OM SYSTEM『Toughシリーズ』で撮る! 水中ワイド撮影のコツとおすすめアクセサリーを徹底解説
長ければ長いほど良いです。遠くに行くほど光は広がるので、なるべく後ろの方から当ててあげたほうが良いんです。
確かに、ものすごく長いアームを使っているプロカメラマンさんも多いですね…。
よく初心者だと、光が当たらないなと思って、フラッシュを前へ前へと出してしまうことがあるんですが、そうするとむしろ光が当たりづらくなってしまうので注意です。
長くして下げれば下げるほど光が弱まることはないんですか?
もちろん3mくらいのアームを使えば弱まるかもしれませんが、フラッシュの光は強いのでこの程度では問題ないですよ。
アームを最大限に伸ばす
カメラ本体から45度くらい後ろにフラッシュを配置
フラッシュの向きはレンズに並行
これが基本ですね。
はい。地形や被写体の位置に合わせて動かすことはありますが、ワイドで景色を撮るならまずはこの基本を覚えましょう。
ワイドコンバージョンレンズを水中に入ってすぐつけ外しする
ワイドコンバージョンレンズの装着は簡単です。「UWL-400A ワイドアングルコンバージョンレンズ 0.5X」はそのままTGの防水ケースにつけることができます。さらに、クイックリリースシステムアダプター(QRS-01-AD3)と、マウントベース(QRS-01-MB1/MB3)を装着すればより簡単に着脱ができます。
何か注意点はありますか?
水中に入ったら、撮影を始める前に、一度ワイコンを外して、防水ケースとの間に入った空気を出して欲しいんです。
「ゲップ」させる感じですね!
そうなんです。そうすると空気が写り込んでしまうので、必ず空気を追い出してから撮影を始めてください。
水の中でワイコンを外して、防水ケースとの間に溜まった空気を排出する
それから、ワイコンの外側にも入水時に泡がつきやすいので、手で払ってから撮影しましょう。
レンズの外側についた泡を出て払ってから撮影する
おすすめアクセサリーとプロ直伝のコツを活用した
水中ワイド撮影実践編
さて、それでは水中ワイド撮影実践編。今回のロケ地は沖縄本島の北部にある今帰仁村と渡名喜島。そう、一度のロケでは満足のいく結果とならず、二回撮影してきました(笑)。反省点も含め、実践レポ、お伝えしていきます!
動かない被写体からチャレンジ
①魚礁とサンゴとツバメウオ
はじめに撮影したのはこれ。
そう。魚礁です。
ではなくですね…実は、この魚礁の中をロウニンアジがぐるぐると泳ぎ回るというポイントで、それを狙おうという魂胆でした。
ロウニンアジがこんなに群れていて、しかも魚礁の中を泳ぎまわるなんてー! と興奮しつつ、再度この場所にロウニンアジが戻ってくるのを待つ。しかし、この姿が見られたのはエントリー直後だけ。そのあとは狙った場所にロウニンアジは現れてくれず、魚礁の外側をたまに泳いでくれる程度でした。
アームを伸ばしたりワイコンをと防水ケースの空気を抜いたりと、水中で色々していたらエントリー直後のチャンスを逃したので、普段から準備に慣れておく必要を感じました。さらに、思ったところに生き物は来てくれないと、水中ワイド撮影チャレンジ一本目で痛感させられました。
とはいえ、何か撮らねばと辺りを見渡すと、魚礁の上に生えたサンゴの上を、ツバメウオがふわふわと泳いでいるではありませんか。
撮影モード
水中ワイドモード
露出補正
なし
フラッシュ補正
-0.3
ホワイトバランス
標準
絞り
AUTO/F3.2
シャッター速度
AUTO/1/80
ISO感度
AUTO/200
人工物の上に出来上がりつつある生態系。不思議なものだなあと思い、魚礁とサンゴと生き物全体が映るように撮影しました。光をツバメウオにも綺麗に当てたかったのですが、なかなか距離を詰めることができず、サンゴと手前の小魚のみにフラッシュが当たっています。
清水さんにアドバイスを求めたところ、「奥行きが深い構図では、フラッシュ光を奥と手前に均一照射させるのは無理があります。この場合ツバメウオにフラッシュ光を当てるのであれば、手前のサンゴに光が当たりすぎないように、サンゴの左側に回り込む作戦と少し水深を上げて俯瞰気味に撮影することで、テーブルサンゴとツバメウオの距離を同じくらいにすることが可能になります」とのこと。