されている。 原産地はタイ、ベトナム。

左:木質ペレット、右:Palm Kernel Shell
これらの燃料は、1~2万t級の輸送船で運ばれ、中城湾港(西埠頭)で荷揚げされた後、トラックで発電所まで輸送される。この過程でも環境負荷を最小限に抑える対策が取られている。
- 1. バイオマス燃料をボイラーで燃焼
- 2. 発生した蒸気でタービンを回し発電
- 3. 排ガスはバグフィルタで浄化し、大気への影響を最小限に
- 4. 使用後の蒸気を冷却し、再利用
このシステムにより、化石燃料に依存せず、環境負荷の少ない電力供給が可能になっている。
沖縄と日本の海と再生可能エネルギーの関係
沖縄の海は、世界的にも貴重なサンゴ礁を持つエリアだ。しかし、地球温暖化による海水温の上昇、台風の巨大化、サンゴの白化などの問題が年々深刻化している。その原因のひとつが化石燃料の使用によるCO2排出だ。この発電所が持つ再生可能エネルギーのポテンシャルは、沖縄の自然環境を守るだけでなく、日本全体のエネルギー事情にも大きな影響を与える。
- ●化石燃料に偏った電源
全国と比べても再エネ電源比率が11%と低く、実質二酸化炭素の排出量ゼロの発電は県内でも貴重。 - ●沖縄は台風の影響を受けやすい
太陽光発電や風力発電とは違い、バイオマス発電は天候に左右されにくく、安定した電力供給が可能。 - ●観光業とダイビング産業の保護
環境に優しい電気を選ぶことで、観光資源である美しい海を守ることができる。
沖縄だけでなく、日本全国でも海の変化が顕著になりつつある。特に伊豆や小笠原の海では、温暖化の影響でこれまで見られなかった熱帯性の魚が増え、生態系のバランスが変わっている。こうした変化を抑えるために、CO2フリーの電力を選ぶことはダイバーとしての環境保全アクションのひとつになる。
沖縄では、沖縄ガスニューパワー(OGNP)がバイオマス発電によるCO2フリー電力を供給し、日本全体ではイーセル(e-Sell)が全国対応でCO2フリープランを供給(※2)している。
※2:OGNPやイーセルのグループ会社は全国に複数のバイオマス発電所を所有

まとめ&申し込み
CO2フリー電力プランを選ぶなら、沖縄ガスニューパワーかイーセルを
CO2フリー電力を選ぶことは、未来の海を守るための最も手軽で効果的なアクションだ。「電気の選び方」を少し変えるだけで、個人でも脱炭素への貢献が可能になる。今、世界的にエネルギーシフトが進んでおり、日本国内でも再生可能エネルギーの割合が増加している。沖縄ガスニューパワー(OGNP)とイーセル(e-Sell)は、環境に優しい電力プランを提供している。
- ●沖縄県内最大規模のバイオマス発電によるCO2フリー電力
- ●再生可能エネルギー100%のプランで地球に優しい選択
- ●地域密着型の電力供給で沖縄の未来を支える
- ●全国対応のCO2フリープラン
- ●電力自由化で誰でも簡単に切り替え可能
- ●化石燃料に頼らない電力を選べる
どちらも、申し込みは スマホやPCから簡単に完了し、手続きもスムーズ。上記2社の料金は、従来の電気料金と大きく変わらないケースが多く、契約を切り替えるだけでCO2削減に貢献できる。
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