凄すぎる海! オーストラリア レディエリオット島 [LADY ELLIOT ISLAND]
Australia / オーストラリア
Mother Nature's Private Island
Australia / オーストラリア
Mother Nature's Private Island
- Photo&Text
- 越智隆治
- Special Thanks
- クィーンズランド州政府観光局、レディエリオットアイランド
- Design
- PanariDesign
一本目からクジラに歓迎される!
この時期、レディエリオット島の沿岸には、6月から10月にかけて、ザトウクジラが回遊してくる。さらに北の海域へ移動して、出産や子育てをするのだが、その通過地点になっているからだ。
僕が訪れたときは若干シーズンには早い時期。あまり期待せずにダイビングに出かけた。ビーチで上陸用舟艇のようなダイビングボートを待ち、機材を背負ったまま、ボートに乗り込んだその瞬間、なんと目の前で子供のザトウクジラがブリーチングをした。
「あっ! ブリーチングしてる!」そう叫んではみたものの、もう完全装備で乗り込んでいて、身動きが取れない。陸のカメラを取り出そうにも、波が高くて思うようにいかない。子クジラはそんな僕の状況を知ってか知らずか、いたずら小僧のように、何度も、何度も、ブリーチングを繰り返していた。しょうがない、お前のやんちゃな姿は、目に焼き付けることにしよう。そう諦めた瞬間に、なんだか逆にワクワクしてきた。
マンタのクリーニングステーションが見られるという、ライトハウスボミーという砂地のポイントにエントリーして、水深15mほどの海底に降りると、早速耳を澄ましてみた。(聞こえる聞こえる)。遠くからザトウクジラのオスの歌声が聞こえてきた。でも、なぜか思い浮かぶのは、映画「ファインディング・ニモ」に出てきたクジラの真似をする、ナンヨウハギのドリーの姿だった。辺りを見回すと、小さなサンゴにナンヨウハギたちの姿が。(おいおい、まさかお前たちが歌ってるんじゃないよな~)。ありえないのに、そんな風に魚たちに話しかけてみたくなる。そんなダイビング。
ダイビング中、僕は、ずっと耳を澄まして歌声を聴いていた。時には目を閉じてみたりして。ガイドのクリスもそれをわかっているのか、何かを見せるわけでもなく、たまに、こちらを振り返りながら、サンゴの根が点在する、砂地の海底をゆっくり、ゆっくりと移動してくれる。僕も、撮影することを忘れて、久しぶりにクジラの歌声に包まれてのヒーリングダイビングを楽しんだ。もしかしたら、こんなダイビングが、一番好きだったかもしれない。
今回は水中では遭遇できなかったけど、この浅い砂地のポイントで、ダイビング中にクジラに遭遇することもあるのだそうだ。