”海の神秘”を飲む。海底酒「サブリナ ACT2 2016」が限定販売開始

「海底酒」という言葉を聞いたことがあるだろうか。泡盛やワインなどを一定期間海の底に沈め、熟成させることで風味や味わいの変化を楽しむことができる熟成酒のことだ。ダイバーの中でも、興味を持ったことがある人もいるのではないだろうか。
南伊豆の海底で熟成されたワイン「SUBRINA(R)(サブリナ)」の販売活動を長年取り組んでいる株式会社コモンセンスが、この度シリーズ第二幕「ACT2 2016」の限定販売を行うとのことで、その内情を調べてみた。

Text:Nodoka Sekido

ワインを海底熟成すると、何が変わる?

「沈没船から引き揚げられたシャンパンがおいしく飲めた」引き揚げられる度、世界のトップニュースとなり、人々に憧れとロマンを与えてきた海底酒。その不思議なエピソードを基に株式会社コモンセンスが立ち上げたのが、海底でワインを熟成させることを目的とするVenusプロジェクトだという。

Venusプロジェクト、一連の流れとは?

①酒類の選定
 様々な酒類の海底熟成の実験の結果、最も素晴らしい熟成をみせたものは、果実を凝縮させた貴品種で仕込んだ赤ワインだったという。このことから『Venusプロジェクト第一幕』は、長期熟成向け貴品種の赤ワインを海底にて熟成。株式会社ワインプレスインターナショナルと共に海底熟成に最適なワインの特別選定が行われた。そして様々な国の赤ワインの中から、国際的評価も高い南アフリカCloof社が生産する、長期熟成向け貴品種シラーズ種の赤ワインを最終選定するに至ったのだ。シラーズは、生き抜くための色素と渋み、酸味などが非常に豊かで、香りも黒い果実やスパイスの風味があり、野性的で力強く長期熟成に向いた品種とされている。

②海への沈め方
 海底熟成するワインを決定後、沈め方に克服すべき問題点が見つかったという。ボトルのまま海に沈めると水圧によりコルクはボトル内に押し込まれてしまう。それを防止するための最適な密閉方法を試行錯誤し、深度100mでも海水の浸透がないシーリング方法を独自で確立したという。ほかにもコルク臭汚染の予防に最新のDIAMコルクの使用、海水によるラベルの剥がれを防ぐため、サンドブラストでの刻印を行うなど、海中での熟成からそのままの状態でお届けできるような工夫を施している。

③熟成

 熟成場所は国立公園に面し、ありのままの自然が残され、伊豆有数の透明度を誇る奥石廊崎、静岡県賀茂郡南伊豆町中木沖。南伊豆町及び中木マリンセンターの全面的な支援により、このような素晴らしい環境の中で『SUBRINA』は眠りに就く。

④試飲会
 海底熟成からおよそ4か月。試験的に引き揚げられた『SUBRINA』は、熟成のプロセスを知って頂くため、今年4月に青山ダイヤモンドホールにて行われた、日本ソムリエ協会会員様を対象とした比較試飲体験会でお披露目された。
 試飲した人の感想は、「通常のセラー熟成のものは暴れ馬のようで、元気いっぱいの香りだが、海底熟成のものは、ゆっくりと鼻に通っていく感じで味もまろやか」「明らかに両者の質が違っており、熟成が認められる」「アルコールの刺激が海底熟成のものは穏やかだ」「角がとれ、なめらかである」「海底熟成の方が香りが開き、味わいが調和し、一体感がある」と、良い評価を受け取ることができた。

販売を開始する「SUBRINA ACT2 2016」について

「SUBRINA(R)」の第二幕「ACT2 2016」は、2019年11月から約半年間の海底熟成を経て、2020年6月に引き揚げた限定2,000本の赤ワイン。
2020年11月11日(水)から各サイトにて発売をスタートする予定だ。

ワイナリー「Graceland Vineyards」

ACT1での海底熟成の成果により、ACT2は同じく南アフリカ・シラー種の赤ワインを選定。ワイナリーは、南アフリカ最高の赤ワインの土壌として国際的に認められているステレンボッシュのゴールデントライアングル地域に位置している「Graceland Vineyards」。化学物質を最小限に抑え、機械に頼らない手作りの工程、豊かな土壌・風土からなる成熟したブドウは、豊かな果実味、柔らかなタンニン、豊富な酸の美しいプロポーションを持った海底熟成に相応しいワインである。

海底貯蔵庫「南伊豆・奥石廊中木沖」

海底貯蔵庫は国立公園に面し、ありのままの自然が残され伊豆有数の透明度を誇る奥石廊中木沖。ダイビングショップ「中木マリンセンター」を中心に地元漁協の協力を得て、この場所に決定することがでできた。知る人ぞ知るヒリゾ浜の傍らで、冬には荒れ海となる中木はワインに振動を与え瓶内のワインに影響を与えると考えられている。また、中木川より注ぎ込む冷たい水により海水温を外海より低く保ち、ワイン熟成に最適な温度を維持しているのだ。

世界にたった1本しかない海の装飾

海底熟成の証として、ワインボトルには石灰藻やフジツボなど海の贈りものが付着する。一つとして同じものはなく、全てを海のアートとして受け取ってもらうべく、できる限りそのままの状態で商品を発送するという。全ての商品にシリアルナンバーの入ったタグが添えられており、大切な人と過ごす記念日やクリスマス、年末年始など、特別なひとときに相応しい一本だ。

海、地域とともに取り組むサステナブルワインを目指して

ただ風味が変わる、ということだけが海底酒の魅力ではない。
SUBRINAの海底貯蔵庫は常設され、小さな海の生物たちが住まい、繁殖する漁礁となる。豊かな海の生態系を守り、育みながら誕生したワインなのだ。

南伊豆中木はダイビングスポットの名所。海底貯蔵は最盛期である夏を避け、地元ダイバーとともに冬季に行う。地域とともにダイビングの新しい形を創出し、挑戦を続けていくのが狙いだ。

海底熟成ワイン ACT2概要

ワイン名 :『SUBRINA』ACT2 2016
販売数量 :2,000本
販売価格 :13,000円(税込)ギフトボックス・シリアルナンバータグ付
生産地区 :南アフリカ共和国
貯蔵場所 :南伊豆町中木沖
生産者  :Graceland Vineyards
品種   :Syrah 100%
アルコール:15%
酸化防止剤:亜硫酸塩

SUBRINA ブランドサイト: https://www.subrina.info/
SUBRINA オンラインショップ: https://subrina.jp/
SUBRINA Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/B08KH5B6BX/
SUBRINA Facebook: https://www.facebook.com/subrina.story

■会社概要
社名  : 株式会社コモンセンス
所在地 : 〒236-0016 神奈川県横浜市金沢区谷津町344 清水ビル303
設立  : 2012年3月22日
代表  : 代表取締役社長 青樹 英輔
事業内容: 酒類販売業務(卸売・小売)
URL   : https://www.commonsense.co.jp/

海底環境を整え、育みながら熟成する海底酒。
もうすぐ今年の忘年会は、この特別な1本で乾杯するのもおすすめだ。

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