昔の方がよく当たった!? 天気予報の的中予報

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気象予報士くま呑みの“ダイバーのためのお天気講座”

マーシャルのビーチと青い海と空(撮影:越智隆治)

みなさん、明日は潜りに行くから「天気どうかな?」って、天気予報を見ますよね。

それでも、「あれぇ? ハズレたなぁ」ってこと、ないでしょうか。
これだけ科学が発達した時代なのに、予報はハズレるんですよね。
でも、もちろん予報はいろいろな意味で役に立ってくれます。

天気予報は明治時代に始まったのですが、そのころの予報の的中率はどのくらいだったと思いますか?
全然当たらなかったんだろうって?
いえいえ、実は、よく「当たった」のです。

日本最初の天気予報は、明治17(西暦1884)年6月1日で、その予報文は「全国一般、風ノ向キハ定マリ無シ。天気ハ変ワリ易シ。但シ雨天勝チ」というものだったのです。

うーん。これなら「当たり」ますねぇ(笑)。
「全国一般」とひとくくりにされちゃ、ね。

それから130年の間に、どんどんと天気予報は、細かくなりました。
当初は、時間間隔が1日1回だったのが、今は気象庁から、3時間おきに天気図が発表になっているほか、ナウキャストといって、5分間隔の1時間後までの降水予報も発表になっています。

また、当初は「全国一般」だったのが、今は数キロのメッシュの範囲で降水の予報を見ることができます。

結局、天気予報は、「なるべくピンポイントで」「なるべく短い時間のことを」「なるべく先まで」予測しようとする戦いなわけで、どんどんとその技術が上がってきていると同時に、その分、予測がより難しくなってハズレることも出てきたというわけです。

逆を言うなら、天気予報の「ハズレやすさ」もわかっていれば、なおさら予報を役立てることができるというものです。

また、昔、「確率予報」が始まったころには、「降水確率 何%」という言葉が聞き慣れなかった上によくハズレたので、天気予報の「的中確率 何%」などと皮肉を言われたものでした。

しかし、今では、実は本当に、天気予報の「的中率」も表示されているのをご存知でしょうか?

気象庁発表の週間天気予報のページ」には、なんと、3日目以後の天気については、「当りそうな度合い」がABCの3ランクに分けて表示されています。

Aは7割以上の確率で当たる、Bは6割~7割、Cは6割未満でしか当たらないという意味です。

これを見ると、当然、一般的には日数が先になればなるほどランクが下がるわけですが、しかし、日程が近くても「雨になるか曇りになるか微妙」などの場合には、Cがついていたりすることもあります。

このように、気象庁のサイトを見ると、「何がなんでも信じなさい」ということではなくて、正直に「自信がないよ」ということまで書いてあるのですから、我々はそれも一つの情報として計画を立てればいいですよね。

つまり、天気予報は、単に占いのように「当たるも八卦」ではなくて、「予測が簡単(=より確実)な時」と「予測が困難(=より外れる確率が高い)」時があるので、それを見分けるのが良いということです。

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PROFILE
日本気象予報士会会員。
国際基督教大学(ICU) 理学科物理卒。
1995 年 よりダイビングを始める。
外見が「熊」なダイバーなので、魚の名前に因んで「くま呑み」を名乗る。

中学の理科の授業で、先生が教卓で雲を作る実験をしてくれたのを見て以来、気象学、天文学、地学に興味を持つ。
ダイビングを始めてからも海と空を眺めるのが好きで、2002年、気象予報士を取得。

ダイビングのスタイルは、「地形派」。
ドロップオフやカバーン、アーチや地層の割れ目などを眺めるのが好き。
特に、頭上のアーチなどをくぐった先で、水面からの光が見える瞬間に萌えてしまう。

ダイビング以外の趣味は、オーガナイズド(組織)・キャンプ、合唱、キャリア
・カウンセリング。
現在は、国際基督教大学にて学生や子ども向けの組織キャンプのディレクターも
努める。
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