水中カメラマン・堀口和重氏、シエナ国際写真賞で準グランプリ受賞!世界が認めた水中写真の実力
水中カメラマンの堀口和重氏が、イタリアで開催された世界トップクラスのフォトコンテストの一つ「シエナ国際写真賞」の水中生物部門で準グランプリに輝いた。水中にすむ生物たちの生態シーンなどを精力的に撮影してきている堀口氏。シエナで9月28日に行われた表彰式から帰国した堀口氏に、受賞の喜びの声、国際的なコンテストに参加して感じたことなどを伺ってみた。
シエナ国際写真賞の表彰式で準グランプリを受賞!ドキドキの瞬間とは?
オーシャナ編集部(以下、――) この度は、準グランプリに選ばれたとのこと、おめでとうございます。今回、シエナで行われた表彰式に行かれたということで、ぜひそのときの様子なども伺えればと思っています。受賞されたのは、三重県・銚子川の「ナガレヒキガエル」の作品ですよね。受賞されて少しお時間が経って、今、どのようなお気持ちですか?
堀口和重氏(以下、堀口氏)
「シエナ国際写真賞」は、レベルの高い応募作品が多数集まるコンテストなので、そこで準グランプリに選ばれたのはとても嬉しいです。撮影に協力してくださった銚子川をガイドしているダイビングショップ「TRUE COLOR」 代表の伊藤英昭さんをはじめ、今まで携わってきてくださったたくさんの方たちに感謝したいと思います。
――表彰式の当日まで、何位に選ばれているのかはわからなかったんですよね? どのように順位は伝えられたのですか?
堀口氏
表彰式が行われている最中に声をかけられて、準グランプリだということがわかったんです。グランプリは事前に決まっていたようですが、準グランプリと3位はその場で発表だったのでドキドキでした。でもそれ以上にドキドキしたのが、表彰台に上がるときでした。とても立派な舞台で、あちらこちらからライトが当てられて、前にはカメラマンがずらっと並んでこちらにカメラを向けていたので、そのほうが緊張しましたね(笑)。ここまで大規模なフォトコンテストは日本でもあまりないと思うので、とてもいい経験になりました。
シエナ国際写真賞の舞台、世界遺産の美しい街並み
――堀口さんが送ってくださったシエナの街並みの写真を拝見して、とても素敵な場所なんだなと思いました。町を上げてフォトコンを盛り上げて、受賞者を祝福してくれているムードですね。
堀口氏
表彰式は受賞者だけが参加するのですが、地元の合唱団が歌を歌ってくれたり、シエナの名所・カンポ広場には数千人の人たちが集まってきたりして、盛り上がっていました。そこにゴールドカーペットが敷かれていて、そこを通って表彰式の会場へ入場するんです。
また、町のあちこちにフォトコンのポスターも張られていて、やはりヨーロッパは芸術活動の応援に力を入れていて、関心や興味のある方が多いのかなと感じましたね。
――やはり、日本とはかなり違いますね。こちらのフォトコンテストは様々なジャンルがあり、戦場写真のようなジャーナリスティックな作品もあれば、水中写真や動植物を撮った自然写真もある。そんな数々のハイレベルな作品が集まる中で、堀口さんの水中写真が評価を受けたことは本当に素晴らしいと思います。
堀口氏
今回、準グランプリに選ばれたことはもちろん嬉しいのですが、表彰式に参加できて、本当によかったと思います。短い日程でしたが、シエナの観光も楽しめました。シエナはローマからバスで約3時間半ですが、羽田からローマまでは直行便で行けますので、意外とアクセスは便利でした。
堀口和重氏、次なる挑戦へ!フォトコンテストへの意気込み
――今後もフォトコンテストに作品を出していくご予定はありますか?
堀口氏
そうですね。これからもいろいろな海外のフォトコンテストに挑戦していきたいです。今回、たくさんの写真家の方たちと出会えたので、今後また別の場所で会えるといいなと思っています。12月までに締め切りのコンテストもいくつかあるので、海の生き物の生態や、プランクトンなどの今まで力を入れて撮ってきた写真を出したいですね。
――また嬉しい受賞のお知らせを心待ちにしています!! 最後に水中写真を撮っている読者の方も多いと思うので、ひと言メッセージをいただけますでしょうか?
堀口氏
海外のフォトコンにも、アマチュアの方でも応募できるものがたくさんあるので、ぜひ参加していただきたいと思います。また自分では写真を撮らないという方も、フォトコンテストの受賞作品を見るだけでも楽しいと思いますので、ぜひご覧いただけたらと思います。
日本の海の素晴らしさを伝えるため活動している⽔中カメラマン。カメラマンになる以前はダイビングガイドをしながら数々のフォトコンテストで⼊賞。現在はダイビング・アウトドア・アクアリストなどに関連する雑誌やウェブサイト、新聞などに記事や写真を掲載、水中生物の図鑑や教書にも写真提供している。2019年に日本政府観光局(JNTO)主催の“「⽇本の海」⽔中フォトコンテスト 2019”にて審査委員、2020年には“第28回 大瀬崎カレンダーフォトコンテスト”の特別審査員も務める。近年は訪⽇ダイビングツーリズム促進を⽬的として“NPO 法⼈ Japan Diving Experience”としての活動も⾏っている。
オーシャナで行ってきた場所のレポートや連載の「イキイキと生きる!生き物伊豆紀行」を執筆。
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