ダイビング後に青いクラフトビールで乾杯! その秘密は、久米島の「新しい農業」??
久米島で見つけた、インスタ映えする“青いビール”
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沖縄・久米島に行ったら、ぜひ足を運んでほしいスポットがある。それが、青いクラフトビールが飲める「くめじまーるcafé」と、その原料を育てる「藻類農園FARMO」だ。ビールが青いって、一体どういうことなのだろうか。ただ“映える”だけではない、その青色の正体である天然の微細藻類の秘められたパワーと、新しい農業ともいえる「藻類農業」を藻類農園で体感しよう。
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目次
その青の正体は?
天然の微細藻類が生み出す驚きの色
久米島の青いビールは、見た目にも驚きだが、合成着色料ではなく、天然色素の色というからさらにびっくり。現地で育てられた微細藻類、いわゆる植物プランクトン「スピルリナ」から取れた色素だ。サプリメントとして名前を聞いたことがある方も少なくないのでは。
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スピルリナ
著作者:FarmerOnMars
CC 表示-継承 3.0
出典:Wikipedia
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スピルリナから取れた青い色素
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くめじまーるcaféではビールの他にも青いアイスやポップコーンなどが楽しめる。カフェタイムやお土産にピッタリ
藻類のパワーとは?
意外とすごい、微細藻類の役割
藻類、と聞いてピンと来るだろうか? 実は藻類は、水中の植物全般を指す言葉で、私たちがよく知る海藻もその一種。中でも、微細藻類と呼ばれる植物プランクトンは、地球上に30万種も存在している。野菜や海藻の祖先でもある微細藻類には栄養素がギュッと詰まっており、身近なものだと食品やサプリ、化粧品にまで活用されている。
- 食品
- サプリ
- 化粧品
- 天然色素
- 珪藻土
- 養殖の餌
- 肥料
- レアメタルの回収
- バイオ燃料
また、海藻や海草が二酸化炭素(以下、CO2)の吸収源になるように、微細藻類も同じく CO2の吸収源として機能する。すなわち、微細藻類を増やし活用することは、私たちの食事や生活を豊かにするだけでなく、気候変動問題へのアプローチにもなるのだ。
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このように、微細藻類のパワーは多岐に渡るが、青いビールはその一つである「鮮やかな色素」を活用した一例。このビールをきっかけに微細藻類のことを知って欲しいという想いから生まれたものだったのだ。
最先端技術で微細藻類を育てる「新しい農業」
久米島のフォトバイオリアクター
そんな微細藻類だが、実は人工的に育てるのは大変困難と言われていた。これまでは池の中で日の光を当てて、光合成をさせ増殖させていたが、外敵に食べられてしまったり、太陽光が届ききらず少ししか育たなかったりという問題が発生していた。
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この問題を解決するのが久米島の藻類農園FARMOで導入されている「フォトバイオリアクター」。このシステムは透明なガラスチューブの中に水と藻類を流し込み循環させることで、外敵の侵入を防ぎ、効率よく太陽光を当てることを実現。微細藻類を大量に育てることが可能となり、これまで培養が難しかった栄養価の高い微細藻類「パブロバ」などを培養することにも成功している。
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フォトバイオリアクターで育てられた微細藻類は、「収穫」された後は、乾燥して粉末にされ、食品などに活用される。こうすることで、少量でも、とてつもない栄養素を摂取できるかたちになるのだ。この技術では世界でも広がりつつあり、微細藻類が私たちの食卓に並ぶ日も近いかもしれない。
世界が注目する循環型モデル
「久米島モデル」とは
さらに注目すべきは、この藻類農園FARMOでの藻の培養が「久米島モデル」という、島の環境を最大限に活かした持続可能な循環型システムの一つだということ。
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久米島付近には、水深200mを超える海域があり、そこから汲み上げられる冷たくて綺麗で栄養豊富な海洋深層水が、フォトバイオリアクターの冷却に使用されている。この海洋深層水は微細藻類の培養のほか、島内で行われているクルマエビや海ぶどうの養殖、あたらない牡蠣やサンゴの育成、化粧品など、さまざまな産業に活用されている。それだけでなく、海洋深層水と表層の水の温度差を利用した発電方法で、カーボンニュートラルなエネルギーとしても活躍しているのだ。
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自然環境を生かした持続可能なエネルギーの創出と、さまざまな産業発展を行うこの久米島モデルは、他の島嶼地域でも応用できる可能性があり、世界中から注目されている。
ダイビング後は、くめじまーるcaféと
藻類農園FARMOでリフレッシュ
このように、世界的にそのパワーが注目される藻類とそれを取り巻く「久米島モデル」を同時に体感できるのは、くめじまーるcaféと藻類農園FARMOだけ。
ここでは、青いビールや青いアイスを片手に、藻類の研究や、培養から収穫されていく一連の様子を楽しむことができる。ダイビングで久米島の海の魅力を満喫した後は、私たちの未来を拓く「新しい農業」である藻類の世界に触れてみてはいかがだろうか。
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