iPhoneから金庫まで!? 第二回「小田原城お堀清掃」取材レポート
2016年4月21日(木)、小田原城を囲むお堀の清掃ボランティアが行われました。
今回は第二回となり、清掃を手掛けたのは、西神奈川ダイビング事業者協議会(NDOSA・エヌドサ)のみなさん。
昨年は自転車やのぼり旗20~30本などが見つかりましたが、今年はどうだったのでしょうか。
小田原市長も駆けつけ、激励のメッセージ
9時45分ごろ、加藤憲一小田原市長が小田原城のお堀までいらっしゃり、ダイバーと陸上のボランティアの皆さんへ激励のお言葉を述べられました。
「昨年も話題になったお堀の清掃を今年も実行していただきありがとうございます。昭和50年代半ばに市政40周年の記念事業としてお堀の水を抜いて清掃をして以来のことで、昨年は70kgにもなる量が堀から見つかりました。清掃自体が市のPRになりますし、これからは新緑の美しい時期なので、多くの人をお迎えする準備になる素晴らしい活動です。本日はありがとうございます」(市長コメント一部要約)
iphone、ipad、金庫やのぼりなどが見つかる
10時から11時までの一時間、12人のダイバーがお堀の中に入り清掃活動を行いました。
各自オレンジ色の網のゴミ袋を持って入り、大きい物は堀に浮かべた船に引き上げました。
それを陸上のボランティアの方々が受け取り、作業が進んでいきます。
堀の中の透明度は0(ゼロ)。
したがって、水の中に入るダイバーはプロに限られ、陸上のボランティアには総勢17名が参加されました。
単管やのぼり旗、缶、瓶など次々とゴミが拾われていきました。
中には、iphoneやipad、財布、金庫などが見つかり、びっくり。
きっと堀の桜を撮影しようとして手を滑らせたのでしょう・・・。
明日は我が身。
気を付けないとですね。
陸に上がったものは、この後、分別され、トラックに乗せられて城址公園内へ。
水でヘドロを洗い流し、財布やiphoneなどは警察に届けるそうです。
清掃の後は地元食材を使用した炊き出し
12時頃から、城址公園内でJA農協の青年部の方が炊き出しをふるまってくださいました。
「水の中にいて身体が冷えただろうから」と、温かいジビエ汁とおこわのごはん。
中に入っていたのは、なんとイノシシの肉なのだとか!
ジビエ汁には、たけのこ、にんじん、里芋など約10種類の野菜が入り具だくさん。
全て農協の方からの差し入れで作られたそう。
もちろんイノシシも久野地区で獲れた地元の食材です。
「イノシシだからかな?お肉の味が濃い」「具だくさんで美味しい!」「里芋がこんなに美味しいと思ったのは初めて!」と舌鼓を打つ参加者たち。
その他にも、バラの花やみかん、5月1日にリニューアルになる小田原城の入場券や万葉の湯の入浴券のお土産が参加者全員に手渡され、みなさん身体は冷えたはずなのにほくほくして帰宅していきました。
今年のゴミは少なかった!?参加者の声
「去年やったからかな、なんか今年は少なかった気がするなあ」と、今回参加した方々。
ゴミが少ないのはいいことですが、なんか物足りないと言った表情を浮かべる人も(笑)
NDOSAの代表、滝田叔歳さんにお話しをうかがいました。
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今日潜ってみていかがでしたか? どんなものを拾いましたか?
滝田
私は、単管やクランプ、のぼりなんかを拾いました。
透明度がゼロなので、水中では目をつむっていても開けていても同じですね(笑)
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昨年から活動が始まったと思いますが、そもそもなんで始めようと思ったのですか?
滝田
芦ノ湖の湖底清掃は7~8年、東日本大震災の時には大船渡へ清掃にでかけたりしていました。
しかし、地元で何も活動していなかったのに気がつき、地元でなにかできないかと思い始めたのがきっかけです。
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実際活動してみてどう思いましたか?
滝田
お堀の清掃などは、普通の人はできない特殊環境なので、我々ダイバーがやるべきことだと思いました。ダイバーだからできることですしね。それにお堀の清掃はダイバーという存在を知ってもらう良いPRにもなりますので、地元ダイバーの地位向上にもつながるかなと思っています。市にもメリットがありますし、続けていきたいと思っています。
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市、ダイバー、両者にメリットもあり、環境にも貢献できる。一石二鳥ですね。
ありがとうございました。本日はお疲れ様でした。
実はダイブポイントが多く集まる西神奈川ですが、地元の人は海の中は知らない人が多く、また、潜れることも知らない人が結構いるのだとか。
来年以降の活動は市とも相談の上決定していくそうですが、「可能な限り、続けたいと思います」と、地元の活性化にNDOSAとして貢献していきたいとのことでした。
日本中でこのような活動がますます増えていくと良いですね!
参加者の皆さま、本当にお疲れ様でした。