ダイビングインストラクターの価値を証明したい

“purpose”
ダイビングインストラクターの価値を証明する

僕が海の仕事に携わるようになってから20年ほどの時間がたった。

現場で毎日のように海に入る日々から、マネージメントに変わり、そして少しの間、海から離れたりもしたが社会人とのしての人生はほぼ全て海と一緒だったといっても過言ではない。

「海の仕事では食っていけない」

この言葉の通り、たくさんの優秀なダイビングインストラクターが転職していった。
そんな現状ばかりを目の当たりにしていたからか、いつからか「その言葉を変えたい」という思いが、僕のモチベーションになった気がする。

もちろん、しっかりと安定的な収益を上げ続けている企業があるわけで、全ての人が該当する言葉ではない。
ビジネスという戦場下で勝利を収めてきたチームは当然あるわけだ。

しかし、この「勝利」という文脈に少し違和感を感じていたのかもしれない。

その勝利のために合理性が追求され、本来のサービスを見失う。
例外なく僕もそうだったと思う。
ダイビングインストラクターには、そもそもその文脈は合わないのだと思う。

もちろん、僕も企業としてそのビジネスの戦いに参加してきたし、今ももちろんそのど真ん中にいるわけで。
当然ビジネスは大事だし、僕はビジネス(仕事)は大好きだ。
だからこそ、大切なのはビジネスが永続していくことで、持続可能であると強く思っている。

「僕らはなぜ、海にこだわっているのか?」

最近はこのテーマについてすごく考えることが増えた。
決してネガティブな意味合いではなく、ポジティブに考えている。

たくさんのお客様を集客するために、過去に安易に値段を下げてしまったり、サービスを簡素化してしまったことで、今になって業界全体でダメージを受けている。
もしかしたら、これはダイビング業界だけの話ではなく、世の中全体のことだったのかもしれない。

モノ売りからコト売りへと世の中が変化しはじめて、観光立国のキャッチフレーズをもとに国内外からのお客様で観光産業は急成長している。

しかし、実際には疲弊している現場が増えているのも事実だ。
だからこそ、その成長に惑わされないほどの「purpose」が今の我々には必要だと感じている。

企業存続のための商品開発ではなく、ユーザーにとって本当に価値ある体験を提供するにはどうしたらいいか?

豊かになってもらうためにはどうしたらいいか?

今こそ、その追求が求められている時なのだと思う。
その対価として、「適正価格」を受け取れる業界であり続けられるようにしたい。
我々、ダイビング業界、インストラクターに求められているのは「purpose=存在価値・存在意義」だ。

僕のpurposeは「海と出会うすべての人に粋な夢をデザインする」ことだと思っている。
そして、「ダイビングインストラクターの価値を証明したい」と思っている。

それができる力がこの業界の人材にはあると信じている。
そして、それを証明するべく、たくさんの場所で新たな動きが出てきている。

この連載では、僕の視点でダイバーの可能性について書きたいと思っている。
もちろん、インストラクターのように業界で働く人だけではなく、海遊びを大切にする人が社会を変える力を持っていることにも気がついてもらえたらという願いを込め。

第一回は

①~コロナ禍でこそ、未来をデザインするダイバーが活躍する街~

コロナ禍で観光産業が止まり、集客がとまってしまったこの時に、下を向かず将来を見据え動いているダイバーや街がある。
その活動を推進し援してきた目線からその活動について紹介したい。

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PROFILE
1981年生まれ、埼玉県出身。
学生時代にライフセーバーを経験し、2003年にダイビングライセンス“BSAC”インストラクターを取得し、2012年インストラクタートレーナーになる。

ダイビング歴としては、1,000人以上の講習実績と5,000本以上のダイビング経験を持つ。

2010年に独立、東京・大阪・沖縄にダイビングショップを経営する傍ら、2015年からオーシャナの運営に参加。2016年から奄美大島(鹿児島県大島郡)にある障害者向けのマリンアクティビティ施設の運営に携わり、2017年には国連環境計画日本協会(日本UNEP協会)の事務局長を務めた。

2019年よりSDGsモデル都市(内閣府認定)である沖縄県恩納村のSDGs推進運営に携わり、国連環境計画UNEPがグローバルに推奨する環境に配慮したダイビングプログラム、「グリーンフィンズ」を同村に日本初導入。

2020年、これまでの経験を活かし、海と環境から「生きるチカラ」を学ぶ「BLUE School」プロジェクトを本格始動。