ネットでセルフダイビングの問題

この記事は約3分で読めます。

ネット時代はダイビングスタイルにも大きな変化をもたらしている。
近年、mixiコミュなど、
ネット上で知り合った者同士が潜りに行くことも珍しくなくなった。
ダイビングやサイトを通じて知り合った者同士が交流するのは、
とてもいいことだと思う。
しかし、新たな問題も出てきているようで、
雑誌やmixiなどを通じて、僕にもこの手の相談がよく来るようになってきた。
その悩みの中で多いのが、
ネットで知り合った者同士でセルフダイビングをするケース。


自己管理のできるダイバー同士が集まり、
事前計画もしっかりできるのであれば、これほどすばらしいことはないだろう。
成熟したダイビングスタイルとも言える。
費用も抑えられるし、主体的にダイビングをすることは、
さらなるダイビングのおもしろさに気づかせてくれるはずだ。
しかし、世の中いろいろな人がいる。
いろんな問題が起きる気がする。
セルフダイビングにはリーダーと計画が必要だが、
知らない者同士では、誰がリーダーかを決めるのもひと苦労。
ガイド付きなら全員に共通のコンセンサスがある。
考えるまでもなくリーダーはガイドだ。
皆、素直に従うし、そのためにお金を払っていたりする。
リーダーが決まっても、
そのリーダーはどの程度の管理を引き受ければいいのだろうか。
コースだけ? 残圧も? 
ダイビングの力量のわかる友人同士なら計画も立てやすいが、
「はじめまして〜」の人と潜る場合はそうはいかない。
ダイビングに対して温度差がある者同士が一緒にセルフダイビングを
しようと思ったら、事前に決めることは盛りだくさんなのだ。
ある程度、組織として機能し、その辺まで考えて潜っていれば問題ないが、
届く相談を聞くと、「何となく安く潜れそうだし、楽しそう」と
気軽に潜りにいって失敗しているケースが多い。
失敗のケースで一番多いのは人間関係。
単純に気が合わなかったり、変に気をつかって遠慮してしまったり。
それは安全によいことではないかもしれない。
また、水中で行き当たりばったりの行動をして危険な目に遭うケースも多い。
そもそも「誰かについていく」という他力本願で参加する人がいたら?
事故が起きたときの責任の所在は? 
考えば考えるほど怖い。
僕はダイビングの力量も性格もわからない
初対面の人とセルフダイビングする気にはなれない。
ものすごく怖いし、どう考えても僕は楽しめる立場になれない気もする。
僕も今年はネット上で知り合った人と潜る機会が多かったが、
すべてダイビングサービスを利用した。
(あ! りーこさんはいろいろ特別ね・笑)
ネット上で知り合って潜るのはすばらしいことだと思うが、
よほどしっかりしたサークルの体をなした組織でない限り、
まずは、ネットで知り合った同士で、
ダイビングサービスを使った方が無難だと思うのだがいかがだろう?
相談を受けるたびに、そう思うのだ。

\メルマガ会員募集中/

週に2回、今読んで欲しいオーシャナの記事をピックアップしてお届けします♪
メールアドレスを入力して簡単登録はこちらから↓↓

writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
  • facebook
  • twitter
FOLLOW