OM SYSTEM『Toughシリーズ』で撮る! 水中ワイド撮影のコツとおすすめアクセサリーを徹底解説
ダイバーに人気のOM SYSTEM(旧オリンパス)のコンパクトデジカメ「Tough」シリーズ(以下、TG)で素敵な写真を目指す本企画。水中ワイド撮影をテーマのシリーズ第3回目も、オリンパスの頃から開発アドバイザーや作例撮影を担当する水中写真家・清水淳さんに、設定や撮り方を徹底解説していただきます。
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▶︎OM SYSTEM『Toughシリーズ』で撮る! 水中マクロ撮影のコツとおすすめアクセサリーを徹底解説
それでは、今回も清水さん、よろしくお願いします〜〜〜!
TGシリーズでマスターする!
水中ワイド写真の考え方
水中ワイド写真の考え方
①水中の景色を広い範囲で捉える
そもそも水中のワイド写真ってなんですかみたいなところからお聞きしたいのですが。
水中における広角の写真のことを指します。広い範囲を写すことで、自然の景観や、自分が綺麗だなと感じた光景をより伝えやすくなります。
広範囲を写すことで、自然や景色の美しさを表現しやすくなる
自分が綺麗だと感じた景色を伝えるというと、たとえばどんなイメージでしょうか?
ダイビング中に、各ポイントでの一番の見どころではなくても、「あ、この景色綺麗だな、好きだな」って思う時ありませんか? その時に、どこが綺麗、好きだと思ったかを考えて、それを表現するんです。
この沈船を斜めから見ると主砲が強調されてかっこいいな、とか、サンゴ礁に光の波紋が入って色が綺麗だな、とか、そんな感じですかね。
そうですね。各ポイントの綺麗な 写真はガイドさんが大抵持っていますので、はじめは連載①でもお伝えしたように、とにかく真似をしましょう。そこから、自分が伝えたいものや感動したものは何かなと考えて撮ることが大事です。
まずは真似して、感動したポイントや伝えたいことを考えて撮影する
オーバーハングした場所や洞窟っぽい場所が好きで、ここのオーバーハングにも美しいシーンを見つけました。暗い場所が好きな赤い魚たちがいっぱい群れていてこの魚たちをうまくブルーのバックに描けたらかっこいいなぁ!って。
普通にオーバーハングに入って行って魚の群れを見つけてそのまま撮ったらバックはブルーにならずに岩だらけのバックになります。しかし行き止まりまで進んでいって、その場で反転して出口を見るとブルーのバックになるんですね。
後は、魚たちにフラッシュ光を満遍なくしっかり当てて上がれば真っ赤な魚の群れが出来上がります。バックのブルーの青の調整は、露出補正でお気に入りのブルーの濃度に調整します。この間できるだけ息を吐かないのが、浮遊物を少なくするコツです。(笑)
水中ワイド写真の考え方
②アングルによる違い
ワイドでは構図ももちろんですが、アングルによっても大きく印象が変わってきます。俯瞰・正面・あおりの3パターンを覚えておきましょう。
こういう時はこのアングル! という定番みたいなのはありますか?
例えばですが、砂紋を綺麗に写すなら順光でやや俯瞰の中央の撮り方です。煽りすぎない、俯瞰すぎない角度で。砂紋がどこまでも続いていく様を写したいです。
表現したいものをどのように写したいか考えてアングルも決めるんですね!
俯瞰、正面、あおり3つのアングルを表現したいものに合わせて使い分ける
水中ワイド写真の考え方
③陸との違いを知る
自分が感動した光景をそのまま撮影しても、なんか物足りない気がしてしまうのですが…。
陸と水中では光の屈折率が異なり、元々のカメラの画角よりも25~30度ほど狭くなってしまいます。人間の目で見るよりも遥かに狭くなるため、物足りなさを感じるのではないかと思います。
陸よりも画角が狭くなることを理解しておく
確かにそうかもしれません。他にも、陸との違いはありますか?
当然ですが水中なので、被写体とカメラの間に水があります。なので、水が濁っていればはっきり写せないですし、透視度が良くない時も被写体に近づかないと、ぼんやりしてしまいます。
広い範囲を撮影したいのに、被写体に近づかないといけないというのは難しいですね。
カメラと被写体の間には水があるので、透視度が悪い時はなるべく被写体に寄る必要がある
良い水中ワイド写真を撮るために必須のアクセサリー
必須アクセサリー
①ワイドコンバージョンレンズ
被写体に寄りたいけど、広い範囲を撮影したい。そのために必要なアクセサリーがワイドコンバージョンレンズ(以下、ワイコン)です。装着することで、本来のレンズの画角を広げてくれます。
画角を広げるので、被写体に寄っても広い範囲が撮影できる
「ワイコン」ってよく聞くやつですね! どういったものがおすすめですか?