【最終】潜入! はじめての体験ダイビング☆ドキュメント

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※最後はちょっとお真面目です……。

いよいよスクーバ器材を背負ってのダイビング。
座っているだけで、セッティングから背負うまで、
何から何までやってくれるのでとっても楽ちん。
体験ダイビングしかやらない人の気持ちがちょっとわかる気がする。

イントラちゃんがブリーフィングをするのだが、
先輩イントラたちが遠巻きにイントラちゃんの言動をチェックしている。
イントラちゃんの意識も先輩イントラにいくのでプッチ緊張気味。

まずは、マスククリアについて教えてくれるのだが、
デモが「あ〜、下向いちゃっているな〜」と思って見ていると(嫌な客・笑)、
すかさず代表らしき人が「上向いてって言わないと」と指摘。

続いて、レギュレータークリアを教わり、
浮力調整はやってくれるとの説明があってブリーフィングは終了。全部で5分くらい。

「息を止めてはいけないって伝え忘れてる〜」と思ったが(やっぱり嫌な客・笑)、
まあ、それは置いといて器材装着。
ウエイトは7キロ。普段、アルミだと5キロなので思ったより軽い。

いよいよ、エントリーへ。

ラダーのところへ来て、「はい、まずはあの島を見て立ち上がってください」
「次に体ごと僕の方を見てください」とイケメン君の言われたとおりにすると、
あ〜ら不思議、すんなりエントリー態勢。おお〜。
やはり、このイケメン君だけひと味違うかも。

さて、潜る前にきちんとシミュレーション。これダイビングの基本です。

え〜と、とりあえず「お尻から潜降」して、
水中では「自転車こぎ」しつつ、「手はキョンシーのように前」にしてと。

よし、これでスキルのイメージはばっちり(笑)。

エントリーし、ロープにつかまりながらお尻から潜降。
着底後、移動開始。少し給気したいが、BC操作はイントラちゃんがやるということで、
僕はシミュレーション通りスキルに集中。

僕もフィンをシャコシャコかきつつも、
首根っこつかまれながらイントラちゃんが運んでくれる。お〜楽ちん楽ちん。

ここで長年の夢を叶えてみることに。

砂の巻き上げ。

フィンを水底に向けてバタバタ。砂煙がモクモク。
お〜。やってもた。やってもーたよ、砂モクモク。俺、悪い子。ちょっと快感。
でも、ぽっくん、体験ダイバーだもーん。

イントラちゃんはオッサンが砂を巻き上げはじめたので、
首根っこつかんで少し水深を上げて移動。

それにしてもサンゴがきれい。竹富島の「3つ岩」というポイントらしい。

しばらくして、そういえば、せっかくマスククリアを教わったのでやってみようと。
こっそりマスクに水を入れると、思った以上に水が入ってきて、
コンタクトの僕は普通に焦る。すぐにマスククリアをしようと思ったが、
ブリーフィングで「マスククリアをするときは言ってください」という言葉を思い出し、
イントラちゃんにマスクを指さして「やっていい?」。俺、いい子(笑)。

その後、首根っこをつかまれながら、あっちへぶら〜ん、こっちへぶら〜ん。
なにかおかしいと思っていたら、距離を置いて見守っていたイケメン君が、
「あっちだよ」とイントラちゃんに。あ、イントラちゃん迷った(笑)。
大丈夫。最初は誰もそうだから。
それに君の最初のゲストは何をしても、まあまあ死なないから安心して。

技術的なことでいうと、ゲストの立場でわかったのは、
結構、足と足が当たってしまうこと。
きっと、イケメン君とかは、こういうところもうまいんだろうな。

少し余裕が出てきたのか、イントラちゃんは僕にクロユリハゼのペアを指してくれたり、
いろんな魚を指さして紹介してくれる。

30分ほどの体験ダイビングを終えロープで安全停止。
暇なので、いつものようにレギュを外し、バブルリングを……って、いかんいかん。
初心者が三連バブルリングを決めたら驚かれる。

ということで、体験ダイビング終了!

その後、代表の人が僕のサングラス焼けをとても気にするので、
「サ、サーフィンはグラサン焼けがハンパないというか……」とシドロモドロ。

さらに、イントラちゃんがぼそっと「何ですか? その“海から元気を”っていうリング」。

ドッキ〜ン。

そういえば、できもぐリングつけっぱだ。

「あ、いや、海から元気になりたいっていうか。
その、もらったからよくわかんないや」。

船の隅っこで、またおねむボーイに変身することに……。

下船後、送迎車の中でイントラちゃんが、
「あの指差した魚、かわいかったですね〜。珍しいんですよ」とクロユリハゼのことを。
そこで、「名前なんて言うんですか?」と聞くと「さあ……たぶん、ハゼだと思うんですけど」と。
わはははは。

ホテルに到着したのはおよそ10:30。
朝、8:00に出発したので、2時間半の体験ダイビング。

感想は……普通に楽しかったです!

って、普通に楽しんで終わっている場合ではない。

「素性がバレるか」というテーマはあくまでスパイスで、取材のテーマは、
「最安値の体験ダイビング=手抜きなのか? そして楽しめるのか」。
批判的な声もよく聞くので、では、実際に見てみようかと。

率直な感想をいえば、港から10分の素晴らしいサンゴと透明度の海でスノーケリングし、
ダイビングまで経験して2時間半でホテルに戻れるのはとても魅力に感じた。
7,980円の体験ダイビングでも十分楽しめるし、安全の確保もできていると感じた。

ただ、やはり少しシステマチックな印象も受けた。
個人ひとりひとりをケアするというより、
効率のいいシステムの中で回していくという感じ。

それがよく表れていたのが、僕の名前が最後まで覚えられなかったこと。
最後まで「お兄さん」と呼ばれ、スタッフの自己紹介もなかった。

これは「半日体験ダイビング」という、アクティビティ感覚でダイビングをしたい層が
選びそうなコースを選んだからかもしれない。
それなら最初から受け入れ側もそのつもりで、効率よくさばくという感覚もありだが、
「ダイビングへの入口」という観点はもう少しあってもいいのかなと。

また、僕は体験ダイバーとしては「できる子」(当たり前だ)。
少し説明足らずに感じたブリーフィングや説明でも、何のストレスもなく楽しめる。
これが、本当の体験ダイバーだったら、水に不安感のある人だったら、
大人数だったら、水中でトラブルが起きたら&he
llip;…
あのシステムの中でどうなるかというのは、
やはり見てみないと、まだちょっとよくわからない。

効率化にありがちなのは、「もしも」や「その先」の備えからそぎ落とすしてしまうこと。
つまり、その場1点限りを見れば万事うまくいって見えるが、
もしもの時に差が出る。ダイビングのもしもといえば事故。
そして、スタッフの丁稚で価格を抑えれば若手のその先がないし、
他店との調和が崩れればそのダイビングエリアのその先がないかもしれない。
1点だけではなく、奥行き、広がりを価格に乗せるのは結構大事だと思う。

この奥行き、広がりの部分をもう少し見てみたいし、
どういう仕組みがいいのかこれからも考えていきたい。
ということで、いずれまた、大人数の中の一人として、
講習や体験ダイビングに潜入してみようと思う。
今度は貸し切りになったり、ブログに掲載されたりしないように気をつけよ(笑)。

【番外編】
《ハッピーホリデー》に聞く”低料金の是非”
■ネタばらし編は→
こちら

今回、体験ダイビングに潜入したダイビングショップ《ハッピーホリデー》。
僕が調べた限り最も安い体験ダイビングを開催するこのお店の代表
大塚裕次郎さんに低料金の体験ダイビングについて聞いた。

Q.
他店が1万2,000〜5000円という料金設定の中、
なぜ、そんなに低料金を打ち出せるのか?

ひと言でいえば企業努力です。私は他のお店が高過ぎると思っています。
具体的な仕組みは、それは企業秘密です(笑)

Q.
ダンピングだと叩かれたりしませんか?

それは、狭い業界の中でやればたたかれますよね……。
ちょっとの失敗でも「やっぱりあそこは」と大ごとになってしまうこともあります。

ずっと海外でイントラをやってきましたが、
そろそろ日本で落ち着こうと思ったときに、
大好きな石垣島の海でお店をやろうと思った。
しかし、もともと「島で○年の経験が必要」などの決まりがあるので
協会には入れませんし、その結果、
島のフリーペーパーなどにも掲載してもらえないです。
デメリットももちろんありますよ。

でも、許可を得て、法律も守って、
何もやましいことをしているわけではないですから、
「安くて安全に楽しく」というゲストの要望を
信念を持って堂々とやろうと思っているだけです。

Q.
低価格と安全は共存できますか?

  私はスタッフの数と教育でカバーできると思っています。
体験ダイビングにしても1人のイントラに対して必ず2人までですし、
安全に関しても何もやましいことはありませんよ。
ちなみに、たまたま和尚は修行中のユッキーでしたが(笑)、
その他のイントラ3人で見守っていましたしね。

大塚さんのいうことは正論だが、衝突を生むことも容易に想像できる。
なかなか難しい問題。

「自分勝手」と「信念を通す」は紙一重であるが、
当初、オフレコでコメントをとりにいった僕に、
「感じて思ったことを記事にしてもらえばいいですし、
お店の名前も出してもらってまったく構いませんよ」とおっしゃったことを、
最後に付け加えておく。

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登録
writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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