アルミタンクが浮きそうな気がするわけ(前編)
「アルミタンクだとダイビングの後半に浮きやすくなる」という説。
半分間違いで、半分正解だと思う。
まず、理屈で考えれば、アルミだろうがスチールだろうが、
増える浮力は、水中で吸った空気の重さの分。
ダイバーとしての浮力変化は、アルミでもスチールでも同じはずだ。
なので、アルミのほうが、水中で浮力が増えるという発想は、
基本的には間違い。
違うのは、
アルミタンクは空気を消費すると水中でプラス浮力になり、
スチールタンクの場合は、ずっとマイナス浮力のままということ。
結果、アルミタンクの場合は、背中が水面に引っ張られる感じが、
「アルミだと浮く」と感じるのだろう。
反対に、スチールタンクの場合は、背中にウエイトが乗っている状態。
浮力と重さのイメージ。汚いのは気にしない方向で。
腰に重さの集中するアルミと違い、
スチールの場合は、腰とタンクに重りが分散していることもポイント。
例えるなら、
アルミタンクの場合は、ウエットスーツにヒモをくくりつけて引っ張っている感じ。
一方、スチールタンクの場合は、ウエットスーツを鉄板で抑えている感じ。
浮力のイメージ。やっぱり汚いのは気にしない方向で。
バランスで考えるとやっぱりアルミの方がなんだか浮きそうで、
中性浮力は、まさにウエイトのバランスがポイントなのだ。
次回は、そんなバランスについてのお話でも。