凄すぎる海! オーストラリア レディエリオット島 [LADY ELLIOT ISLAND]
Australia / オーストラリア
Mother Nature's Private Island
Australia / オーストラリア
Mother Nature's Private Island
- Photo&Text
- 越智隆治
- Special Thanks
- クィーンズランド州政府観光局、レディエリオットアイランド
- Design
- PanariDesign
レディエリオットでは決して特別ではないダイビング
これが特別なことなのかと後でクリスに確認したら、サカタザメやエイのクリーニングは案外高確率で見られるらしい。レパードシャークの可笑しな行動は初めてみたとか。コビアの群れとギンガメアジの群れはまあ、だいたい、沈船に普通にいる。
そして、イルカ。「背びれが切れていて、僕らはノッチと呼んでるんだ。たまに姿を見せるし、年に1 ~ 2回、ああやってギンガメアジを追い掛け回すシーンに遭遇するよ」と言って、去年撮影したというビデオを見せてくれた。
ノッチって日本のコメディアンと同じ名前でつい、イルカじゃなくて、その人の顔が思い浮かんでしまった。もう、イルカのノッチの顔をそのノッチしか思い浮かばなくなってしまったのがちょっと残念だけど、決して奇跡の遭遇というわけではなかったらしい。他のイルカが別のポイントでやはりギンガメアジを追いかける映像も見せてもらった。
他にも、死んだサカタザメを狂ったように集まってきたサメたちが食いちぎって捕食する映像。その中にはグレートハンマーヘッドシャークやタイガーシャークの姿も。2頭のザトウクジラが、水深15mのダイビングサイトに姿を見せたシーンなどなど、とにかく、この海のポテンシャルは計り知れない。
訪れる前は、まあ、マンタ撮影できればいいかなと思っていたのに、すでにマンタをみた記憶は薄れていて、正直どうでもよくなっている贅沢な自分に気づき、笑ってしまった。
もちろん、この1ダイブでした経験を、すべて当たり前のように1ダイブで見られるかというとなかなか難しいかもしれないが、レディエリオットでは、全て“あり得る”ダイビングが、今回1本に凝縮されていたということだ。
本当は、海は大したこと無いと思っていた。だから、最初はもっと情緒的な記事を書いて、島の雰囲気を伝えようと思っていた。ところが、たった4本しか潜っていないのに、ここは、とんでも無く凄い海だということが実感できた。しかも、全部が水深20mより浅い砂地のポイントでの出来事だ。
そして何よりも、ただ、カメを見た、サメを見た、エイを見た、イルカを見たで終わったのではなくて、多くの生物たちが、とても個性的に感じられたことだ。まさに“レディエリオット島の海の住人たち”。そんな印象だった。
今の時期は水温も23度だし、一度来ればもういいかなって思った自分がバカだった。できることなら、また何度でも来たみたい。また彼らに会いに来たい。正直にそう思える、そんな海だった。