世界遺産「コモド諸島」を巡るネオミクルーズで快適ダイビングを満喫!
こんにちは! 三宅健史(たけちゃん)です。
みなさんGWはどちらへ潜りに行かれていましたか? 普段お世話になっているショップさんでのんびり潜る、国内で少し遠出をして潜る、思い切って海外へ潜りに行く、SNSを見ると多くの方が日常の疲れを癒しに行く姿が見られましたね。そんな中、僕は初めての海外ダイブクルーズへ行くことを決め、コモド諸島を周遊してきました!
「ダイブクルーズ」と聞くと敷居が高い、海外の海がどれほどすごいのかわからない、言語コミュニケーションが不安、日本の海の方が安心できて楽しい、一人寂しい(笑)、などたくさん思うことがあり行けずにいました。しかし、今回思い切って行こうと思ったのは、ダイバーとしてダイブクルーズに乗ることが「昔からの憧れ」だったからです。とてもシンプルですね。多くの不安もありましたが、結局憧れてやってみたいことには敵わなかったです!
僕はダイブクルーズに参加して、世界の海の一角を感じることができ、まだまだ知らないことを自分の目で見たいと素直に思いました。この記事を読んで一人でも同じ思いになってくれたら嬉しいです。そしてみなさんが行かれるときの事前情報が増えるように、コモド諸島ダイブクルーズの海編、クルーズ/陸編の2本立てでお届けできたらと思います。
まずは海編!STW(エス・ティー・ワールド)さんのネオミクルーズに乗りコモド諸島を周遊してきました。
アジアの秘境!コモド諸島とは
コモド諸島と聞くと、とある番組で一躍有名になった「地球上最後の恐竜」といわれるコモドドラゴンがいるところ? という前情報くらいで、島のことはもちろん、海のことはまったくと言っていいほど知りませんでした。
コモド諸島は、約2,500㎢に広がる大小100ほどの島々からなり、1991年に世界遺産登録されました。北は太平洋、南はインド洋という2つの海流が混ざり合う海峡にあり、生き物も北と南ではまったく異なる表情を見せてくれます。マンタをはじめ、ナポレオンフィッシュやロウニンアジなどの大物やさまざまな種の魚影からカラフルな魚の群れ、まだまだ手付かずなサンゴエリアもありマクロ生物ももちろんたくさん! ダイバーを魅了する贅沢要素が詰め込まれており、5日間潜っても常に新しい発見があり心が追い付かなかったです!
憧れの秘境を贅沢快適なネオミクルーズで過ごす旅
今回は、4月27日から5月4日のSTWさんのツアーでネオミクルーズに乗船しました。僕はツアーというものに参加したことがなく、知らないダイバーさんと一緒に過ごすことに心が少しソワソワしていました。みなさんもどのような方と一緒に時間を過ごすのか気になりますよね? 今回ほとんどの方が一人での申し込みなので、皆さん初めましてからのスタートでした。クルーズに乗るなら友達と! と考えてたのですが、海をこよなく愛するダイバー同士、会話には困らないしすぐに仲良くなってしまうものですね。ダイバーって素敵だなって心底思いました。
さて、今回のコモドクルーズの気になる日程をざっと紹介して見どころな海を僕視点でご紹介できればと思います!
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■1日目(4/27)
成田→インドネシア バリ島 デンパサール空港へ
空港近くのホテルで1泊
■2日目(4/28)
早朝、国内線でデンパサール空港からラブアンバジョ空港へ
空港近くの港からネオミクルーズへ船で数分移動
・#1 DIVE @SABOCIL (14:30-)
・#2 DIVE @SABOSAR (18:00-)
■3日目(4/29)
・#3 DIVE @CASTLE ROCK (07:00-)
・#4 DIVE @CRYSTAL ROCK (11:00-)
・#5 DIVE @SHOTGUN (15:00-)
・#6 DIVE @SPANNIS SLOPE (18:00-)
■4日目(4/30)
・#7 DIVE @MANTA ALLEY (07:00-)
・#8 DIVE @MANTA ALLEY (10:00-)
・#9 TRACKING KOMODO (14:00-)
・#10 DIVE @PINK BEACH2 (18:00-)
■5日目(5/1)
・#11 HICKING PADAR (05:30-)
・#12 DIVE @BATU BLOLONG (10:00-)
・#13 DIVE @BATU BLOLONG (14:00-)
・#14 DIVE @GOLDEN PASSAGE (16:30-)
■6日目(5/2)
・#15 DIVE @TATAWA SLOPE (07:00-)
・#16 DIVE @COLD DREAM (10:00-)
・#17 BAT WATCHING (17:00-)
・#18 BBQ (19:00-)
■7日目(5/3)
ネオミクルーズを出発 (07:30-)
国内線でラブアンバジョ空港からデンパサール区空港へ
バリ観光(自由行動)
深夜フライトでデンパサール空港から成田空港へ
■8日目(5/4)
成田空港到着、解散
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ポイント名と位置は上のマップを見ていたければと思います。コモド諸島を北から南へ船が移動していることがわかりますね。船がとても大きいので移動の時の揺れがあまりなく、気づいたらかなり移動していた! なんてことが旅中何度もありました。僕はかなり船酔いしやすい体質なのですが、大きい船の移動は揺れが少なく快適でした。ネオミクルーズ様ありがとうございます!!(感動泣き)
コモド諸島を北から南へ縦断! 絶対に外せないワイドポイントおすすめ3選
圧倒的な魚種と群れがおりなす自然界の美しさを堪能 (#3@CASTLE ROCK)
北エリアにある人気ポイントの「CASTLE ROCK」。カレントが入ってくるので少し泳ぐエリアはあったものの、圧倒的魚影の濃さ、多くの魚種がダイバーたちを楽しませてくれます。
ここではヒラニザがかなりの数で纏まり、地面近くで群をなしている光景が圧巻でした。そして朝一の太陽がキラキラと差し込み、魚影がシルエットとして美しかったですね。
中層ではウメイロ類やタカサゴといった数多くの種が海中を埋め尽くし、それを狙うロウニンアジがハンティングを試みる光景も見られます。生物たちの命のやり取り、自然の美しさとリアルを感じることができますね。ずっと観察していると感情移入してしまい、「がんばれロウニンアジー!! 逃げろウメイロー!!」なんて応援している僕がいました(笑)。
僕はあまり大物を追いかけることがなく、どちらかというと癒し系ダイビングが多いのですが、このポイントは大物好きは絶対に満足できるようなポイントだと思います!
秘境の地で心を海へ委ねる至福の時間 (#12-13@BATU BOLONG)
北から少し中部方面へ南下すると、洋上にそびえ立つ楽園の根が癒しを求めるダイバーを待ち受けています。コモドへ来る前からたくさんの方に「BATU BOLONGはたけちゃんが絶対に大好きなところ!!」と教えていただいていました。こういう情報は本当に嬉しいですね。実はインドネシアは、世界のサンゴの半分以上の種類が生息するといわれるコーラルトライアングルに属しており、サンゴも好きな僕にとって一石二鳥のポイントでした。
僕はハナダイとサンゴばかり見ていましたが、ナポレオンフィッシュやホワイトチップシャーク、ロウニンアジなど大型の回遊魚もたくさんいました。ここは根の端から出ると非常にカレントが強いので絶対にガイドより前に出ないでくださいとブリーフィングがありました。コモド諸島でのダイビングは全体的にカレント管理がしっかりされているイメージでした。ルートは青い線の通り、下から根に沿って上へじぐざぐ上がってくるという感じで、他のチームとすれ違い、混ざり、一体感も出て楽しかったですね。
根の下の方では壁一面にカラフルな世界が広がり、そこで休むカメがとても愛おしく見えました。
中層から浅場に来ると、広大なサンゴ礁に住むハナダイたちが舞い踊り、ダイバーを癒しの世界へ誘ってくれます。浅場のハナダイは、日本で見られるキンギョハナダイとアカネハナゴイに加え、日本で見ることができないハナダイ・Threadfin Anthiasもたくさんいました。赤色に加え、黄色のハナダイが加わると更に絵に色が加わって最高ですね、本当にたまらないです。
この光景に心癒されすぎると、海から出たくなりますよね。渋々上がる準備のため浅場へ向かうとキンギョハナダイの大乱舞が待っていました。ここのキンギョハナダイは個体の色が日本の子より少し赤が濃く、密度も濃く圧巻でしたね。
ここはビギナーからベテランまで幅広い層が楽しめると思いますので、是非一度は行ってほしいポイントでした。
あらゆる方角からお出迎えするマンタたち (#7-8@MANTA ALLEY)
最後に紹介するのは南部のマンタエリアとなります。水中にある根はクリーニングステーション(※)になっており、その周りをマンタが周遊しています。またダイビングが終わり水面に戻るとマンタの捕食シーンも見れたので、ここは捕食ポイントにもなっているようです。僕たちが行った5月上旬はちょうど雨季が終わり、乾季に切り替わる時期でベストシーズン入りするタイミングでした。ただ、まだ雨季の名残があり、透明度が10mほどで視界は期待より落ち、水温も22度でした。北部はどのポイントも28度くらいあったのでかなり変わりますね。ブリーフィングでは、写真向かって右側の砂地でマンタ待ちをし、あまり出なかったら左側へ根を越えて水路方面へ向かうとブリーフィングでありました。当たり前のようにマンタに会えるとブリーフィングで話をしていましたが、心の声では「またまた~当たり前なんてないでしょう~」という気持ちも少しばかり抱えて海へ向かいました(笑)。
※クリーニングステーション:マンタが身体についた寄生虫を小魚に食べてもらうために来る場所
疑ってごめんなさい。砂地で着底して待つとすぐさま1枚から3枚とマンタが四方八方からお出迎えしてくれました!
砂地でしばらく観察した後は、根を越えて水路方面へ進みましたが水路の潮が速そうだったので途中で止まり、根回りでマンタ待ち。するとマンタのメスをオスが追いかける求愛トレインが始まりました!! まったく予期していなかったので大興奮でしたね!
他のチームはブラックマンタも数枚見たようで更に大興奮でした! え? 僕は? って? 根の上をすーーーっと泳いでいく子を遠目で見ただけでした。え? 持ってないって? そうですね…(笑)。ラッキーチームがうらやましかったです! ここコモド諸島では約10枚に1枚がブラックマンタの割合らしく、出会える可能性は非常に高いと言えます。是非僕の代わりに写真を撮りに行かれてください! そして優しい人は写真を見せてください。お待ちしていますー!
色鮮やかな海とともに生きる小さな命たち
海外と言ったら大物狙い!! 確かに気持ちはわかります。しかしですね、マクロもおもしろすぎました! コモドの海は色鮮やかなホヤやウミシダ、カイメンが多いので、素敵なシチュエーションが多く被写体に困りませんでした。マクロ派のダイバーさん、お待たせしました。きっとあなたも壁に張り付いて動かなくなること間違いなしなマクロの世界もご紹介いたします!
ピンク色のサンゴにちょこんと乗ったBATH’s CORALBLENNY。個人的にカエルウオが好きで、狙っていた生き物の一つだったので見ることができて嬉しかったです。(#14 DIVE @ GOLDEN PASSAGE)
かわいらしいホヤもたくさんいました。生物と絡めて撮るのもいいですけど、ホヤ単体をちゃんと撮ってみると新しい気づきがあるかもしれないですね。パンダみたいな顔したホヤを見つけました。上の生えモノが笹みたいに見えて動物園で見る一コマみたいだなーと思い撮りました。(#14 DIVE @ GOLDEN PASSAGE)
そして忘れちゃいけない、Threadfin Anthias。日本でいうキンギョハナダイの立ち位置で、こちらでは普通種なのであちこちで見ることができます。写真向かって左が雌で右が雄となります。(#14 DIVE @ GOLDEN PASSAGE)
そして海の様子ががらっと変わる夜の世界へ。綺麗なピンク色のホヤだなーと思いつつよく見ると、ワレカラの大家族がそこにいて、上でヨコエビが寝ているではないですか。情報量が多い一枚だなーと思いながら撮影しました。(#6 DIVE @SPANNIS SLOPE)
夜になると活発化するウミシダ、その中で生きる小さなイカも見つけました。夜の海の共生を覗き見た気がして少し嬉しい気持ちになりました。(#6 DIVE @SPANNIS SLOPE)
そして別日に有名なピンクビーチポイントへ。ポイントはいくつかあるみたいですが、今回は砂地ポイントでナイトダイビングでした。砂地に埋まって隠れているミミイカ。砂から出ると頭の上にちょっと砂が乗っていてかわいらしいですね。(#10 DIVE @PINK BEACH2)
この子も砂に身を潜めていました。
ウミエラや他の生えものもたくさんありました。
こんな生えものと絡んだシチュエーションないかなーと探していたら、生えものを身に着けたおしゃれなカニに遭遇しました。個人的に結構ツボでした。夜に活発化する生物は本当に不思議ですね。擬態しているつもりなのでしょうか。
マクロ編いかがだったでしょうか。カラフルな華を添えた小さい生き物たちの日常から、甲殻類に軟体動物といったおもしろい生き物に出会えるコモドの海は、マクロ派のあなたも全力で楽しませてくれること間違いなしですね! ちなみにのんびり撮影したい方向けには、プライベートガイドもありました。1チーム当たり55ドル、5泊6日の場合は計330ドルの追加費用でガイドを独占、ゆっくりと撮影ができます。もちろん、ダイビングスキルに不安がある方にもおすすめなプライベートガイドとなっています。
ダイブクルーズという特別な旅は、僕にとって貴重な体験となり忘れられないものになりました。ずっと憧れていたものを憧れのまま終わらせず、また違う形で新しい扉を開いてくれたことに感謝しています。きっとあなたもダイブクルーズなんて敷居が高い、難しいと思っているかもしれませんが安心してください。このネオミクルーズとスタッフ、そして一緒に過ごすダイバーさんがあなたの素敵な思い出を一緒に作ってくれます!! 是非、ジャイアントスライドエントリーのように思い切って一歩海へ足を踏み出してみては?あれ、うまいこと言いましたかね(笑)。
8/10からのコモド諸島ネオミクルーズではあのUnderwater Creator茂野氏が乗船するようなので、是非お盆の予定がまだ決まっていないあなた! 一生の思い出を作りに行かれてみてはいかがでしょうか。
ご一緒されたダイバーの皆様、楽しい時間をありがとうございました!
それでは海編は以上となります。次は気になるネオミクルーズの紹介や陸観光編をお届けしますのでお楽しみにー!!
取材協力:STW(エスティーワールド)