解禁にわくボージョレ・ヌーヴォもいいけど、海底熟成ワインにも注目したい!宮城産「海中熟成ワイン」が限定販売
毎年11月の第3木曜日は、その年に収穫したブドウを使用し造られる新酒ワイン「ボージョレ・ヌーヴォ」の解禁日として世間は賑わいをみせる。そこで、タイムリーなワインネタつながりとして、地上よりも熟成スピードが速い海底熟成ワインのニュースについて紹介したい。60本限定で海底熟成させた貴重なワインとは?
宮城産のぶどうと宮城の海がつくりあげた「海底熟成ワイン」
宮城県で海洋ごみへの関心・興味を広める取り組みをしている「宮城海ごみプロジェクト実行委員会」が、宮城県南三陸町にて海の見えるワイナリーを営む「南三陸ワイナリー株式会社」とともにコラボレーションプロダクトを企画することに。
そして、東北産ぶどうを使用したワインを南三陸の海中10mで熟成させて作る「海中熟成ワイン」の中から、今回は対象となる60本のワインが南三陸ワイナリーオンラインショップにて販売され、売上金の一部は海洋環境美化のために使用されると言う。
この取り組みは、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で実施された。
南三陸ワイナリー代表 佐々木道彦さんのコメント
「海中熟成ワインというのは、沈没船から取り出したワインがとても美味しかったということから、ヨーロッパの一部のワイナリーなども行っている熟成方法です。我々もワイナリーの目の前が志津川湾の海ですので、その海の恵みを使ってワインの熟成を速める試みを行っています。飲んだ感覚で言うと、地上と比べて2倍~3倍程度速く熟成が進んだ感覚で、まろやかで味わいのバランスがよいワインになっています。
この取り組みを地元の牡蠣漁師の方々と一緒に参加型のイベントとして継続開催することで、志津川湾の豊かな漁場で育まれている美味しい食材のことを知ってもらい、ワインを通して南三陸の自然や食を楽しみ、人と人とのつながりを深められたら、と思っています」。
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アンケートの結果から一目瞭然!地上より海底の方が「まろやか」な味わい
東京・池袋にある宮城県のアンテナショップ「宮城ふるさとプラザ」にて、“地上で熟成させたワイン(A)“と“海中で熟成させたワイン(B)”の、飲み比べイベントが開催され、半数以上が“海中で熟成させたワイン(B)”がまろやかと回答。また、参加者からは「たった半年間でここまで差が出るとは思わなかった」「ダイレクトに海の恵みを感じられて面白い」と言う驚きの声があがった。
南三陸ワイナリー×宮城海ごみなくし隊「海中熟成ワイン」ラインアップ
『志津川湾 海中熟成ワイン MERLOT 2020』
志津川湾の牡蠣棚に吊るし、海中で9ヶ月間熟成させた辛口のメルロ。2020年秋に仕込み、2021年4月に瓶詰後、2021年10月~2022年7月までの9ヶ月間、海中で熟成。海中で熟成が早まり、バランスが取れ、まろやかで落ち着いたタンニンが特徴のワイン。
『志津川湾 海中熟成ワイン CHARDONNAY 2021』
志津川湾の牡蠣棚に吊るし、海中で半年間熟成させた辛口のシャルドネ。2021年12月に瓶詰後、2022年1月に志津川湾に沈め、2022年7月および8月まで約半年間、海中で熟成。南三陸の戸倉の牡蠣漁師の協力のもと、牡蠣棚に養殖の牡蠣と同じように吊るしたシャルドネは、海中で熟成が早まりまろやかな味わい。
購入方法
南三陸ワイナリーオンラインショップ:https://www.msr-wine.com/
宮城海ごみプロジェクト実行委員会は、「海中熟成ワイン」のような”海の恵みをダイレクトに感じられる”プロダクトの情報発信、体験機会の創出を通じ、今後も海洋美化の重要性を訴えていきたいという。
海洋環境問題について直接的に訴えかけるのではなく、「海」と言う共通キーワードをもとに、地元の企業と協力し「海」の魅力を発信していく活動は、地域の活性化にもつながり好循環が生まれそうな予感。今年も既にボージョレ・ヌーヴォをゲットしたというワイン好きな方、海底熟成という手法に興味がある方など、是非試してみてはいかがだろう。
南三陸ワイナリー:https://www.msr-wine.com/