星芒注ぐ、西表
Iriomote / 西表
- Photo
- Takaji Ochi
- Model & Text
- Kaoruko Inou
- Special Thanks
- Diving team Unarizaki Iriomote
- Edit
- Harumi Yamamoto
- Design
- Panari Design
Iriomote / 西表
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- Takaji Ochi
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マグロとタイガーの交錯。
三ノ根
「オガンへ行けた!」というのは、もはやうなりざきに潜りにくるゲストにとってステータスとなっている。
というのも、オガンへ行くには天気にも海況にも恵まれる必要がある。「いまとなってはうなりざきのほぼ独占ポイントとなっているにも関わらず、年間70回程度しか行くことが叶わないんです」と、メインガイドの森脇純一さんは話す。
中でも人気ポイントは「三ノ根」だ。通常のマグロよりもふた回りほど大きく成長したイソマグロやロウニンアジの群れ、運が良ければジンベエザメやタイガーシャークなどの大物生物も姿を現す。限られた取材日程の中だが、今回も奇跡的な出会いを呼び寄せることができた。
100匹を超えるイソマグロの編隊を撮影していると、視界の右端にマグロにしては尾が長く、ゆらりと身体を左右に振りながら近づいてくる生物がいた。
--サメだ。
視界をロックオンして見つめると……タイガーシャークだ!思わず声をあげそうになった矢先、根に捕まっていた森脇さんが「タイガー!」と叫んだ。ガイド陣もだいぶ興奮していたようだ。
タイガーシャークは、「僕もマグロの仲間になりたかったんだい」とでも言いたげな感じで、その編隊の先頭に合流。少しイソマグロと歩調を合わせて泳いでいたものの、すぐに海の彼方へ去ってしまった。
タイガーシャークはシャイと聞く。今回すぐに立ち去ったのも、その性格からだろう。恥ずかしそうに去って行く姿も、イソマグロの編隊の先頭で歩調を合わせて泳ぐ姿もかわらしく見えた。(サメをかわいいと思う感覚が一般的ではないことは百も承知だが)
「三ノ根でタイガーを目撃するのは、年に3回程度。ただ、マグロとタイガーが同時に泳いでいるのを撮影したのは見たことがないです」と森脇さん。こういう奇跡が度々起こるから「オガンに行けばすごいものが見られる」という“オガン最強伝説”があり、またオガンリピーターが後を絶たないのだろう。