サメってカッコイイ!? アンケートが明かすダイバーのサメのイメージ

カリビアンリーフシャーク、レモンシャークとダイバーが入り乱れる海底。フィッシュテールの水深はボトムで11m

一般的に、サメと聞いて思い浮かべるイメージは恐怖の対象。
これは、映画「ジョーズ」に出てくる“人食いザメ”の影響と言われています(名作であることの裏返しかもしれませんが)。

実際、人にダイビングを勧めると、「サメは大丈夫ですか?」と聞かれることも珍しくありません。

では、よりサメと身近な存在であるダイバーの皆さんは、サメに対してどのようなイメージを持っているのか?
「サメってどんなイメージ?」の結果がこちらです。

あなたのサメに対するイメージは、次のどれに近いですか?

  • その他 (3%, 12 Votes)
  • 気持ち悪い (1%, 4 Votes)
  • 醜い (0%, 0 Votes)
  • 不味い (0%, 1 Votes)
  • 美味しい (2%, 7 Votes)
  • 小さい (0%, 1 Votes)
  • 大きい (1%, 4 Votes)
  • 美しい (16%, 72 Votes)
  • カッコイイ (49%, 226 Votes)
  • 怖い (26%, 121 Votes)
  • 可愛い (2%, 11 Votes)

Total Voters: 459

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半数近いダイバーのサメのイメージは“カッコイイ”。
その他、美しい、可愛い、などを合わせると、ポジティブなイメージを持っている人が7割近いということがわかりました。

500種近いサメのうち、ほとんどのサメはおとなしく、ダイバーたちの人気者。
世界一巨大な魚・ジンベエザメはプランクトンを食べるおとなしい性格で、伊豆半島のアイドル・ネコザメは大きな頭の可愛いサメ。
トンカチのような頭をしたハンマーヘッドシャークは、むしろ、ダイバーが追いかけ回しているほどです(笑)。

カメラを持ってジンベエザメに迫る参加者たち

人を襲いそうな種類といえば、ジョーズのモデルとなったホホジロザメ、イタチザメ、オオメジロザメ……くらいしか思い浮かびませんが、これらのサメはむしろ通常のダイビングポイントで遭遇することの方が難しいのです。

あえてホホジロザメに会いにいくダイビングスタイルもありますが、かなり海域が限られてきます。
空飛ぶジョーズ|ダイビングと海の総合サイト・オーシャナ

登山=「熊は大丈夫なの?」というのがナンセンスなのと同じように、ダイビング=「サメは大丈夫なの?」もナンセンス。
そりゃ、熊がいるところに行けば注意が必要ですが、なんでもかんでも、登山のたびに熊を恐れる登山者はいないでしょう。

サメを恐れて潜っているダイバーも少なく、ホホジロザメに会いに行くならそれなりの心と装備の準備が必要になるってことです。

今回のアンケートでも、ダイバーたちの中には「サメといってもいろいろな種類がいるので、ひとくくりにイメージできない」という声が多かったのも、ダイバーが冷静にサメをとらえている表れでしょう。

サメってほんとは可愛い!? シャークジャーナリスト沼口麻子さんに聞くサメのあれこれ | オーシャナ

ただ、“サメ=恐怖”というイメージは誤解だよ、と言っておいてなんですが、やっぱり油断は禁物です。

山と違って、海の方が流動性が高いので、外洋などで潜っていれば、ごく希にイタチザメに遭遇するなんてことも実際にない話ではありません。
そんな時、ガイドたちは慎重に回避する術を考えるのですが、カメラを構えて突っ込んでいく能天気なダイバーもいるそうです(笑)。
それでも、大抵の場合、逃げていくのはサメの方ですが……。

また、巨大ザメと一緒に潜るダイビングスタイルは特に欧米ダイバーには人気で、日本では、越智カメラマンが第一人者ですが、「相手は野生なので、もちろん慎重さは必要」と言っています。
大迫力のサメと泳ぐ!バハマ タイガーシャーク、チャータークルーズ | オーシャナ

バハマのタイガーシャーククルーズ(撮影:越智隆治)

怖い顔とは裏腹に、人を襲うことはめったにないのでこういうダイビングが可能なわけですが、相手は強靭なアゴと鋭い歯を持っています。
ちょっとしたことで大けがにつながる可能性もなくはないので、やはり、飼い犬や猫と接するのとはわけが違うのです。

伊豆半島でも、カスザメに噛まれたという話をいくつか知っていますが、「触っていて噛まれた」、「近づき過ぎてレギュをエサと間違われて噛まれた」など、ダイバー側の注意で防げたものばかり。

サメは恐怖の対象ではなく、世間のイメージは誤解が大きいと思いますが、野生である限り、また、巨大なパワーを持っているだけに、まったく安全な生き物というわけでもありません。

そういう意味では、ダイバーの中にも26%が“怖い”というイメージがあることは、とてもバランスが良いと思いました。
一ダイバーとしても、7割方はポイジティブに、3割方は油断せず、という心持ちでサメと接するのがいいのかもしれませんね。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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