オーシャナ主催「Cカード取得サポート企画」Part2!2日間の海洋実習をレポート
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オーシャナでは、持続可能なダイビングを目指し、海洋環境や社会問題にも配慮できるダイバーを1人でも多く育てることを目標に2021年9月から「Cカード取得サポート企画」(※)を開催中。
今月5日に東京・練馬のOKマリンプロにてプール講習を終えたメンバーたちは、いよいよ海洋講習に突入!着々とスキルを積み上げている。
そして、今回の海洋実習の舞台となったのは、三浦半島・城ヶ島。メンバーたちは2日間で4本のダイビングトレーニングに挑んだ。
おのおのが自分のスキルに向き合った海洋実習の様子をレポート!
※2021年9月から始まったこの企画は、Cカードを取得したい意思があり、なおかつ目標に共感してくれる方をアンケートで募り、社内での厳選なる審査の結果、選ばれた方に参加いただいている。今年1月にはすべての参加者がオンラインでの学科講習を終え、今月5日にはプール講習を受講。
1日目
海洋実習の舞台は中性浮力スキルが磨かれる「城ヶ島海岸」
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写真奥に見えるブイの内側がダイビングエリア。海の色が淡いところが砂地
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天候次第では、富士山もはっきり見える(別日)
前日の降雪が嘘のような天気に恵まれた中、一同は、三浦半島城ヶ島海岸のビーチポイント「梶ノ浜」に集合。
2月11日〜12日のこの時期は、ダンゴウオやウミウシ、カエルアンコウなどのダイバーに人気の生物も観察できる。
ただし砂地のポイントであるので、ホバリングやフィンピボットといった中性浮力のスキルは必要不可欠だ。
メンバーにとっては、実戦経験を積むいい機会となった。
まずは器材のセッティングから!
プール講習に引き続き、インストラクターの池内が担当。池内の手本をみながら、自分の命を預ける器材のセッティングを学ぶ。
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キャップを外してOリングを確認。バルブをゆっくり回して空気の匂いも嗅ごう
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浮力調整装置であるBCD(Buoyancy Compensator Device)をタンクにセッティング。BCDのインフレーター部分とインフレーターホースをつないで空気を給排気できるようにしよう
各器材の必要性や仕組みについてもおさらいした。
ドライスーツに着替えて、ブリーフィングを受けよう!
セッティングを終えたら、ドライスーツに着替えて、初めてのブリーフィング体験。
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バディ同士助け合いながら着用
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ブリーフィングとは、ダイビング前の打合せにあたるもの。今回のダイビングコースの説明や水温や流れなどコンディションについて、安全について注意すべき事柄、見られる生き物などを確認する。
今回は池内から説明する形となったが、ゆくゆくは自分自身で何の情報が必要か判断し、積極的に情報収集できるようになれば、自立したダイバーに一歩近づくはずだ。
1本目は「レギュレーターリカバリー」、「マスククリア」、「中性浮力」の練習!
いよいよ海洋実習1本目!階段を降り、足がつく場所からスロープをつたいながら海へ。
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フロート(浮力体)につかまり、呼吸を整えてから潜降
プール講習の復習という形だが、海は波やうねりがあったり、真水のプールよりも浮力が大きかったりとプールとは環境が異なる。
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これから慣れ親しんでいくであろう‟海”というフィールドを体全体で感じながらの練習
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とくに中性浮力のスキルにあたる「フィンピボット」と「ホバリング」はメンバー内でも、他スキルにくらべてちょっと難しいという意識があるようだ
メンバーそれぞれが得意、不得意を自覚し、不得意なスキルに関しては、道具でカバーするのかそれとも、技術を向上させるのか自分で判断して対策することが大切になってくる。
約30~40分の講習を終え、1本目は終了。
2本目は「オクトパスブリージングアセント」、「水中ツアー」
本日2本目の講習は、バディがエア切れになったり、レギュレーターに何らかのトラブルが起こった時にバックアップの空気源として自分のオクトパスを渡し、緊急浮上する「オクトパスブリージングアセント」と、水中での動作をコースを泳ぎながら練習する「水中ツアー」を行った。
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エア切れは起こってはならない事態だが、最悪のシチュエーションを想定した練習をしっかり行っておけば、冷静に対応できるはずだ。
水中ツアーの様子はオーシャナスタッフが動画を撮影。あとで全員で確認して、各自のフォーム改善に役立てた。
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パソコン画面でチェック!
器材の片付け方、洗い方の実習を行い、終了!
2本潜り終えたところで、本日のダイビングは終了。最後に自分が使った器材の片付け方、洗い方の実習を行った。器材を安全に長く使うためにも、毎回のお手入れは重要!
夕方からは、宿で筆記テストに向けた勉強会がスタート。その後、テストを実施した。
メンバー全員、高得点で合格。おめでとうございます!
2日目
1日目に引き続き良い天気に恵まれ、海洋状況も良好な2日目がスタート。
3本目は「フリー潜降&浮上」、「水中移動からのマスク脱着」、「オーラル給気によるフィンピボット」、「水面直線ナビゲーション」
通算3本目となるダイビングでは、練習スキルが盛りだくさん。とはいえ、すべて今まで習ったスキルの応用で対応できる。落ち着いて取り組めば大丈夫!
「フリー潜降&浮上」では、給気ボタンと排気ボタンを何回押せばどれくらい浮かぶのか、沈むのかを確認した。押した後、効果が表れるまでのタイムラグも体感した。
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「水中移動からのマスク脱着」では、マスククリアと異なり、完全に顔からマスクを外し、着けなおす。
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マスクが完全に顔から外れてしまうシチュエーションはそうそうないが、想定して、練習しておくことが安全管理では大切
「オーラル給気によるフィンピボット」では、給排気ボタンを使わずに、肺呼吸のみで中性浮力をコントロールする。
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背中にあるタンクの位置が中央から微妙にズレていたり、足が曲がっていたりするだけで、バランスを崩すことも。肺呼吸だけに集中するわけにもいかず、慣れが必要
「水面直線ナビゲーション」では、コンパスを使って水面で直線方向へ移動する練習を行った。インストラクター任せになりがちだが、バディやインストラクターを万一見失った時でも、自力で帰還できる重要なスキルゆえ、しっかりと身に着けておこう。
4本目は「水中直線ナビゲーション」、「水中ツアー」
最後のダイビングでは、水面直線ナビゲーションの水中版、「水中直線ナビゲーション」を練習。
水中で迷子にならないためにも、自分が今どこにいるのか把握しておくためにも、必要なスキル。中性浮力を意識しつつ、コンパスを使って直線を往復した。
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北に進んでから、反対の南に進む
その後、水中でのスキルをコースを泳ぎながら練習する「水中ツアー」へ。
余裕の表情を見せるメンバーの姿に頼もしさを覚えつつ、海洋実習は終了した。
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2日間の海洋実習を終えて
2日間で4本のダイビングとテストをやりきったメンバーたち。おのおのが自分のダイビングスキルと知るべき知識に向き合った2日間となった。
本企画の目標である「持続可能なダイビングを目指し、海洋環境や社会問題にも配慮できるダイバーを1人でも多く育てること」を達成するためにも、海洋実習後も企画を継続。
これからオンライン・オフライン双方で、ダイビングの知識やスキル、環境意識を楽しみながら身に着けるイベントを開催予定だ。
また、メンバーからは「もっとレベルアップしていきたい」という声が複数上がっているので、レベルアップとはダイビングのスキルアップのことを指すのか、はたまたカードのランクアップを意味しているのか、メンバーと一緒に深堀していきたい。
それぞれの思い描く‟なりたいダイバー像”を顕在化していくことは、楽しくダイビングを続けるためにも必要不可欠なはず。
環境問題や社会問題に配慮できるアクティブダイバーを育てるためにも、オーシャナの運営側とメンバーたちは積極的に交流し、共創していく考えだ。
これから開催予定のイベントレポートをお楽しみに!