10年がたった1ヶ月で撮影できる海!? ~山口県・青海島のダイビングが注目を浴びるわけ~
今、ダイバーの間で流行している「浮遊系ダイビング」。
深海からあがってくる謎の浮遊系生物を観察したり、まだ体が成熟せず浮遊している稚魚を観察したり、大量のライトを沈めたナイトダイビングで浮遊系生物を観察したり……。
このようなフワフワと自由気ままに海を漂い生きる生物、浮遊系生物を見たいという、まさに、ゆとり世代ならぬ「浮遊系ダイバー」急増中といえるでしょう。
プロカメラマンをうならせる多様な生態
そんな浮遊系ダイビングで注目されているダイビングポイントといえば、山口県の青海島(おうみじま)。
ある水中写真家が言ったこの一言に青海島のすべてが集約されています。
「10年かけて撮影したものが1ヶ月で見られてしまった」
そう話すのは『日本クラゲ大図鑑』の著者である水中写真家の峯水亮さん。
「青海島に撮影に行ったのですが、普段見られないクラゲの生態シーンが青海島ではたくさん見られてしまったのです。ヘンゲクラゲが他のクラゲを食べるシーンなど、普通は時間をかけて撮影しなければいけないような貴重な生態シーンがここ青海島では驚くことに簡単に見ることができたのです。
峯水さんいわく、とにかく青海島はそれぐらい生物の種類が豊富とのこと。
海上にも海中にもそびえたつアルプス!?
山口県の北長門海岸国定公園の中心に位置する青海島(おうみじま)は、大自然が削り上げた洞門や断崖絶壁・石柱、そして、奇岩・怪岩などが数多く存在し、別名「海上アルプス」と称されています。
「海上アルプス」といわれる地形はそのまま水中にも存在し、ダイバーに人気の地形スポットになっています。
生物だけではなく、地形も面白いスポットのようですね。
ガイドに聞いた!
青海島ダイビングの3つの魅力
青海島ダイビングセンターの三好芳郁さんに青海島ダイビングの魅力についてお話を伺いました。
魅力1:いつでも潜れる
「青海島の海は、北側と南側の両方でダイビングが可能なので、一年を通してクローズすることがほぼなく、来てもらったお客様に対してダイビングを高確率で提供することができます。」
なんと、クローズする確率は1%の確率のようです。
それではダイビングポイントのオススメは?
魅力2:日本海版の青の洞窟
「一番人気のダイビングスポットが、青海島特有の奇形岩が織りなす、青の洞窟というポイントです。沖縄の青の洞窟に匹敵するぐらいのきれいな洞窟で、こちらはまだ人も少ないので洞窟の青さを十分堪能してもらえます。
うーん、、なんとも幻想的な青色です。
青の洞窟は山口県にもありました!
夕方には、夕焼けのオレンジ色の光が入ってきて洞窟の中がオレンジ色になるとのこと。
見てみたいですね。
でも、青海島の本当の魅力はこれからなのです。
魅力3:深海からの使者
「上は美術館、下は水族館、青海島はそう呼ばれています。青海島には、湧昇流が流れているので、深海から希少な浮遊性生物が上がってきます。そう、いわゆる深海生物で、去年はリュウグウノツカイもあがってきました。」
静岡の沼津も有名ですが、深海生物が見られるスポットがここにも!
なるほど、生態数が多いというのはこういう理由があったのですね。
「サメハダオオツキイカ、ヤツデイカ、オオタルマワシ、ヤサガタハダカカメガイ、ムラサキダコ、などなど。たくさんの希少生物が見られるので、たくさんの海洋写真家の方々が来てくださっています。」
実は、私も深海魚が好きで、この情報を聞いてすぐにでも潜りに行きたいと思ってます。
オオタルマワシ、、見てみたい。。
「青海島は、陸も楽しめて、水中は地形も生物も両方楽しめるスポットなのです。地形もいいですが、ぜひ、生物もたくさん見てもらいたいです。」
素敵ですね。
自然が織りなす島、自然美術館と天然水族館。
まさに写真家たちを唸らせる海。
今すぐ青海島の自然美に癒されにいきましょう!
(ライター/マンタ林典子)