クリスマス・イブ
クリスマス・イブ。
特に予定はないし、終わらせなきゃならない仕事もある(泣)。
こんなときは実家に限る。
というのも、この時期、実家の肉屋に行けばローストチキンが食べ放題。
せめてクリスマス気分を味わいながら仕事しよう。
帰ってみると、ローストチキンの山。そりゃ、売るほどある(笑)。
8本も食べちゃいました〜
さ〜て、パソコンに向かおうかと思ったときに敵来襲。
甥っ子ライム君の登場。今日はいないって言っていたのになぁ。
「ひ〜坊、マリオやろう、マリオ〜」とせがんでくるので、
仕方なくwiiのスーパーマリオを始めてみると、
そりゃマリオ世代の自分としては思わず燃えてしまう。
ライム君としては「ひー坊に教えてやる」という上目線で
あれこれ横から指示を出してくるが、
そりゃマリオ世代の自分としてはコツをつかめば5歳児より数段うまい。
最初のうちは「へ〜ここでジャンプするんだ」とか
「ライムってすご〜い」と合わせていたが、だんだん鬱陶しくなってきて、
ライム君が「入れ」という土管に入らなかったり、
「樽をぶつけてやっつけろ」という指示を無視して踏みつけて
やっつけたりしているとライム君が不機嫌に。
やばい。やばいぞ。このままではいつものパターンになりそうだ。
最初の1時間は仲良く遊んでいるが、だんだん面倒臭くなってきて、
最後はライム君が泣いてどっかに行ってしまうパターン。
今日はずっと仲良くしようと決め、その後はライム君の指示通りに動き、
「ライムの言う通りにやったらクリアできるな〜」なんて持ち上げていると、
照れながら喜んでいやがる。単細胞め。
しかし、やはり亀裂が。
スーパーマリオはゲームスタートの前に貯めたアイテムを使えるのだが、
ライム君は自分は使うくせに、
僕が使おうとすると「ひー坊は使っちゃだめ!」と意地汚いことを言う。
最初は我慢していたが、どうしてもクリアしたい面があったので、
大きくなるアイテムを使ってしまうと「ああ! ひー坊、ダメ〜」と半べそ。
「ごめん、ごめん」と一旦仲直りするが、やっぱりクリアできず、
今度は、思わずタケコプターが頭に付くアイテムを使ってしまうと、
「ひー坊のバカ〜〜(泣)」と走ってどこかにいってしまった。
二回続けたからなのか、タケコプターを使ったからなのか、スイッチは不明。
まあ静かになったからいいやとしばらくマリオに夢中になっていたが、
途中で「あれ? 俺、何やってんだろ」と。
とりあえず、仕事をしているとあっという間に夜。
母みどりが「お前が不憫だからケーキを買ってきたよ。ライムたちも呼んで食べよう」と。
しばらくしていると、ケーキにつられてライム君、再登場。
まだ怒っているんだよアピールをするライム君。愛い奴め。
そこで、僕は携帯を取り出し、
「あ〜ティガ? うんうん、今飯食っているから後でね」と電話を切るフリ。
ライム君はもう電話のことが気になって仕方がない。
そう、ライム君は僕がウルトラマン・ティガと
友達かもしれないと思っているのである。
ことあるごとに、「俺はティガと親友」とか
「仙元山の裏で真夜中によく会っている」などと真顔で言っているのだが、
どうやら割と本気で信じているようだ。
先日、久し振りに会った時も、こっちがすっかり忘れていたのに、
「この間、お散歩で仙元山に行ったけどティガいなかったもん! ひー坊の嘘付き!」 と言われ、
お前結構信じとるやないか〜い、とびっくり。
おもしろくなってきて、「だって真夜中じゃなないからだよ」とか
「ティガに俺がダイビングを教えている」などと更なる情報を与えてみたり。
ただ、そのとき、弟の嫁に「お義兄さん、本気で信じてしまうので……」
とたしなめられたので言うのをやめたのだが、
ライム君はずっと「ひー坊はウルトラマン・ティガと友達かも」と半信半疑。
そんなときに、ティガらしきウルトラマンから電話(笑)。
「ひー坊、誰と電話してたの?」
「え? うん、まあ、ほら、ウルトラマン・ティガ」
「嘘だもん!」
「まあ、ライムが嘘だと思うなら嘘でもいいよ。
ティガもあんまりバレちゃマズイみたいだしさ」
「……」
さっきまで怒っていたのに、すっかりまた僕の虜(笑)。
母みどりに聞くと、どうやらライム君は、海に潜ったり、
ウルトラマンと友達かも知れない僕のことがかなり気になるらしい。
どうりで、何度泣かせてもなついてくるわけだ(笑)。
ライムと仲直りしてしばらく遊んだ後は、実家の裏にある弟の家で、
パラオに行っていて見逃したM-1グランプリの録画を見せてもらう。
家を建て、子供二人抱えた弟はすっかり真面目なサラリーマンで、
会うと何だかいつも疲れた感じ。
最近、僕が弟だと言われることも多くなってきた。
「あいつ、老けたな〜」なんて母みどりに言うと、
「しっかり背負うもの背負って生きている人とそうでない人間の差が
顔に出てきたんじゃない?」と的確な一言(泣)
なんてことをやっているうちに、クリスマスイブは終わりましたとさ。