旅行ライターがオススメする小笠原4つの目的別トレッキングコース

小笠原の南島の扇池

小笠原を象徴する景観といえば南島の扇池。南島には散策路が設けられ、ガイドさんと一緒に歩くことができます

先日、ダイバーの皆さんと飲んだどき「高井くんってダイバーなの?」と聞かれました。
その理由が「オーシャナで食べ物とか陸の話ばっかり書いてるから…」と。

なるほど、確かに。
ここではっきりしておきますが、僕、一応、ダイバーです。
とはいえ、バランス派なので…(笑 ここで書いているほかの方々に比べると、ダイビングの知識はヒヨコレベルですし。汗)

ということで、今回も陸の話。
しかも海からグッと上がって、小笠原のトレッキングを紹介したいと思います。

小笠原といえば、透明度抜群のボニンブルーにザトウクジラやイルカが泳ぎ、イソマグロが行き交うケーブや固有種のユウゼンが玉のように群れるなど、海の魅力は誰もが認めるところ。

さらに2011年に世界遺産に登録されてから、陸への注目度も上昇。
父島にも母島にも、自分たちで歩けるコースからガイド必須のコースまで、多彩なトレッキングコースが用意されています(小笠原ハイキングルートマップPDF)。

貴重な固有植物を見ながらののんびりトレッキングコース。
なかでも父島でおすすめのコースを紹介しましょう。

1.しっかり歩きたいなら
小港~ジョンビーチ

小笠原の小港、ジョンビーチ

きついアップダウンを経てジョンビーチへ。さすがに観光客は少なく、プライベート感たっぷりです

島の西側にある小港海岸からジョンビーチを目指すコース。
往復9㎞を4時間30分ほどかけて歩きます。

9㎞でそんなに時間がかかる?と思った方、このルート結構キツイんです。

眺めのよい中山峠を上ったと思ったら、そのままブタ海岸まで下って、さらにまた上って、また下ってという山道。

そのぶん景色も変化に富んでいるので気持ちがいい。
最後はプライベート感たっぷりのジョンビーチで開放感に浸れます。

ただ、行きも帰りもとにかくアップダウンが激しいので、きちんとした装備とたっぷりの水を忘れずに!

2.見どころ満載の絶景ルート
ハートロック(千尋岩)

小笠原の千尋岩(ハートロック)

海から見たハートロック。ガイド同行のハートロックツアーではハートの左上あたりを目指します

ハートの形をした千尋岩、通称ハートロックは小笠原の名所のひとつ。
これはそのハートロックの頂上を目指すルート。

入林許可を得たガイドの同行が必要で、固有種だらけの乾性低木林を歩きます。
植物や鳥、戦跡などガイドさんの解説が知的好奇心を刺激します。

往復8㎞で歩く時間は5時間ほど。
ガジュマルの森やサトウキビ工場跡、戦時中に使っていたトラックの残骸など見どころが多く、楽しみながら歩けるルートです。

到着地点のハートロック上から見る眺望は爽快のひとこと。
冬は眼下にザトウクジラがはねていることも多いそうです。

3.お散歩気分のゆったりルート
電信山遊歩道

小笠原の電信山遊歩道

島に暮らす人のなかにもファンが多い電信山遊歩道。尾根筋を歩く爽やかなルートですが、夏は日差しに注意!

長崎展望台から宮之浜を歩く2.7㎞のコースで、約1時間30分のショートトレッキングが楽しめます。
標高差は160mほどありますが、高台からビーチへ下っていくのであまり体力を使わないのがいいです。

尾根筋を歩きながら、スノーケリングが面白い兄島瀬戸やおがさわら丸が入港する二見港などを一望。
ところどころ休憩所があるので、お昼を挟んで歩くのがおすすめです。

ただしこれ、片道であることがポイントです。
宮之浜から長崎展望台へ上るとなると、えらくキツイ山道に早変わり。
宮之浜から大村の集落までは20分ほどなので、行きは誰かに送ってもらうといいでしょう。

4.手軽に絶景を堪能したいなら
旭山遊歩道

小笠原の旭山遊歩道

宿や食事処が集まる大村集落と二見港を一望する旭山。おがさわら丸入港に合わせて行ってみるのもよさそう

約1.6㎞、往復1時間の手軽なルートです。
標高差も70mくらいなので、ちょっと時間が空いたときに上れるレベル。
北に兄島、西には二見港、南には南島が見られます。

旭山の山頂まで登ったら、もうひと足延ばして展望台へ。
目の前に広がる二見港と大村集落はかなりフォトジェニック。

午後には逆光になってしまうので、午前中に行くといいでしょう。
ダイバーなら最終日の朝がよいかもしれないですね。

トレッキングはもちろん、海、山の遊びがたっぷり揃った小笠原。
世界遺産になった直後は観光客が増えすぎて混乱していましたが、今年は落ち着いているよう。
ゆったり流れる島はやっぱり居心地いいです。

もっと詳しい小笠原特集は『地球の歩き方 小笠原 父島 母島』をどうぞ。
2014年6月には改訂版が発売されます!

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PROFILE
ビーチリゾートをメインにしたトラベルライター。
50以上の国を訪れた経験を生かし、旅行ガイドブックや旅行雑誌などを制作している。
編集プロダクション「アトール」所属。
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