タヒチ沖で発見!ありえない深さに生息する世界最大級のサンゴ礁

通常は、体験ダイビングで楽しめる水域に多く生息しているサンゴ。地形によって異なる形状や鮮やかな色合いが、水中写真の被写体としても人気者だ。今日では、地球温暖化によるサンゴの白化や数の減少が危ぶまれるニュースを多く目にするが、そんな中、世界最大級の珍しいサンゴ礁がタヒチ島沖のありえない深度で発見されたとのニュースが舞い込んできた。迫力のある実際の画像や映像とともに、この嬉しいニュースに関して現地のタヒチ観光局よりコメントをいただいた。

最も深い場所で深水65m!世界で初めて発見されたサンゴ礁の群集

昨年11月に、ユネスコの研究チームによってタヒチ沖で発見されたこのサンゴ礁は、手付かずの状態で広範囲にわたって生息していた。何よりも珍しいのは、普通では考えられないほどの深い場所でこのサンゴ礁が発見されたということだ。
通常のサンゴ礁は深くても水深30メートルの深さで繁殖するが、今回見つかったサンゴ礁は最も深い場所で65メートルの深さにあり、長さは約3km、幅は最大65mで、記録上では最も広大で健康的なサンゴ礁の一つとされている。また、巨大なバラの形をしたサンゴは直径2メートルのものもあったという。

@alexis.rosenfeld

テクノロジーの進化により長時間のダイビングが可能となった

これまで、30m以上の深さのサンゴ礁を見つけ、調査し、研究することができた科学者はほとんどいなかった。しかし、今回の発見は、テクノロジーの進化により、長い時間ダイビングが可能となったことにより成し得たものとも言える。研究チームは、合計で約200時間のダイビングを行い、サンゴ礁を調査し、サンゴの産卵を目撃することに成功。今後数ヶ月もリーフ周辺の調査を継続するためのダイビングが計画されている。

@alexis.rosenfeld

この珍しい発見に対する各所のコメント

見渡す限り続く巨大で美しいバラサンゴを目の当たりにして、魔法にかけられたような気持ちになりました。まるで芸術作品のようでした。
この発見に携わったフランスの写真家のAlexisRosenfeld氏

@alexis.rosenfeld

フランス領ポリネシアは2019年に重大な白化現象に見舞われましたが、このサンゴ礁は大きな影響を受けていないようです。このような手付かずの状態でこのサンゴ礁が発見されたことは朗報であり、将来の保護を促すことができます。より深いサンゴ礁は、地球温暖化からよりよく保護されるかもしれないと私たちは考えています。
フランス国立科学研究センター(CNRS)のLaetitiaHedouin博士

私たちは深海よりも月の表面をよく知っています。深海は、海底全体の20%だけしかまだマッピングされていない状況。タヒチでのこの驚くべき発見は、ユネスコの支援を受けて、その下にあるものについての私たちの知識の範囲をさらに広げる科学者の信じられないほどの仕事を示しています。
ユネスコ長官のオードレ・アズレイ氏

コロナ感染拡大以前には、日本のダイバーの方々が、タヒチの島々でダイビングを楽しまれていました。その海やラグーンは変わらず世界中のダイバーを魅了しており、宝石のような海へ潜る機会をご用意しております。4月にダイビングをテーマにキャンペーンを開始する予定ですので、東京-パペーテ間の直行便が再開された際、日本中のダイバーの皆様にタヒチへ訪れて頂く契機となることを願っています。
タヒチ観光局 最高経営責任者 ジョン-マルク・モスラン氏

©_Alexandre_Voyer

世界最大級のサンゴ礁が発見されたタヒチへ、早くダイビングをしに行きたくなるような嬉しい驚きのニュースはいかがだっただろうか。今後も、まだ地図に載っていない深海を開拓していくユネスコチームの活動にも注目したい。

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PROFILE
奄美在住。高校生の時にブラジル留学を経験。泳ぐのが苦手で海とは縁がない人生だと思っていたが、オーシャナとの出会いを通じてOWD(BSAC)を取得。オーシャナを通じ、環境問題や海のことについて勉強中。
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