OM SYSTEM『Toughシリーズ』で撮る! 水中ワイド撮影のコツとおすすめアクセサリーを徹底解説

動かない被写体からチャレンジ
②イソバナ

2本目からは、確実に撮影できそうな、あまり動かない被写体に狙いを定めていきました。

真っ赤なイソバナです。

撮影モード

水中ワイドモード

露出補正

-0.3

フラッシュ補正

-0.1

ホワイトバランス

標準

絞り

AUTO/F3.2

シャッター速度

AUTO/1/250

ISO感度

AUTO/100

このドロップオフにはハードコーラルは生えているもののイソバナはほとんどなく、ポツンと一個体だけ生えているのが印象的でした。赤色が綺麗に出るように、しっかりと寄って光を当てました。後ろにダイバーがちょうど入ってきたので、遠近法でイソバナと太陽とのバランスを見ながら撮影しました。後から見ると、もっとイソバナに寄って、下のスペースをなくしても良かったなと思います。

動かない被写体からチャレンジ
③ハナビラクマノミ

次にチャレンジしたのは、イソバナからさらに先の方にいったところで出会ったハナビラクマノミ。

撮影モード

水中ワイドモード

露出補正

-1

フラッシュ補正

±0

ホワイトバランス

標準

絞り

AUTO/F3.2

シャッター速度

AUTO/1/640

ISO感度

AUTO/100

大きいイソギンチャクにくっついてるなーと、なんとなく俯瞰で撮影していましたが、光がうまく当たらない。そこで、清水さんにカメラをパスしたところ、イソギンチャク全体に当たるように、フラッシュの位置を変えてくれました。基本の位置にこだわりすぎていたが、光を当てることが目的なので、都度変えたらいいんだと改めて理解できました。

フラッシュの位置を基本の位置から移動させてイソギンチャクに光が当たるようにした

なんとなく慣れてきたところで、カメラアングルを俯瞰からあおりに変えてさらに撮影。

撮影モード

水中ワイドモード

露出補正

-1.3

フラッシュ補正

±0

ホワイトバランス

標準

絞り

AUTO/F9

シャッター速度

AUTO/1/160

ISO感度

AUTO/100

少し光の当たり方にむらがあるように見えます。フラッシュの位置を変えるのと、フラッシュ補正を上げてもう少し被写体を明るくしても良かったかもしれません。ですが、構図やアングルは個人的にはこちらの方が気に入っています。青い海が後ろに入ることで奥行きが出せたかなと思います。

俯瞰とあおりで撮る
カスミチョウチョウウオの群れ

ここからは渡名喜島。ここにはカスミチョウチョウウオが群れている場所があり、そこでまずは撮影しました。やっぱり動く被写体でさらに群れは難しい。カスミチョウチョウウオの動きを見ながら、固まりそうなところを狙って何度も撮影。俯瞰とあおり、それぞれで撮影したものがこちら。

撮影モード

水中ワイドモード

露出補正

±0

フラッシュ補正

+1.3

ホワイトバランス

標準

絞り

AUTO/F3.2

シャッター速度

AUTO/1/160

ISO感度

AUTO/100

撮影モード

水中ワイドモード

露出補正

±0

フラッシュ補正

+1.3

ホワイトバランス

標準

絞り

AUTO/F3.2

シャッター速度

AUTO/1/125

ISO感度

AUTO/100

青い海に黄色と白の体色が映えて美しいカスミチョウチョウウオ。俯瞰の方は黄色と白が綺麗に出たが、青みがもう少し明るい方が好みなので、露出補正を上げたいところ。逆にあおりの方はカスミチョウチョウウオの色があまり出ていないので、光をもう少し当てるか、フラッシュ補正をあげるべきだったのか。もしくはあおりはそもそも逆光なので向いていないのか。自分が吐いた泡まで写っています。まだまだ改善できる点が多々ありそうです。

被写体へのアプローチを意識して撮影
①カラフルなキンギョハナダイとイソバナ

渡名喜島のこのポイントにはオレンジ色のキンギョハナダイや紫色のハナゴイも群れている。ちょうど潮が当たってイソバナのポリプが開いていたので、その周りを泳ぐキンギョハナダイという華やかな絵を狙って撮影。はじめはイソバナの前で止まって撮影をしていたが、キンギョハナダイがどうしても逃げて行ってしまう。

撮影モード

水中ワイドモード

露出補正

-0.3

フラッシュ補正

+1.0

ホワイトバランス

標準

絞り

AUTO/F3.2

シャッター速度

AUTO/1/320

ISO感度

AUTO/100

イソバナの色は綺麗に出たが、周りを泳いでいるキンギョハナダイたちは遥か後ろの方を泳いでいる。これでは海の中で見られる華やかさは表現できていない。そこで、少し離れてみるとキンギョハナダイが元の場所に戻ってきて、イソバナの周りに群れ出した。そこを狙ってゆっくり近づいて撮る。これを何度か繰り返して、撮れたのがこちら。

撮影モード

水中ワイドモード

露出補正

-0.3

フラッシュ補正

+1.0

ホワイトバランス

標準

絞り

AUTO/F3.2

シャッター速度

AUTO/1/320

ISO感度

AUTO/100

イソバナの周りを舞うキンギョハナダイの華やかさを初めよりは表現できたのではないでしょうか。ただ、イソバナが今度はものすごく遠くに行ってしまったので、こういう時はトリミングです。

先ほどよりはイソバナの周りを舞うキンギョハナダイがわかりやすくなったのではないでしょうか。生き物の動きをよく観察して近づくことの大切さを実感しました。

今回は清水さんから伝授していただいたコツとアクセサリーを使って、今までよりもグッと良いワイド写真に近づいたのではと思います。さらに、実践することで、被写体へのアプローチや何を表現したいのか、生き物はどのように動くのか、それを気にしながらサンゴを蹴らないように…など、考えるべきことにたくさん気付かされました。そして…OM SYSTEMのミラーレス一眼が欲しくなりました(笑)。

「#TG水中写真」でSNSに写真をシェアしよう

本シリーズはこれが最終回! 清水さん、本当にありがとうございました。今回の連載がTGユーザーの方々のバイブルとなり、もっと写真を楽しめるきっかけになったら嬉しいです。ぜひ一緒にレベルアップしていきましょう。

そして、連載が終わってもみんなでTGでの撮影を楽しみたいので、TGで撮影をされたダイバーの皆様は、ぜひ「#TG水中写真」をつけてインスタグラムやXに投稿してください。同じTGユーザーのダイバーにシェアして、みんなで楽しみましょう!

▶︎OM SYSTEMコンパクトデジタルカメラ「Toughシリーズ」の詳細はこちら

清水(しみず) (じゅん)
清水淳
1964年埼玉県生まれ。水中写真や海辺の風景を撮り続けている。執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。 また、水中撮影機材の研究開発にも携わり、水中撮影モードや水中ホワイトバランスの開発アドバイザーも務める。1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングとテスト撮影を務めた。カメラ機材に精通し、機材の特性を生かす能力が評価され、水中撮影アクセサリーメーカーのアドバイザーやテスト撮影の要望も多い。執筆活動では、水中撮影機材の解説や撮影の仕方、楽しみ方の記事をPADI Japan/デジカメ上達クリニック、マリンダイビングウェブ、オーシャナ/カメラレビューで現在連載中。マンツーマン撮影教室で一般アマチュア写真家のサポートも行う。公益社団法人日本写真家協会会員。
▼公式ホームページ
https://shimizu.marine-p.com/

▼清水氏の人気連載はこちら
ミラーレス一眼 水中撮影徹底ガイドby清水淳

Sponsored by OMデジタルソリューションズ
OMデジタルソリューションズは、オリンパスの映像事業を継承し、「人生にもっと冒険を」をブランドタグラインに掲げるOM SYSTEMブランドで、高い耐久性と機動性を兼ね備えたカメラシステムをはじめとする映像製品を展開。アウトドアや水中撮影で圧倒的なパフォーマンスを発揮し、ダイバーや自然写真愛好家が海や自然の魅力を鮮明に記録する体験を提供している。

\メルマガ会員募集中/

週に2回、今読んで欲しいオーシャナの記事をピックアップしてお届けします♪
メールアドレスを入力して簡単登録はこちらから↓↓

登録
writer
PROFILE
IT企業でSaaS営業、導入コンサル、マーケティングのキャリアを積む。その一方、趣味だったダイビングの楽しみ方を広げる仕組みが作れないかと、オーシャナに自己PR文を送り付けたところ、現社長と当時の編集長からお声がけいただき、2018年に異業種から華麗に転職。
営業として全国を飛び回り、現在は自身で執筆も行う。2020年6月より地域おこし企業人として沖縄県・恩納村役場へ駐在。環境に優しいダイビングの国際基準「Green Fins」の導入推進を担当している。休みの日もスキューバダイビングやスキンダイビングに時間を費やす海狂い。
  • facebook
  • twitter
  • Instagram
FOLLOW