もしもサメに襲われたら?サメから身を守る方法あれこれ
サメのイメージに関するアンケートやダイバーのサメ体験談を紹介したところ、「もしサメに襲われたら?」というご質問がありました。
昔から、「サメの鼻をぶっ叩く」「腕を噛まれたら押し込む」など、「できるかぁ!」とツッコミを入れたくなるようなものもあることはありますが(笑)、基本的には、襲われたらもうあまりできることはありません。
そこで、今回は、“身を守る”というテーマでアプローチしてみます。
噛めるなら、噛んでみなさないホトトギス
まずは、最悪の状況を想定したスーツ。
襲われても安心!? サメに噛まれることを想定したスーツというものが開発されています。
その名も“シャークスーツ”。
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Neptunicより
国内でも販売されているようです。
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niroflexより。サメのいる水族館で活躍しているのだとか
確かに、シャークスーツを着ていれば、メジロザメ程度の大きさのサメからは身を守れそう。
ただ、鋭利な歯からは身を守れても、ホホジロザメになると顎の力が1トンを超えると言われており、傷はほとんどなくても、骨ごといかれたという実験結果もあるそうなので、やっぱり噛まれないようにするのが一番ですね。
それに、こんな格好で潜っていたら、場所によっては確実に笑われそう……。
あっちいけ!噛まれる前に遠ざける
「噛まれるくらいならやってしまえ!」と、電流棒や水中銃を携えて潜る方法もありますが、サメを傷つけることのなく、平和的にサメを近づけないようにするのが、シャーク・シールド(Shark Shield)。

サメは、口や鼻の周りに、ロレンチーニ器官という電気受容体を持っていて、この器官で海流や他生物が発する微弱な電流を感知していると考えられています。
シャーク・シールドは、サメの嫌がる電波を流し、サメはこの電界の発生源に近づくにつれて不快感が増していくとのこと。
「ついには筋肉の痙攣を引き起こすほど、耐え難い刺激となりサメは向きを変え、直ちにその場を泳ぎ去るのです」とのことで、実験映像を見ても確かに嫌がっているように見えます。
http://youtu.be/B70_RrZLPFE
中には、「電波なんて必要ないわ!」とばかりに、サメの口や鼻の周りをなでることで、このロレンチーニ器官をマヒさせ、サメの動きを止めることができるという達人もいますが、普通の人にはなかなかできそうにない芸当かも……。
■手乗りサメの映像
これならサメに見つからない!? サメ除けスーツ
そもそも、サメに見つからなければいいんだ!
ということで、森の中で迷彩服を着て身を隠す戦士のように、海の中でサメに見つからないようにする、サメ除けのウエットスーツなんてのもあります。

http://youtu.be/GM3qL7CeZTc
実験では、黒のウエットスーツだと襲われやすいので、海の背景に紛れて身を隠す配色にしたと言うのですが、「黒の方が安全!」という、まったく逆の証言も多々あるうえ、そもそも視覚以外も優れているサメに効果があるのだろうか、といった疑問も…。
※
以上のように、サメに襲われることを想定していろいろな道具が開発されていますが、「そもそもサメは人を襲わない!」という性善説の人たちは、丸腰でサメとランデブー♪
■ホホジロザメと泳ぐブロンド美女
■ホホジロザメと泳ぐブロンド美女・動画
サメはほとんど人を襲わないとはいえ、さすがにホホジロザメ相手に丸腰で一緒に泳ぐのはちょっと怖いかも。
まあ、彼らは何かしらのアピールのためにやっているわけですけども。
でも、ホホジロザメスイムも海外では普通に楽しんでいる人たちもいて、越智カメラマンも誘われているようですが…。
ちなみに、タイガーシャークと潜るスペシャルトリップを開催している越智カメラマンにサメと対峙するときの注意点を聞いてみると、以下の3点を挙げていました。
- サメから目線は外さない
→緊張感を持って対峙する - ひるまない(向かっていくぐらいの気持ち)
→相手も得体の知れないものが嫌 - サメの軌道をよく確認しておく
→軌道に入らないようにする
ただ、スペシャルトリップの場合は、あえて会いに行くのが目的ですが、ふいに出会ってしまったときは、シャークジャーナリストの沼口さんも「対処法の正解はない」とおっしゃっています。
越智カメラマンの言葉を思い出し、ひるまず冷静にその場をやり過ごし、速やかに船上に上がるしかないですよね。
襲ってきた場合は、やっぱり鼻にパンチ!…なんて、できる気が一ミリもしませんが、まあ、普通に潜っている限り、ほとんどないことを考えても仕方ないですし、あんなものが本気で襲ってきたら…やっぱり考えるだけ無駄のようです。