グレートバリアリーフ在住の海洋生物学者/ガイドが選ぶリーフスポット トップ10

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オーストラリア・クイーンズランド州政府観光局の日本事務所は、観光局タイアップ企画「海洋生物学者のジョニー・ガスケルが選んだグレートバリアリーフのいつか訪れてほしいリーフスポット トップ10」を発表。

同州沖にあるグレートバリアリーフは全長2,600km以上とも言われ、宇宙からでも見える世界最大のサンゴ礁地帯として有名で、2,900以上のサンゴ礁から選び抜かれた10スポットはまさに必見。中でもグレートバリアリーフ最北部にあたるファー・ノーザン管理地域においては、同州公園野生生物局が2021年1月に環境調査のため訪れたところ、ラニーニャ現象の影響で海水温が例年よりも低いこともあり、ほとんどの調査礁でサンゴの白化現象は見られなかったという。筆舌に尽くしがたい美しいサンゴ礁の写真は一見の価値あり!

ジョニー・ガスケル(Johnny Gaskell)プロフィール

ジョニー・ガスケルは幼少期、自宅付近の川へと通い魚や生き物を何時間も観察して過ごす日常を送る。学生時代、科学と漁業管理について数年間学んだ後、ツアー・ダイビングガイドとしての道を選択。その後まもなくグレートバリアリーフ中心部にあるウィットサンデー諸島に移り住み、ガイドとしてのキャリアを構築。現在、ジョニーはデイドリーム島のマスターリーフガイドおよびグレートバリアリーフ在住の海洋生物学者として、世界最大級の生きたサンゴ礁の人工ラグーン製作に勤しむ。
・インスタグラムアカウント:https://www.instagram.com/johnny_gaskell/

10位:サドベリーリーフ@ケアンズ沖

10位からこの美しさ。さすがグレートバリアリーフ、恐るべし。サドベリーリーフは、ケアンズの港から東に約50km程の距離に位置する。

ガスケル氏コメント:このリーフの大部分がソフトコーラルで、無数のブダイとボラが泳いでいる。通常はもっと深いダイビングスポットでしか見られないような生物を見ることができる。

9位:リトルバロンリーフ@ヤプーン

リトルバロンリーフへは、クイーンズランド州中央部、グレートバリアリーフの南部に位置する、カプリコーン・コーストと呼ばれるビーチエリアから。ヤプーンはカプリコーン・コーストの中心地。

ガスケル氏コメント:スウェインリーフス国立公園内にある、1,000以上の独立したサンゴ礁の1つ。安全で穏やかな近隣リーフはザトウクジラの繁殖地となっているため、冬には海中で彼らに出会うことも。

8位:カンガルーリーフ@ボーウェン

ボーウェンは、クイーンズランド州の東海岸にあるウィットサンデー諸島の沿岸の町。そこから北北東に約60km進むとカンガルーリーフにたどり着く。

・ガスケル氏コメント:リーフ中央の水路を流れる海流が速く、海水が上手く混ざり合うため海面温度が夏でも低温に保たれ、海洋生物の食料となるプランクトンが豊富かつサンゴの成長にも最適なエリア。

7位:名前のないリーフ@ヤプーン

ヤプーンから北東に約120km進むと現れるスウェインリーフス国立公園内にあるサンゴ礁群。クイーンズランド州の公式ウェブサイトに掲載されているPR動画では、スキンダイビングを楽しんでいる様子が見受けられる。

・ガスケル氏コメント:スウェインリーフス国立公園内にある、小さなリーフが集まった大きなサンゴ礁群の一つ。ほとんどに名前がついていないが、このリーフは泳いで通り抜けられる壮大な空間や洞窟が楽しめる地形となっている。

6位:フィッツロイリーフ@グレートケッペル島

グレートケッペル島は、ヤプーンから約15km程の近海にあり、グレートバリアリーフの南部に位置する島。

・ガスケル氏コメント:大きく深いラグーンを囲むようにリーフが形成されており、ダイバーやシュノーケラーに人気のスポット。見どころは、水路がラグーンにつながる場所付近にあるサンゴの坂。ぎっしりと詰まった多様なハードコーラルで完全に覆われ、様々な魚種が生息している。

5位:タイガーリーフ@ボーウェン

8位のカンガルーリーフの左となりに位置する。カンガルーリーフやタイガーリーフのほかにこの周辺海域にはディンゴリーフ、ワラビーリーフなどユニークな名前がついたサンゴ礁群が。

・ガスケル氏コメント:2017年に熱帯低気圧が通った進路に近く、まだサンゴが残っているか不安だったが、確認したところ、熱帯低気圧による被害をほとんど受けていなかった。素晴らしい状態のリーフがある場所だ。

4位:ブリッグスリーフ@ケアンズ

ケアンズの港から東に約50km程の距離にあるブリッグスリーフ。10位のサドベリーリーフのほぼ真上に位置する。

・ガスケル氏コメント:ケアンズ沖フィッツロイ島付近にあるムーアリーフとサドベリーリーフの間にたたずむ、小さなリーフ。他のリーフ地帯に比べて非常に被覆率(リーフが海底を覆っている割合)が高く、ケアンズから至近なため、あらゆるレベルのダイバーに最適なスポット。

3位:シークレットリーフ@ウィットサンデー諸島

8位のカンガルーリーフ、5位のタイガーリーフに続いてシークレットリーフもユニークなサンゴ礁群の周辺海域に位置している。しかし、名前のとおり‟秘密”のポイントだからか、Google Map上で探しても発見できなかった。

・ガスケル氏コメント:壮大なラグーンの集合体で、多種多様なサンゴ礁と魚類が生息している。とても繊細だが、信じられないほど素晴らしいエコシステムで、ウィットサンデー諸島にある人気の各ダイビングスポットからも、さほど離れていない。

2位:エリザベスリーフ@ウィットサンデー諸島

イギリス王室御用達のウィットサンデー諸島にあるエリザベスリーフ。セレブを魅了するこの美しさは流石というしかなさそうだ。

・ガスケル氏コメント:ここの海水は澄み切っていて、リーフの周りには何千匹もの魚が泳ぎまわっている。特にリーフの端に非常に被覆率(リーフが海底を覆っている割合)の高いサンゴがある。一部は被覆率が最大100%と傑出しており、私のお気に入りのダイビングスポットの1つだ。

1位 クリスタル・ブルーホール@ヤプーン

ブルーホールといえば、中央アメリカ、ベリーズにある直径313mのものが有名だが、オーストラリアにも存在する。大きさだけ見ると直径120mとベリーズと比べると小ぶりだが、美しい青色に引き込まれそう。

・ガスケル氏コメント:「ブルーホール」とは海底に開いた陥没穴で、このような形状は海水面が現在よりも100~120メートル低かった氷河期に形成されたと考えられている。直径120m、深さ40mのホールの周りは健康なサンゴでびっしりと覆われており、中心のホールに向かって傾斜している。そのため底を覗き見ることはできなかった。

新型コロナウイルスが世界を席巻している間にも、サンゴをはじめとする世界の海洋生物は元気に生き延びてくれているようだ。現在は、海外旅行も叶わなくなってしまっているが、必ず近い未来に元気な姿で会いに行きたい。

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