山形県の鶴岡沖でダイビング死亡事故。ガイドの注意義務範囲が明確でない中で、どのように捜査が進むのか
山形県鶴岡沖で
女性ダイバーの死亡事故が発生
ダイビングもいよいよ夏本番を迎えましたが、残念ながら死亡事故が発生しました。
まずは亡くなられたダイバー方のご冥福を心よりお祈りいたします。
山形県鶴岡市で18日、ダイビングをしていた女性が死亡した。酒田海上保安部はダイビング業者の安全管理に問題が無かったかについて調べを進めている。18日正午ごろ、鶴岡市の堅苔沢漁港から約800メートルの沖合でスキューバダイビングをしていた長井市片田町の看護師・小田良子さん(51)が水中で意識を失い、その後死亡した。小田さんは鶴岡市内のダイビング業者のスタッフと一緒に船で沖に出て、午前9時ごろから海に潜り、休憩をはさんで午前11時ごろから再び潜った際、意識を失ったという。
詳細な原因は司法解剖や調べを待つしかないですが、個人的に気になるポイントは「業務上過失致死」を視野に入れて調べが進んでいる点です。
ガイドの注意義務が争点か?
しかし、業界としては範囲が曖昧
ちょうど、過去の、起訴が検討されている事案や起訴が取り下げられた事案などの文献を読んでいましたが、おおむね“ガイドの注意義務”が争点となっています。
この事故もその点がポイントとなりそうですが、ダイビング業界として、注意義務の範囲は実に曖昧な状況です。
そのしわ寄せを受けるのは事故者やガイド。
事故が起きてはじめて問題が表面化しますが、事故者や遺族、そして、若いガイドが不幸な状況になってしまったケースを見ると、ガイドの役割を明確化する必要性と事故情報の開示の重要性を感じます。
事件性があるのであれば、刑事で起訴されても仕方ありませんが、そう思えないケースも目にします。検察官がダイビングを理解していない、ダイビングのルールが曖昧な状況だと仕方ないとも思います。
この事故の原因や予防の検討はもちろん、「安全管理に関する調べ」がどのような展開を見せるかも気になるところです。