あるある話
先日、都内のダイバー飲み会での出来事。
会場に行ってみると、「テラさん、久しぶりです〜」と男性が満面の笑みで近づいてくる。
俺、この人知ってる! でも、誰だかわからない。
よ〜く考えると、潜ったことはないが紀伊半島のガイドさんで、
名前は確か、黒木さんだか、黒沢さんだか、黒岩さんだか……。
黒なんとかさんであることしかわからない。
どうしよう、どうしよう、どうしよう。
素直に「どちらでお会いしましたでしょうか?」と非礼を詫びるのが正しいかもしれないが、
なんせ向こうは「どーよ、最近調子は?」的な親密具合で間合いを詰めてくる。
知ったかぶりをしながら会話の中で探るかどうか。
しかし、知ったかぶりをしようにも名前がうろ覚え……。
ここまで数秒。考えを巡らした結果、こちらも勢いで乗り切ることに決め、
僕がその人に向かって言った言葉は……「久しぶりですね〜、黒っさ〜ん」。
黒っさん?
自分で言ってびっくり。誰だよ、黒っさんって。
おそらくその昔会った時、僕は〜さんと呼んでいたはずで、
それがいきなり黒っさん。相手も一瞬「え?」という表情(笑)。
しかし、ここまできたらもう勢い。
紀伊半島のどこの海かも思い出せないので、「最近の紀伊半島どうですか? 黒っさん」。
ざっくりし過ぎ。伊豆半島の倍はある紀伊半島をどうですかと言われても……。
その後、黒っさんとハイテンショントークは続いたが、
結局、名前はわからずじまい。
黒っさん、一体あなたは誰だったのでしょうか……。