プラスチックゴミに関する意識調査の結果は?
レジ袋有料化や、各企業のエコ活動などを目の当たりにし、日に日に環境問題への意識が高まっているように感じる昨今。では実際に、日本国民のゴミ問題に関する知識や考え方は、いかなるものなのか。
「オレンジページくらし予報」では、国内在住の20歳以上の女性を対象に、「プラスチックゴミ」についてアンケート調査を実施した。これを読んでいるあなたも、意外と知らなかった真実があるかもしれない。
Text:Nodoka Sekido
「日本のプラスチックゴミの量は世界2位」という事実を知らない人は 80.5%
レジ袋の有料化で、プラスチックゴミ問題への関心が高まった人というは、91.6%。
プラごみについて考える、1つのきっかけになったことは確かなようだ。しかしその一方で、日本が廃棄している国民1人あたりのプラスチックゴミの量が、「年間32kgで世界ワースト2位」という事実を知っている人は、わずか 19.5%だった。
また、プラスチックゴミのなかでも、海洋汚染の要因として世界的な問題になっている「マイクロプラスチック」について、言葉の意味 まで理解している人は 29.4%どまり。「マイクロプラスチック」という言葉は聞いたことがあるし、問題であることは何となくわかっているけれど、自分ごととしてきちんと理解している人は、まだまだ少数のよう。
それでも、実態を知った人のなかには、「ウミガメが小さなプラスチック片を飲み込んで死んでしまい、ほかの魚の生態系にも影響があると知り驚いた」(40代・専業主婦)、「プラごみの海洋汚染で魚介類が食べられなくなる時がくるかも?と心配。今すぐの対策が必要」(60代・専業主婦)など、問題意識を持つようになった人も、調査によって多く見受けられた。
使い捨て容器や袋などが過剰だと思ったことがある 85.2%
「家庭から出るプラスチックゴミが環境に与える影響が大きいと思う」89.4%、「プラごみを出すことが 後ろめたい」53.2%といった数字や、「レジ袋有料化でゴミ袋を買うようになり、1日に出る家庭ゴミの多さに気がついた」(40代・パート)、「プラスチック製品が家のごみの大半を占めている」 (50代・専業主婦)などの声もあり、自分たちが捨てているプラスチックゴミに罪悪感を抱えている人はかなりの数に。
とくに、「プラスチック製のパッケージや使い捨て容器、袋などを過剰だと思ったことがある」人は 85.2%もいて、「レジ袋よりも、過剰包装や食品・飲料のプラスチック製容器の多さが気になります」(30代・フルタイム)というように、有料化で話題になったレジ袋より、その ほかのプラスチック製品の多さを指摘する人が目立った。こうした人のなかには、「過剰包装は避け、洗剤などはできるだけ詰め替えなどを利用する」(50代・専業主婦)、「簡易包装の肉屋さんや魚屋さんを利用する」(40 代・自営業)など、すでに家庭でできるプラごみ削減策を実行している人も多数いることがわかった。
マイバッグの次は「マイ 詰め替えボトル」「マイ 容器」が来る?
プラスチックゴミを減らすために、「中身が同じようなものなら、包装が簡易なもの、紙製のものを選ぶ」 (40代・派遣)のように、環境に配慮した製品を意識的に選んでいる人も少なくない。中には「企業が製品をリユース・リサイクルするところまで考えて製造するようにしては?」(40代・パート) など、国や企業が主体となって、制度や仕組みを見直して欲しいという要望も。また、マイバッグのような「マイ○○」アイディアを聞いたところ、「総菜や生鮮食品を入れるマイトレーやマイボックス」(30代・専業主婦)、「洗剤や調味料を量り売りにして、マイボトルに詰めたい」(40代・フルタイム)」など、 マイ容器、マイボトルのアイディアが数多く集まった。今後、こうした取り組みが定着していけば、使い捨 て容器の削減効果も期待できそうだ。
アンケート概要
●調査対象:オレンジページメンバーズ・国内在住の20 歳以上の女性(有効回答数1797人)
●調査方法:インターネット調査
●調査期間:2020 年 6 月 18 日~23 日
●「オレンジページくらし予報」について 読者モニター「オレンジページメンバーズ」には、さまざまなくらし情報・くらし体験によってはぐくまれた“く らしの目利き”たちが数多く所属しています。そんなメンバーたちの声を集めて<次のくらし>を読み解い ていくのが「オレンジページくらし予報」です。WEB 上でのアンケート調査、座談会など、ご相談に応じて展 開いたします。
●『オレンジページ』について
失敗なくおいしく作れるレシピ情報が支持され、今年創刊 35 周年を迎えた生活情報誌。30~40 代の主婦 を中心に幅広い読者層を誇ります。発行部数=318,679 部(2019 年印刷証明付発行部数)。
プラスチックゴミ問題は、今や他人事ではなく、世界中でひとりひとりが見つめるべき大きな課題である。
今回のアンケート調査では、意外に知られていなかった事実、意外と実行しているアクションなど、人々のさまざまな姿勢を見受けることができた。アンケートで得られた「マイ○○」のようなアイディアが今後更に広がり、人々の生活のひとつとして定着してくことで、きっと問題解決への一歩となるはずだ。