禁じられた遊びは蜜の味?ダイビングでどこまで遊んでいいのか
先日、読者の方からこんなご指摘がありました。
「マリボー読みました。楽しそうだけど、そもそもフィンを脱ぐことは上級者レベルならよいのですが、初心者がマネしたら結構危ないんじゃないですかね? 」
ご指摘のとおり、こういうリスクは、やはりアップするときに頭に浮かぶことなんですよね。
■フィンを脱いで遊ぶマリボー
砂地を走ったり、フィンを手に付けて飛ぶ真似をするなど、“フィンを脱ぐ”ということに対しては、ちょくちょくご指摘を受けることがあります。
フィンの他では、“レギュレーターを口から外す”こと。
以前、ガイドさんに「レギュレーターを口から外すバブルリングをオススメするのはよくないと思いますよ」と指摘を受けたことがあります。
さらに、つい先日のハドウケン(カメハメハ)の写真も、ボートのアッパーデッキから飛び降りた瞬間だとわかる人もいると思いますが、確かに飛び込みって注意をしないと結構危ない。
■ハドウケン(カメハメハ)
もっとわかりやすくクルーズ船やボートのアッパーデッキから飛び降りて楽しいシーンをアップしたことがありますが、あれ、落ち方を間違えると、耳を傷めたり、金的を打ったりします。
この、クルーズの最上部からジャイアントしたこの写真のときは、一歩間違えれば足首を骨折していたなーと思います。
■クルーズ最上部からジャイアント
着水の衝撃をフィンがモロに受けて、足首が変な方向にもっていかれそうになりましたが、つま先のところに小さな穴が開いていて、なんとそこに足がツルンと通ることによって衝撃を逃がすことができ、事なきを得ました(脱ぐのが大変でしたが…)。
とまあ、確かに、“脱ぐ”“外す”“飛び込む”というのは、やってはいけない代表的なことなのかもしれません。
では、なんでやるのか?
楽しいから…としかいいようがありません。
カメハメハの写真を大人が結構な時間をかけて撮影するのも、「馬鹿じゃない?」と言われれば、「はい!」と元気よく答えるしかないのです(笑)。
ならば勝手にやっていればよいということですが、メディアが伝えるとなると「マネして怪我でもしたら責任とれるのか!」という話ですね。
テレビドラマで、犯人が車を奪って運転手を脅し、「早く車を出せ!」と包丁をつきつけながらもシートベルトしているとか、ガラスを飲んじゃうビックリ人間ショーで「※マネしないでください」という注意テロップが出るような世の中。
ほとんどの人がテロップに「マネするか!」とツッコミを入れるとは思うのですが、ごく一部の「マネして何かあったら誰が責任取るんですか!」という声に引っ張られがち。
これらは、程度問題と覚悟の問題。
テレビのような大きなメディアでは、お金やそこにいる人間の数が桁違いなので、自主規制も行き過ぎるんだと思いますが、ダイビングに特化したようなオーシャナでは、もう読者を信じます。
「横バブルリングをしたら、水飲んで死にそうになった。賠償しろ」とか言わないですよね(笑)。
言われたらもう仕方ないです…。
まったくリスクをなくすのであれば、紹介しない方がいいと思うのですが、それだと、どうも窮屈でおもしろくない。
こういうのは事故が一度起こるとやりづらく、そして書きづらくなるものなので、バブルリングとかで死なないようにお願いします…。
また、確かに計画外で準備やスキルもないのに、いきなり変なことやられるとバディやガイドさんも困るので、バディやガイドとの間にコンセンサスはあったほうがよいでしょう。
エントリー前、あるいは水中で了解を得ておいた方が、安全という意味でもベストです。
これからも、“これくらいはありなんじゃないの?”と思う、少しセオリーを逸脱する遊びを紹介するかもしれませんが、同時にリスクも提示することにしているので、あとは自己責任の範囲でリスクをとって、“おもしろいことをする”という選択をするのは個人の自由だと思っています。