泣ける話!?〜とある女性ダイバーの変身〜
友人に誘われ、やってきたサイパン。
Y子が胸を躍らせているのは、初めて潜る南国の海のせいだけでない。
早朝、ホテルにピックアップに来たガイドAは、
真っ黒に日焼けしているものの、どこか朴とつな雰囲気で、
率直に言えばタイプだった。
大人数のゲストとスタッフのいるショップだったが、
ラッキーなことにY子たちの担当ガイドはAになり、
Y子は内心ガッツポーズ。
ブリーフィングや船上で話すAは言葉も丁寧で、
心の底から海が好きな様子も好もしく、1本目を終わったころには、
Y子はどうやれば一緒に夕食に誘えるかを考えるようになっていた。
続けざまに2本潜り帰港。
希望すればロギングしてくれるということで、
帰りたそうだった友人を説得し、Y子はロギングを希望する。
仲良くなるチャンスだ。ここで食事までお誘いしてみよう。
ショップの中は大勢の人でごったがえしていて、
各ガイドが自分のグループのロギング希望者を集めている。
Aも自分のグループのロギング希望者の名前を読み始める。
「え〜と、私のグループは4人希望なさっているようですね。
●●さん、いらっしゃいますかーー?」
呼んだゲストが自分に歩みよってくるのを目で確認すると、
Aはまた次の名前を呼んでいく。
そして、4人目でY子の名前が呼ばれた。
Aの目の前に陣取っていたY子は歩み寄るまでもなく、
AもY子の方を見て、目が合ったのでニコッと笑う。
なのに、Aは再びグループを見渡しながら、
「Y子さん、いませんかー?」と再び大声でY子を探し始める。
最初はギャグかと思い、
「もう〜〜、目の前にいるじゃないですか〜〜」とおどけて返事をすると、
Aはキョト〜ンとした顔の後、ハッとした顔になり、
「あ、ああ、Y子さんでしたか。そうですね、はい」。
本気だ。その焦り方は本気でY子のことがわからなかったのだ。
え?1日ずっといたのに?
あれだけポイントに行く船上で話したのに?
どういうこと? え? え? え〜〜?
?がいくつも頭に浮かんでいるY子に、友人が嬉しそうにひと言。
「Y子、スッピンになると誰だかわからないからね。あはは」
そう、朝はばっちり決めていた化粧もだんだん落ちてきて、
2本目が終わったところでゴシゴシと化粧を落としてしまったY子に、
Aは気がつかなかったのだ。
「ショック過ぎますよ。友達や彼氏から『別人みたい』とからかわれることはありましたが、本気で別人だと思われたわけですからね。人格を否定された気分。それからは、ダイビングでも常に化粧に気をつけ、1本ごとにある程度の化粧をしています」
MDフェアに来ていたY子さん(女性・380本)の泣ける話(本人いわく)でした。
女性ダイバーより眉毛ばっちりのコラーレバタフライフィッシュ
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※ちなみに、ダイビングツアーのお化粧に関するデータはこちら。
女性ダイバーに聞きました!
Q.
日帰りダイビング。さてお化粧していきますか?
A.
■朝から化粧。ダイビング後も化粧 25票(14%)
■朝から化粧。ダイビング後はすっぴん 23票(13%)
■朝はすっぴん。ダイビング後に化粧 27票(15%)
■1日中すっぴん 95票(53%)
■その他 6票(3%)
男性ダイバーに聞きました!
■しっかり化粧してほしい 3票(3%)
■少しは気にしてほしい 32票(35%)
■1日中すっぴんでいい 52票(57%)
■その他3票(3%)
女性があれだけ恥ずかしがっていたスッピンも、ダイビングにハマれば「はぁ? 化粧?」となる(笑)
化粧とは単に身だしなみとしての意味合いもあるが、根本は男性の目を意識してという意味合いも含む。
そういう意味では、男性に行なった「ダイビング時に女性には化粧をして欲しいですか?」というアンケート結果は興味深い。
「1日中スッピンでいい」は57%とダントツで、「しっかり化粧して欲しい」はたったの3%。
男性ダイバーは女性に化粧をあまり求めておらず、「ありのままで」という意見が多いのだ。
ただ、「少しは気にして欲しい」が35%あることも見逃せない事実。
つまり、出会いを求めるのであれば、少しは気にした方がいいのだろう。
恋に落ちる最大の要素はギャップ。
しかも、マイナスからプラスのギャップがいいという意味では朝はスッピンで来て潜り、帰りに化粧をしてロギングってのが合理的だと思うのだが……。
少なくともY子さんのように、別人に変身するのは、心臓に悪いのでよしてください。あははは。