気象予報士がダイビング前にチェックする、お役立ちウェブサイト

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気象予報士くま呑みの“ダイバーのためのお天気講座”

メキシコの海と雲(撮影:越智隆治)

前回、天気予報は、「予測が簡単(=より確実)な時」と「予測が困難(=より外れる確率が高い)」時があると言いましたが、それらも含めて、私、くま呑み予報士がよく参照するサイトをお教えします。
そこで、今回は、私、くま呑みが、潜りに行くときに参考にしている情報源を大公開!
その使い方についても、お話したいと思います。

まずは、気象庁のサイトです。まさに、本家本元の本丸という感じですね。
ここには、単に天気予報だけではなくて、用語の定義などもきちんと出ていますから、より参考になります。
特に、警報・注意報などは、必ず本家のこちらを参照するのがよいでしょう。

この中でも、以下のものなどは見やすいと思います。

気象庁の天気図は、白黒でちょっと見難いという方も多いかもしれません。そういう方には、日本気象協会のサイトの方が見やすいかもしれません。

日本気象協会のサイトは、より私達の生活に密着したような情報にまとめてあります。
例えば、レジャーの天気についてもまとめてあって、その中の「海の天気」を見ると、ポイントの天気のほかに、波高や潮位なども見ることができます。

特に、潮位に関しては、大潮か小潮かといった潮まわりや満潮時刻・干潮時刻なども出ていますし、風や紫外線予報などもいっぺんに見られるので便利です。
例えば、以下は、熱海の例です。

その他、私がよく見るのは、ウェザーニューズ社のサイトであるウェザーニュース(weathernews)です。

ここは、サポーターと呼ばれる会員が非常に多くいて、その会員からの情報を集めているので、場合によると気象庁の観測網よりずっと細かい観測ができる仕組みを持っています。

特定の気象条件に特化したサイトもあります。
台風に関しては、当然気象庁なども見るのですが、特に過去のデータを参照して、比較などしたい場合は、デジタル台風のページを参照します。

こちらは、台風の情報がアーカイブされているので、一覧するのに便利です。

その他に、衛星画像を参照したい場合は、高知大学のページを参考にしています。
衛星画像は、天気図や天気予報などよりも、よりリアルタイムに情報を把握することができます。

こちらには、我々がよく見る日本付近の赤外画像だけではなくて、例えば、水蒸気量の画像や、日本の南方海上の画像など、さまざまな衛星画像が集められています。

例えば、水蒸気の画像は、湿度の高い空気が流入してきているかどうかなどを見るのに役にたちます。
同じ気温、同じ晴れの予報であっても、湿度の高い空気が入ってきているかどうかで天気の崩れやすさなどが変わります。
例えば、夏に積乱雲が発達する可能性があるかどうかも、これである程度見分けがつきます。

あと、よく参照するのは、専門天気図です。
これは、北海道放送(HBC)のページで見ることができます。

ここの天気図を使うと、自分で例えば、「この低気圧は発達するだろうか」といったようなことまで、ある程度予想ができるようになります。
しかも、丁寧に各専門図の読み方も書いてあります。

この「読み方」をマスターすると、例えば、地上天気図と上空の天気図を見比べて、低気圧の発達の可能性まで予測できるようになります。

同じように、「雨が降るでしょう」と言われても、「どんなふうに降るのか」「強くなりそうなのか、そうでないのか」「予想より早まりそうか、逆に遅くなりそうか」「低気圧や前線が原因だとしたら、それらが発達するのか衰退するのか」といったことを、上空の高層天気図や断面図を見て、ジェット気流の位置や上空の気圧の谷の位置、上空までの温度勾配などを見ることで、自分でより細かく知ることができますから、とっても安心です。

※次回は、実際にこれらのサイトをどのように活用するかをご紹介します

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PROFILE
日本気象予報士会会員。
国際基督教大学(ICU) 理学科物理卒。
1995 年 よりダイビングを始める。
外見が「熊」なダイバーなので、魚の名前に因んで「くま呑み」を名乗る。

中学の理科の授業で、先生が教卓で雲を作る実験をしてくれたのを見て以来、気象学、天文学、地学に興味を持つ。
ダイビングを始めてからも海と空を眺めるのが好きで、2002年、気象予報士を取得。

ダイビングのスタイルは、「地形派」。
ドロップオフやカバーン、アーチや地層の割れ目などを眺めるのが好き。
特に、頭上のアーチなどをくぐった先で、水面からの光が見える瞬間に萌えてしまう。

ダイビング以外の趣味は、オーガナイズド(組織)・キャンプ、合唱、キャリア
・カウンセリング。
現在は、国際基督教大学にて学生や子ども向けの組織キャンプのディレクターも
努める。
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