おかんが走る
母みどりが巨乳を揺らし走っている。
いや、嘘です。走っているのは悪寒。
酒池肉林コースはとても刺激的で楽しかったが、
徹夜明けで、しかも途中なぜか裸にもなったりしているので(笑)、
少し前兆はあった。
今思えばそこで手を打っておけば……。
昼帰りした昨日は早く寝ようと思っていたが、
同期のA君が貸してくれた清原の「男道」にハマる。
風呂から出て上半身裸のままビールを飲みながら、
読んでいるといつもまにかソファーの上で深い眠りに……。
ありえないほどの悪寒、というか全身が寒さでプルプル震え、
びっくりして起きると3時。
慌てて厚着をして布団に入るが、
寒いのに熱くて眠れやしない。
これから仕事が佳境だったので、「ヤバイ! 治さねば」。
どこかに薬があるはずだが、
そこそこ体が丈夫な僕はどこにあるかよくわからない。
部屋をひっくり返して、薬箱を見つける。
あった!
違う違う。
あった!
これも違う。
大事なときに出てくるには、
ポラギノールや便秘薬など、尻周りの薬ばかり……。
そして、どこに塗るんだかわからない変な塗り薬や
使うあてのない「うすぴた」が出てきて余計に悲しい気持ち。
ふえ〜ん(泣)。
薬箱にあるのはそれだけだった。
そこで思い出したのが半身浴。入浴剤はいっぱいあるし、
汗をいっぱいかけば大丈夫だろう。
ということで、3:30より半身浴。
4:00を大きく過ぎたころまでクラクラしながら風呂につかると、
確かにスッキリ!
一旦、眠りにつくが、
最初の悪寒の1.5倍くらいの悪寒で6:30起床。
医者に行こうかと思ったが、
タイミング悪く保険証の再発行手続き中。
昔、財布をなくしたときになくしたものを、
病気をしないことをいいことに今頃発行しているツケが……。
それに、外に出られる気がしない。
仕方がないので、わらにもすがる思いで、
Nおじさんにもらった魔法の薬「シアリス20」にかける。
バイアグラより効くらしいので、
きっと体だって元気になるさ。病は気から。
「テラちゃんは若いから半錠で20時間は元気だよ」
という教えどおりに、半錠にして……
パクッとな。
1時間後……。
一部分だけ元気。
嘘です。体が治らなくても、
チンチンが大きくなっちゃうのもおもしろいからいいやと
思っていたが、 体が弱りきっているせいか、
何も変わらない。
もう半分飲んでみたがやっぱり変わらず……。
Nおじさん、2500円むだにしちゃってすいません!
もう1錠飲んでみようと思ったが(主旨が変わっている)、
自分で買うことはないであろうこの貴重な錠剤は、
然るべきときに試してみたいという欲求が顔を出し、
そっと薬箱にしまう。
ああ、どうしよう。どう考えても高熱があるが、
体温計すらない。それに計ってしまうと滅入るのでみたくない。
そういや、薬箱以外のどこかにも薬があったはずだ。
家をひっくり返すと、棚の奥から奇跡の袋を発見!
袋の中身を見てみると、お薬も。
そのほか、むき出しの薬も発見。
う〜ん、何の薬だか、まったくわかならない。
大病をしたことはないので、
風邪か腹を壊すぐらいしか思いつかない。
だとしたら、腹もちょうど下っているし、飲んでみよう。
とりあえず、病院の袋の方が効きそうなので飲んでみる。
それから5時間くらい経ったが、何の変化なし。
ちょっと腹がグルグルいっているくらい。
昼にもなったことだし、もうひとつの薬を飲んでみる。
あ〜早く治ってくれないと困る。うう。
病は気から。薬飲んだから、きっと治る!はず……。