海パン一丁でダイビング!? 日本人ダイバーと外国人ダイバーの違い
トンガで久しぶりに欧米人の中で潜り、改めて、日本人ダイバーとのスタイルの差を実感しました。
まず、ブリーフィングは長く、最大水深や時間などはきっちり確認するのに、水中ではほったらかし。
ダイビング全体の管理者として説明はしっかりして記録もきちんと残すけど、あとは自己責任で潜ってね、ということでしょう。
潜る前に「勝手に潜る?それとも、ついてくる?」と聞かれるのも、ほぼ必ずガイドについていく日本では考えられないことです。
ただ、水中でのほったらかしっぷりは、ちょっと焦ります。
船上でセッティングがわからず手伝ってあげたオーストラリア人がいて、水中でもBCの給排気ができず(というか知らず)、ガニ股でフィンを激しくかいているにもかかわらずガイドは何もしません。
セッティングできない人が少し流れのあるドロップオフで放置プレイ。
そりゃ気になりますってば(笑)。
沈んでいきそうになっていたのでBCに給気してあげ、案の定、浅瀬では浮いていき……。
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一方、カナダ人ダイバーは、僕が水温25度でワンピースじゃ寒そうだからフードベストかぶろうかどうか悩んでいる中、海パン一丁。
「おっさん、マジっすか!」と言うと、「カナダから比べたらへっちゃらさ」と。
よく欧米人ダイバーの笑い話で出てくる光景ですが、久しぶりに目の前で見て笑ってしまいました。
「なんで欧米人は寒くないんですか?」と質問されることがあり、以前、調べたところでは体のつくりがちょっと違うといった話があったのですが(すいません、あまり覚えておらずに曖昧……)、彼、めっちゃサブイボ(鳥肌)出ていることに気が付きました。
ひょっとしたら、僕が小学校の6年間、冬でも半袖半ズボンで通い続けたように、やせ我慢なのかもしれません(笑)。
エアもアッという間になくなり、一人早く浮上していった彼にウエットスーツの快適さを教えてあげたいものです。
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さらに、アメリカから来ていた恰幅のいいダイバーはなぜかずっと自分の後をついてきます。
僕はカメラ片手に割と自由気ままに被写体探しで泳ぎまくっていたのですが、それでもずっとついてきます。
「あ、ひょっとしてバディってこと?」
このアメリカ人、即席で一応バディにさせられた僕のことをしっかりとバディと認識していたようです。
潜る前に「カメラマンか?」と聞かれて、あれこれ事情を説明するのもあれだし、当たらずとも遠からずなのでYESと答えたところ(すいません……)、プロを邪魔しちゃいけないと思ったみたいで。
申し訳ないことをしたと思い、2本目はあまり動かずぴったり潜っていました。
日本では一人で潜りにいった場合、“対ガイド”という意識が強いですが、“対バディ”の意識を思い出させられました。
オーストラリアとカナダのダイバー二人にまったくバディ意識がなかったので、欧米人のすべてのダイバーがそうではないでしょうけど……。
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あとは、欧米人のカップル(国籍は聞き忘れました)がいたのですが、彼らはとても優良なダイバーで、おそらく経験豊富。
二人で頻繁にやり取りしながらお互いのチェックや楽しみの共有をしていて、やっぱり普段から気心の知れたバディと潜るのが一番だなと改めて感じました。
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とまあ、さまざまなスタイルの欧米人ダイバーたちと一緒でおもしろかったのですが、彼らに共通しているのが、“とにかく海を楽しんでいる”ということ。
スキルやガイドさんの指示、ルール、一緒に潜る人のことなど、あれこれ気にしがちな日本人ダイバーとは対照的に、スキルとか経験なんて関係なしに、細かいことは気にしないで、良い意味で好き勝手にわかちこわかちこ楽しんでいるように見えました。
セッティングのわからなかった彼は一本目で気持ち悪くなってしまい、2本目はパスしたのですが、途中で回復して、ひとりでエントリーして後で合流してきましたし、海パン一丁ダイバーは「エア少ないから、俺帰るからね!」ってな調子でエグジットしていくなど、日本だとあまり考えられない潜り方。
危うさも感じましたが、楽しむのが上手だな~とも思い、お国柄を感じるダイビングとなりました。