誓いのキスは塩キャラメルの味〜水中プロポーズで結ばれた2人が水中結婚式〜
以前、ご紹介した水中プロポーズのエピソード。
緊張のあまり残圧20になった男性と
嬉しさのあまり涙のマスククリアをした女性の甘酸っぱいお話は
多くのダイバーをほっこりさせてくれました。
その後2人は、プロポーズの舞台となった石垣島の海で晴れて結婚式を上げることに。
その時の様子を、ご本人とプロデュースした
石垣島ダイビングスクール竹内友哉さんのお話を交えて紹介します。
2011年6月17日。中沢正樹さん・ルミさんのハッピーウエディング。
当日は雲ひとつない快晴。水平線を隔てて、
石垣島の海はどこまでも広く、空はどこまでも高く続いています。
ルミさんのご両親やお兄さん、お義姉さん、友人など、
ダイバーでない方々も参加し、船上はにぎやかな雰囲気。
寄せ書きなど、最後の仕込みを済ませます。
先にスタッフや参加ダイバーが潜ってスタンバイし、
遅れて新郎新婦が呼びこまれ、いよいよ結婚式の始まりです。
うながされるがまま、新郎新婦が泳いでいくと……
2人を祝福するサンゴの文字。
さらに、導線に従って進んでいくと……
バージンロードが登場!
両サイドからダイバーがエアーカーテンで祝福。
バージンロードを過ぎると、ハートマークのサークルが現れ、
その先には謎の生き物が座って……。
ドーン。
どうやら、神父役の竹内さんですが、
なぜトナカイなのかは、めでたい席なので気にしない方向で(笑)
サークルの中に着底した2人に、
トナカイ神父がそれぞれ永遠の愛を問いかけます。
答えはもちろん、
○
お次は指輪交換。
「失くしちゃいけないから(笑)」と現実的な理由でおもちゃの指輪。
そして、いよいよ誓いのキス。ベールを上げて……
むちゅぅ。
「キスは自然にうまくできたのですが、つい長めにしていたら(照)、
突き飛ばされました……」と正樹さん。
「だって、息が苦しかったんだもん」とルミさん。
何だかもう、お好きにどうぞ〜なコメントです(笑)。
ちなみに、正樹さんによれば「キスの味はやっぱりしょっぱかったのですが、
甘い気持ちも混じりあって、塩キャラメルの味がしました」
……。
恋は盲目。いや、味覚さえも奪うようです。
そして、トナカイ神父さんより夫婦として認められると、
結婚証明書が渡され、晴れて人生のバディが誕生!
誓いの儀式を終え、神父と一緒に移動すると砂地の上に一枚の白い布が……。
皆が心をこめて書いた嬉しい寄せ書きでした。
手作り感あふれる水中結婚式に、ご本人はもちろん、
参加者全員が幸せな気分に包まれました。
「プロポーズのときはサプライズでただただ驚きでしたが、
今回は底から楽しめました。新鮮でとにかく楽しかったです」と大満足のルミさん。
一方、正樹さんは「また、水中でキスがしたいかな」と
塩キャラメルに味をしめたようです。
そんな正樹さんにルミさんも「おもしろいし、またしてもいいかな(はぁと)」。
今回2度目の、お好きにどうぞ〜。
プロデュースした石垣島ダイビングスクールの皆さんも
幸せそうな2人を見て、ひと安心したようです。
「僕たちも初めてのことで、実は結構プレッシャーを感じていました。
いろいろ調べて、『ガイドロープは張った方がいいのかな?』
『スノーケラーもいるから浅瀬で明るい雰囲気の砂地がいいな』とか、
試行錯誤で何とか最後まで無事終えることができてホッとしました」と竹内さん。
前日、スタッフ総出で準備をしたそうですが、
「こういう幸せな瞬間に立ち合わせてもらえるのは、こちらも嬉しいこと。
リクエストがあれば、またやってみたいですね」と報われた様子。
あれから、ほぼ丸一年。
その後も、お二人は陸でも海でもよきバディとして、
伊豆から八丈島、沖縄、パラオなど、2人でいろんな海を潜り続けています。
「夫婦で潜ると安心感があります。
行動の想像がつくのも大きいですし、
何より、やっぱり気にしている度合いが全然違いますからね」とルミさんが言えば、
「楽しいことを伝えて共有できるので、独身のころよりダイビングが楽しくなりました。
でも、楽しみも2倍の代わりに、お金も2倍かかるのがちょっと辛いかも(笑)」と正樹さん。
「でも、たまにロストされるんです(笑)」と笑うルミさんに、
「人生ではロストしないようにしますから」と答える正樹さん。
今回最後のシメの、お好きにどうぞ〜。