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ソロダイバーコースで自立マインドを学ぼう閲覧無制限

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一般的に、バディと一緒に潜るレジャーダイビングとは違い、その名のとおり1人でダイビングをすることを指す“ソロダイビング”。1人で潜るということは、もちろん危険をより伴うため、確かな経験とスキルが必要となってくるが、安全に行うためのトレーニングを実施する、「ソロダイバーコース」がダイビング指導団体SDIから提供されている。

レジャーダイビングを楽しむ方にとっては一見無縁のものと感じられるかもしれないが、はぐれてしまったり、撮影のためにバディと少し離れているような状況も、ソロダイビングの状況に近いのではないだろうか。

実際、SDI代表の加藤さんによると、「アドバンスランク以上で100ダイブ以上の経験を積んだダイバーにはぜひ参加してほしい」というものらしい。そこで今回は、このソロダイバーコースとは一体どんなものなのか、なぜ推奨されるのかを深堀っていきたい。

ソロダイバーコースで学べること

潜水計画の立て方、ソロダイビングの利点や危険性といった、バディなしで潜るための知識はもちろん、必要な機材や適切な使用方法や組み立て方など、具体的なスキルを習得できるのが「ソロダイバーコース」。

その説明をきくと、ソロダイビングを行う上では重要なのは、知識やスキル、そして機材的な部分が大きいと感じる。もちろんそうなのだが、実はそれ以上にこのコースで大事にしているのは、“マインド”だという。

潜りたいという気持ちに推され、体調を無視してダイビングをしたり、他人のアドバイスを聞かずプライドが先行して無理なダイビングを行えば、潜水事故の危険性は自然と高まる。潜水事故を起こさない安全なソロダイバーになるためにも、ダイビングごとに自分の能力を正しく評価し判断できるマインドが備わっていることが望ましいと考えられているからだ。そのような厳格に設けられた基準をベースに、知識とスキル、ソロダイバーに必要なマインドを学ぶことで、自立したダイバーを目指せるコースとなっている。

なぜ100本以上のダイバーにソロダイバーコースを推奨するのか

このコースを提供するSDI代表の加藤さんに、その想いや背景を伺った。

加藤さん:こんにちは。SDI TDIの加藤大典です。なぜダイバーのみなさんにSDIソロダイバーコースを強く推しているのかお話ししたいと思います。

TDI

加藤さん:結論からいいますと、ソロをやらない人がソロのトレーニングに参加してみると、俯瞰して自分のダイビングを自己評価することができるからです。これには大きな意味があります。

自己評価するために必要な「依存」という概念

加藤さん:まずは依存について考えてみましょう。依存ダイバーを否定する意見もあるかもしれませんが、依存ダイバーの定義は人によって解釈の違いがあると思います。そして、依存自体を認めることは大切だと思っているということを前提にお話を進めさせていただきます。

なぜなら、どんなダイバーもダイビングをひとりで完結することはできません。極端な話ですが、沖合のボートポイントに潜るには、使いやすいダイビングボートやキャプテンの存在なくして安全なダイビングは行えません。つまり誰もが何かしらに依存してダイビングが成立しているということです。なによりも潜ること自体、器材に依存しています。

重たいものを運ぶ力のない人はポーターに、その海に詳しくなければ現地ガイドさんに依存すればいいと思います。自身では不足するところが、依存すべきところということを理解しているからこそ、安全にダイビングを楽しむことができるのです。

加藤さん:しかし、オープンウォーターダイバーの基準となるスキルや知識が足りていないのに、その部分を当たり前に誰かに依存しているのなら正しくないと我々は考えています。この場合は、体験ダイバーレベルであることを受け入れてくれるプロフェッショナルの管理の下でダイビングを楽しむべきではないでしょうか。

前提として何かに依存する必要があるということを認め、今から行うダイビングに対して、依存すべきところと、自立すべきところを自身やチームで見極めることが大切です。

これまで問題にならなかったのは、ひょっとすると、安全を分かっているプロフェッショナルが影ながらサポートして
くれていたからかもしれません。自身の足りている部分と不足している部分を把握できているかどうかは、いちど見直す意味は大いにあると思います。

ダイバーに必要なマインドを学ぶことができる

加藤さん:さて、依存を認め、見極めることの意味についてお話ししましたが、なぜSDIソロダイバーコースを推しているのかというと、全てのダイバーのみなさんに必要だと思うマインドを、このソロダイバーコースで学べるからです。依存についても明確になります。

ダイバーにとって大切なことの一つに、『己をよく知ること』が挙げられます。ソロで潜るということは、真に『己をよく知ること』が求められます。普段ソロダイビングを行わないダイバーも、ソロで潜るということを考え、ソロインストラクターに見守られる環境下でソロダイビングをトレーニングすることで、『己をよく知る』機会となります。

例えば、自身の過大評価がダイビングの事故につながることもあります。ベテランダイバーさんには、長くダイビング経験だけを積んだことがかえって根拠のない自信となり、危険なことが見えなくなってしまっている方も見受けられます。残念なことですが、ここ数年でも過信によるベテランダイバーの死亡事故がいくつもありました。これが現実です。

他者評価(確かな目をもつ評価者)と自己評価がイコールであることもダイバーの大切な能力です。このコースでは自分自身を客観的に正しく評価する機会を得ます。。しばらくトレーニングコースに参加する機会のなかったベテランダイバーさんには、安全を見直す意味でぜひ参加してみてほしいです。

加藤さん:またダイバーの中には、ダイビングは大好きなのですが、100ダイブぐらい経験したのに、なぜか理由の分からない恐怖心や不安感といったストレスを抱えながら潜っている方も意外といらっしゃいます。

このような方たちは、ソロで学ぶマインドや考え方を知ることで原因が明確となります。例えばコンフォートゾーン(快適度)について学ぶことで、どんなペースでどんなレベルの内容が自分には適性なのか理解することができ、余力(バックアップ)をもってダイビングを楽しむことを理解できるようになります。

必ずしも成果がでるとは言えませんが、以前にこんなこともありました。他者の潜水事故に遭遇しPTSD(心的外傷後ストレス障害)でダイビングができなくなった方から相談をいただき、ソロダイバーコースを受講していただきました。効果はてきめんで、認定後、ご本人も大丈夫と確信し、医師と相談の上ダイバー復帰されました。

疑似的なトラブルトレーニングができる

加藤さん:次にトレーニングの重要性についてお話しします。前提として、普段のファンダイビングのことを「経験」と呼び、オープンウォーターダイバーコースやソロダイバーコースのことを「トレーニング」と呼んでいます。

水中という環境下で常にダイバーはリスクにさらされていますが、長く経験だけをしてきたダイバーさんは、どうしても経験則だけで、安全を判断してしまいます。これは本来認識しなければならないリスクを見えなくする危険性があります。

経験の中で学べることももちろんありますが、対応できるか分からない危機的状況はだれも経験したくないものです。

トレーニングコースの価値は、ファンダイブ中には決して起きてほしくないことを安全管理者のいるサポート下で、疑似的なトラブルトレーニングができることです。ダイビングの安全性を高めていくためには、定期的な知識やスキル、そしてマインドのアップデートが必要。つまり『トレーニング』は、危険に対する気づきのよい機会になります。特にこのSDIソロダイバーコースでの『トレーニング』は非常に効果が高いのです。

加藤さん:まとめに入りますが、今回お話ししたのは、依存を認め見極めること、己を知ること、そしてトレーニングの重要性についてお話ししました。最後にSDIソロダイバーコースを推す根拠となる理由もお伝えしたいと思います。

このSDIソロダイバーコースはソロダイビングを推奨しているわけではありませんが、実際にソロダイバーを認定している唯一のコースです。日本でもSDIソロダイバー認定され、現地サービスさんの理解と承諾の元、実際にソロダイバーとして活動している方たちもいます。

伝えたいことは、こうした実践的なトレーニングはなかなかありません。ソロを行う予定のない方たちも本格的なトレーニングコースで得られるものは大きいです。「100ダイブの経験をしたアドバンスレベル以上のダイバー」さんには、ぜひともこのコースを受講してほしいと強く願っています。
『SDIソロダイバーは良きバディとなる」ぜひこのコースをきっかけにグッドダイバーを目指してください。

関連記事:ガラパゴス化する日本のダイビングシーンに新しい風を ~SDI代表・加藤大典さんインタビュー~

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SDIソロダイバーコースが開催できるショップのリストは下記の通り。
★はインストラクターコースも開催

山形
●アーバンスポーツ
東京
●DIVEZONE TOKYO
神奈川
●Explorer’s Nest
●スティングレイジャパン
●テクニカルダイビングセンタージャパン
愛知
●SDITDIERDI JAPAN ★
●evis ★
沖縄
●ベントスダイバーズ

ただいまSDIではコロナ禍をふまえて、世界的なクロスオーバーキャンペーンを行っています。クロスオーバーに合わせて、SDIソロインストラクターコースの開催も可能です。詳しくは、infojapan@tdisdi.comまでご連絡くださいませ。

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