将来の夢がイントラ
かれこれ7年近く「スキルアップ寺子屋」を連載している。
毎月多くの駆け込みをいただくので、とても申し訳ない話だが、
駆け込んでいただいた人のことはあまり覚えていないことも多い。
ただ、例外がある。
それは子供の場合。
単純に大人の中にあって珍しいからというのもあるが、
その多くが「将来、イントラになりたい!」という駆け込みで、
僕は決まって「がんばって」というようなことを言うのだが、
正直、「他も考えたほうがいいよ」と思う自分がいて、
いつもバランスという名の中途半端な答えになる。
以前、やはり「イントラになりたい!」というような駆け込みをいただき、
「がんばれ!」というようなことを言った中学一年生の男の子がいた。
そして、縁あって何とその子の母親とmixiでつながった。
まず、その子が来年成人を迎えるということに驚いたのだが 、(そりゃ白髪も増えるよな……)、
和尚が好きだと言っていたその少年がいろいろな苦難を乗り越え、
海の仕事ではなく、空の仕事に就くためにがんばっていると聞き、
「良かったなぁ」とホッとし、心の底から嬉しい気分になった。
今年から空の仕事の学校に通うらしいが、がんばってほしい。
しかし、これがイントラになるために学校に通うということだったら、
自分はどう思うのだろう。正直、複雑な気分だ。
こんなことを言っていいのかわからないが、
本音のところで、空の仕事の方が幸せになれると思っているのである。
大人になってしまえば、
何をやろうが「そこでがんばれ」と言うしかないが、
子供に「イントラ(ガイド)になろうよ!」と心の底から言える日は、
果たして来るのだろうか。