キャットフードブランドが世界最大規模のサンゴ礁回復プロジェクト「Hope Reef」を発表
世界 80 以上の国と地域でペットケア、チョコレート、食品など 4 事業を展開するグローバルな食品会社である「マース インコーポレイテッド」。同社のキャットフードブランド「シーバ」が、2029年までにオリンピックプール148個分に相当する18万5千㎡以上のサンゴ礁を回復させる世界最大規模のサンゴ礁回復プロジェクト「Hope Reef」を発表した。
サンゴ礁の面積が5%から55%に増加
サンゴ礁が急速に減少していることは、長年の懸案事項であり、サンゴ礁の生態系を回復させることは、同社が目指す「Sustainable in a Generation(次世代に向けた持続可能な環境整備プログラム)」の重要な要素となっている。
そこで2018年に開始したのが、世界最大規模のサンゴ礁回復プロジェクト「Hope Reef」。その第一弾となる今回は、インドネシアの地元コミュニティとともにサンゴ礁の自力回復を促すよう設計された鋼鉄製の土台「Reef Star」を開発し、インドネシアのスラウェシ島沖に設置するというもの。
サンゴが早く再生するようにダイバーがReef Starを海底に設置していく。2日がかりで500個のReef Starを4人で設置。10,000㎡のサンゴ礁を再生するのにおよそ20日程度かかるという。
その効果は大きく、過去3年間で海底を覆うサンゴ礁の面積は5%から55%に増加。その影響により付近に生息する魚の量も増え、以前は見かけなかったサメやカメといった大型の海洋生物の姿も確認された。
YouTubeを見てサンゴ礁回復に貢献しよう
シーバはYouTubeチャンネル「Channel That Grows Coral(サンゴ礁を育むチャンネル)」を開設し、視聴回数に応じてサンゴ礁再生のための資金が還元される仕組みを構築。これらの配信で得た収益は全てサンゴ礁回復のパートナーである環境保護団体「The Nature Conservancy」へと寄付される。
YouTubeチャンネルから、持続可能な活動のために100%寄付されるのは史上初のこと。また、シーバは、ナショナルジオグラフィックと提携し、「今、行動を起こせば、希望は失われない」というメッセージを発信し続けている。
サンゴ礁は、海の生態系を維持したり二酸化炭素を循環したり、さらに防災機能を果たしたりと、地球やすべての国の人々にとって必要不可欠な存在だ。“キャットフードブランド”と“サンゴ礁”は一見全くの畑違いなようだが、地球規模で考えるとサンゴ礁と関係のない企業や人はいないのだ。ぜひYouTubeを見てサンゴ礁回復に貢献しよう。